お憑かれwinter 1年目
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冬休みに入り、暫くすると光君から電話がかかってきた。
“一二三、戦争に行くで”
「ごめん、私、永世中立国家だから」
私の返しに「例え話や、アホ」と言われてしまった。
何を例えて戦争などという物騒な単語が出てくるのかと聞けば、東京でやるコミックマーケットという即売会の売り子をやってほしいらしい。
“今年、追っかけとるオリジナル系のサークルさん達が軒並み新作出しすぎて買いもんの手が回らへんねん!頼む!手伝ってくれ!”
凄い、光君が超テンション高い。
うーん、でも、日程的に大丈夫かな。
スケジュールを聞けば、三十日の二十二時半に大阪を出て、東京には深夜一時に着くから一泊し、三十一日の七時半に入場して準備し、十六時までお兄ちゃんと売り子をしていてほしいらしい。
中々にハードなスケジュールだな。
年越し前には帰って来られるらしいが、一応、住職さん達に確認を取ると、中学生二人で危なくないかと聞かれたが、お兄ちゃんも行くので大丈夫だと言えば了承を得られた。
「行けるよ」と言った瞬間に電話の向こうから光君の「いよっしゃぁぁぁぁぁ!!」と言う声が聞こえて、光君のテンションをここまで上げるコミックマーケットとは何者なんだろうか。
当日、約束の場所に行くと、お兄ちゃんに背負われ爆睡している光君がいた。
何があったのかと聞けば「三日位、品物の制作に追われとって寝てへんのや」と言われた。
新幹線の中でもホテルに着いた後も爆睡していた光君だったが、翌日の朝は誰よりも早起きだった。
出会ってから一番輝いた顔をしている光君に連れられ、壁際のスペースで用意を済ませると、大きな鞄と買い物リストを持って光君は光の速さで行ってしまった。
だがしかし、会場内は走らないを守って競歩で。
あんな俊敏な光君、初めて見た。
お兄ちゃんの隣の席に座ると「今年も元気やな~、光」と笑っていた。
「あの、私は何をすればいいんですか?」
「ん~、せやな。兎に角、バッファローみたいなお客さん捌く。あと要注意なのは、光の本名ださん事やな。光を呼ぶ時は、ZENZAIって呼んだってな」
「ぜ、ぜんざいですね……。わかりました」
CDを見ると、確かに作詞、作曲、ZENZAIと書かれていた。
お兄ちゃんに「これ、ひ……ZENZAI君が作ったんですか?」と聞くと、誇らしげに「せやで」と返された。
「ZENZAIの曲はええ曲ばっかやで。よかったら、ZENZAIで動画検索してみてな」
「はい」
「せやけど、ZENZAIがコミケに友達と来るようになるとは思わんかったわ。あいつ、昔は俺一人に売り子やらせて買い物に行ったくらいやのに。随分、一二三の事、気に入ってるみたいやな」
「そう、なんですか……?」
どうしよう……。
結構、嬉しいかも……。
もにょもにょと表情筋が緩まらない様に顔を揉んでいると、会場のアナウンスと拍手の音が聞こえてきた。
「さーて、戦争の始まりやで!一二三!」
「はい!」
“一二三、戦争に行くで”
「ごめん、私、永世中立国家だから」
私の返しに「例え話や、アホ」と言われてしまった。
何を例えて戦争などという物騒な単語が出てくるのかと聞けば、東京でやるコミックマーケットという即売会の売り子をやってほしいらしい。
“今年、追っかけとるオリジナル系のサークルさん達が軒並み新作出しすぎて買いもんの手が回らへんねん!頼む!手伝ってくれ!”
凄い、光君が超テンション高い。
うーん、でも、日程的に大丈夫かな。
スケジュールを聞けば、三十日の二十二時半に大阪を出て、東京には深夜一時に着くから一泊し、三十一日の七時半に入場して準備し、十六時までお兄ちゃんと売り子をしていてほしいらしい。
中々にハードなスケジュールだな。
年越し前には帰って来られるらしいが、一応、住職さん達に確認を取ると、中学生二人で危なくないかと聞かれたが、お兄ちゃんも行くので大丈夫だと言えば了承を得られた。
「行けるよ」と言った瞬間に電話の向こうから光君の「いよっしゃぁぁぁぁぁ!!」と言う声が聞こえて、光君のテンションをここまで上げるコミックマーケットとは何者なんだろうか。
当日、約束の場所に行くと、お兄ちゃんに背負われ爆睡している光君がいた。
何があったのかと聞けば「三日位、品物の制作に追われとって寝てへんのや」と言われた。
新幹線の中でもホテルに着いた後も爆睡していた光君だったが、翌日の朝は誰よりも早起きだった。
出会ってから一番輝いた顔をしている光君に連れられ、壁際のスペースで用意を済ませると、大きな鞄と買い物リストを持って光君は光の速さで行ってしまった。
だがしかし、会場内は走らないを守って競歩で。
あんな俊敏な光君、初めて見た。
お兄ちゃんの隣の席に座ると「今年も元気やな~、光」と笑っていた。
「あの、私は何をすればいいんですか?」
「ん~、せやな。兎に角、バッファローみたいなお客さん捌く。あと要注意なのは、光の本名ださん事やな。光を呼ぶ時は、ZENZAIって呼んだってな」
「ぜ、ぜんざいですね……。わかりました」
CDを見ると、確かに作詞、作曲、ZENZAIと書かれていた。
お兄ちゃんに「これ、ひ……ZENZAI君が作ったんですか?」と聞くと、誇らしげに「せやで」と返された。
「ZENZAIの曲はええ曲ばっかやで。よかったら、ZENZAIで動画検索してみてな」
「はい」
「せやけど、ZENZAIがコミケに友達と来るようになるとは思わんかったわ。あいつ、昔は俺一人に売り子やらせて買い物に行ったくらいやのに。随分、一二三の事、気に入ってるみたいやな」
「そう、なんですか……?」
どうしよう……。
結構、嬉しいかも……。
もにょもにょと表情筋が緩まらない様に顔を揉んでいると、会場のアナウンスと拍手の音が聞こえてきた。
「さーて、戦争の始まりやで!一二三!」
「はい!」