お憑かれwinter 1年目
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「めちゃ寒!」
ユウジの言葉に「ほんまやなー」と返す。
真冬で、しかも三が日後でも俺達の部活はあって、寒風吹きすさむ中でも部活はせんとあかん。
今年こそ四天宝寺を全国優勝させる為には、寒さなど気にしていられないのだ。
「さーて!部活開始すんでー!」
俺の声に部員たちが「うっーす!」とむさ苦しい返事をする。
あぁ、この男だらけの光景にも夕日さんがいてくれる、それだけで救われるわ。
そう思っていたら、謙也が「白石ー!光と夕日さんおらんで!」と言った。
財前君がサボるんはわかるけど、真面目の塊である夕日さんがおらんのは気になるな。
「誰か知らん?」
部員たちに聞くと、ユウジが挙手して「木の下で猿団子になっとったで」と言った。
二人で、猿団子……?
如何わしい妄想を振り払いユウジの言っていた木の下まで来ると、夕日さんにしがみついて寝息をたてている財前君と、困った表情でこちらを見つめる夕日さんがおった。
嫉妬の悲鳴をあげそうになるのを堪え、側まで歩み寄り「どういう状況なん?」と聞くと「寝そうだったので起こそうとしたら逆に引き寄せられちゃいまして……」と、財前君が起きないようになのか、小声で説明された。
「一氏先輩が通りかかった時に助けを求めたんですけど、無視されちゃいまして」
「ユウジ……。ま、まぁええわ。おい、おい財前君」
財前君を揺すり起こそうとするが、一向に反応を示す様子がない。
悪態すら吐かない程、深く眠る財前君にこちらが溜息を吐いてしまう。
「これじゃあ、練習にならんなぁ」
「私も色々試しているんですが、一向に起きないんですよね……。えいっ」
夕日さんが強めに財前君を殴るがやはり反応はない。
「はぁ……。これじゃあ、手伝いに来た意味がなくなる……」
「気にせんでええよ。何か前日にあったんやろ。まぁ、財前君には後でしっかりお灸据えたるから、夕日さんは気にせんとき」
苦笑いしながらそう言うと、夕日は微笑みながら「白石先輩は優しいですね」と言った。
「えっ?急にどうしたん……?」
「白石先輩は、人の為に心を砕く事のできる優しい人だなって。初めて会った時も、砕きすぎて自分が潰れそうになっていたのに、それでも部活の事を考えていて。潰れてしまっては元も子もありませんが、そういう、人に真摯に向き合う白石先輩の優しさ、私、好きですよ」
「えっ……あ……」
突然、真正面から褒められた事もそうだが、好きな子から好きだと言われるた事に、一気に恥ずかしさと嬉しさがこみ上げてきて、柄にもなく動揺してしまい、顔中に熱が集まるのが分かった。
わかっている、夕日さんの言っている「好き」は恋愛でというわけではなく、人として好感が持てるという意味だという事くらいは。
「お、俺、部活戻るな!財前君、起きたら来てな……!」
これ以上は、自分の心臓が持たないと判断して慌てて切り上げてコートへと戻った。
その後、何であの時「自分も好きやで」くらい言えなかったのかと自己嫌悪に陥った。
ユウジの言葉に「ほんまやなー」と返す。
真冬で、しかも三が日後でも俺達の部活はあって、寒風吹きすさむ中でも部活はせんとあかん。
今年こそ四天宝寺を全国優勝させる為には、寒さなど気にしていられないのだ。
「さーて!部活開始すんでー!」
俺の声に部員たちが「うっーす!」とむさ苦しい返事をする。
あぁ、この男だらけの光景にも夕日さんがいてくれる、それだけで救われるわ。
そう思っていたら、謙也が「白石ー!光と夕日さんおらんで!」と言った。
財前君がサボるんはわかるけど、真面目の塊である夕日さんがおらんのは気になるな。
「誰か知らん?」
部員たちに聞くと、ユウジが挙手して「木の下で猿団子になっとったで」と言った。
二人で、猿団子……?
如何わしい妄想を振り払いユウジの言っていた木の下まで来ると、夕日さんにしがみついて寝息をたてている財前君と、困った表情でこちらを見つめる夕日さんがおった。
嫉妬の悲鳴をあげそうになるのを堪え、側まで歩み寄り「どういう状況なん?」と聞くと「寝そうだったので起こそうとしたら逆に引き寄せられちゃいまして……」と、財前君が起きないようになのか、小声で説明された。
「一氏先輩が通りかかった時に助けを求めたんですけど、無視されちゃいまして」
「ユウジ……。ま、まぁええわ。おい、おい財前君」
財前君を揺すり起こそうとするが、一向に反応を示す様子がない。
悪態すら吐かない程、深く眠る財前君にこちらが溜息を吐いてしまう。
「これじゃあ、練習にならんなぁ」
「私も色々試しているんですが、一向に起きないんですよね……。えいっ」
夕日さんが強めに財前君を殴るがやはり反応はない。
「はぁ……。これじゃあ、手伝いに来た意味がなくなる……」
「気にせんでええよ。何か前日にあったんやろ。まぁ、財前君には後でしっかりお灸据えたるから、夕日さんは気にせんとき」
苦笑いしながらそう言うと、夕日は微笑みながら「白石先輩は優しいですね」と言った。
「えっ?急にどうしたん……?」
「白石先輩は、人の為に心を砕く事のできる優しい人だなって。初めて会った時も、砕きすぎて自分が潰れそうになっていたのに、それでも部活の事を考えていて。潰れてしまっては元も子もありませんが、そういう、人に真摯に向き合う白石先輩の優しさ、私、好きですよ」
「えっ……あ……」
突然、真正面から褒められた事もそうだが、好きな子から好きだと言われるた事に、一気に恥ずかしさと嬉しさがこみ上げてきて、柄にもなく動揺してしまい、顔中に熱が集まるのが分かった。
わかっている、夕日さんの言っている「好き」は恋愛でというわけではなく、人として好感が持てるという意味だという事くらいは。
「お、俺、部活戻るな!財前君、起きたら来てな……!」
これ以上は、自分の心臓が持たないと判断して慌てて切り上げてコートへと戻った。
その後、何であの時「自分も好きやで」くらい言えなかったのかと自己嫌悪に陥った。