お憑かれspring 1年目
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またも遅刻ギリギリの時間に起きてしまい、寺に続く階段を駆け降り学校までの道程を疾走していると、またもドライボーイ財前君が前を歩いている。
だがしかし、今回はもう声なんてかけないぞ。
横を駆け抜けようとするが、踵を何者かに掴まれそのまま前にスッ転んだ。
後ろを見ればすねっころがしがケタケタと楽しそうに笑っていた。
「おのれぇ……」
「何が“おのれぇ……”やねん。自分で転んどいて、なに人の所為にしとんのや」
不機嫌丸出しの財前君が私の側にしゃがみこむ。
あ、違うんです。財前君に対してじゃなくて、すねっころがしが……。と言った所で信じてもらえないだろうし、素直に「申し訳ございません」と言うしかない。
ゆっくり起き上がるも、膝も顔面も擦り傷だらけで激痛が襲う。
「うぬぐうううう」
「なんちゅー悲鳴あげとんねん。……おら、乗れや」
「へ?」
財前君が背中を向けている。
これは、もしやおんぶというやつですか?
いやいやいや!絶対に嫌!恥ずかしい!と叫ぶ私にキレた財前君はお姫様抱っこという強行手段に出た。
「嫌ー!殺してくれー!」
「やっかましいわ!傷口下にして落とすぞ!」
「やめてー!」
そんな感じで大騒ぎしながら登校していると、無情にもチャイムが遠くから聞こえた。
レ・ミゼラブル!!
怪我の事もあったので今日の遅刻も免除にしてもらい、そのまま保健室へと運ばれる。
保健の先生が事前に砂を洗い流した傷口を見て顔をしかめる。
「女の子がやんちゃしたらあかんよ?」
「先生。そいつ、やんちゃやなくて只のドジっすわ」
「あら、そうなん?」
「はい……」
先生は「気を付けてな?」と言いながら、鼻に絆創膏を貼ってくれた。
出来るだけ傷が痛まない様にゆっくりとした動作で先生にお礼を言い、教室に戻ろうとしたら待っていてくれた財前君が私の腕を自分の肩に回して支えてくれた。
「ありがとう」
「気にせんでええ。全然別に、この恩を返せとか思うとらんから」
これは、振りという奴だろうか。
絶対、これで返さなかったら「東京者は冷たい」と言われるに決まっている。(※被害妄想)
財前君に「何かして欲しいことない?」と聞くと「せやな……」としっかり考え出す。
「お前、家どこ?」
「四宝寺ってお寺」
「あぁ、あの寺か……。俺んちまで近いな」
「そうなんだ」
「なら、夕日。明日から、俺の事起こしに来い」
「えぇ?!一回の恩にしては、スパンが長すぎない?!」
「あー、なんや肩いたなってきたわー。捨てて行こうかなー」
うぐうううう。
足元見た要求をだしてきよって……!
私は悔しい気持ちを抑え込みながら「わかったよ……」と言う。
明日からは自転車通いにしよう……。
だがしかし、今回はもう声なんてかけないぞ。
横を駆け抜けようとするが、踵を何者かに掴まれそのまま前にスッ転んだ。
後ろを見ればすねっころがしがケタケタと楽しそうに笑っていた。
「おのれぇ……」
「何が“おのれぇ……”やねん。自分で転んどいて、なに人の所為にしとんのや」
不機嫌丸出しの財前君が私の側にしゃがみこむ。
あ、違うんです。財前君に対してじゃなくて、すねっころがしが……。と言った所で信じてもらえないだろうし、素直に「申し訳ございません」と言うしかない。
ゆっくり起き上がるも、膝も顔面も擦り傷だらけで激痛が襲う。
「うぬぐうううう」
「なんちゅー悲鳴あげとんねん。……おら、乗れや」
「へ?」
財前君が背中を向けている。
これは、もしやおんぶというやつですか?
いやいやいや!絶対に嫌!恥ずかしい!と叫ぶ私にキレた財前君はお姫様抱っこという強行手段に出た。
「嫌ー!殺してくれー!」
「やっかましいわ!傷口下にして落とすぞ!」
「やめてー!」
そんな感じで大騒ぎしながら登校していると、無情にもチャイムが遠くから聞こえた。
レ・ミゼラブル!!
怪我の事もあったので今日の遅刻も免除にしてもらい、そのまま保健室へと運ばれる。
保健の先生が事前に砂を洗い流した傷口を見て顔をしかめる。
「女の子がやんちゃしたらあかんよ?」
「先生。そいつ、やんちゃやなくて只のドジっすわ」
「あら、そうなん?」
「はい……」
先生は「気を付けてな?」と言いながら、鼻に絆創膏を貼ってくれた。
出来るだけ傷が痛まない様にゆっくりとした動作で先生にお礼を言い、教室に戻ろうとしたら待っていてくれた財前君が私の腕を自分の肩に回して支えてくれた。
「ありがとう」
「気にせんでええ。全然別に、この恩を返せとか思うとらんから」
これは、振りという奴だろうか。
絶対、これで返さなかったら「東京者は冷たい」と言われるに決まっている。(※被害妄想)
財前君に「何かして欲しいことない?」と聞くと「せやな……」としっかり考え出す。
「お前、家どこ?」
「四宝寺ってお寺」
「あぁ、あの寺か……。俺んちまで近いな」
「そうなんだ」
「なら、夕日。明日から、俺の事起こしに来い」
「えぇ?!一回の恩にしては、スパンが長すぎない?!」
「あー、なんや肩いたなってきたわー。捨てて行こうかなー」
うぐうううう。
足元見た要求をだしてきよって……!
私は悔しい気持ちを抑え込みながら「わかったよ……」と言う。
明日からは自転車通いにしよう……。