お憑かれautumn 1年目
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「そういえば、部長。一二三とは進展あったんですか?」
俺の質問に部長は固まり、ゆるゆると体育座りをした。
あぁ、進展ないんすね。
普段エクスタシーエクスタシー言っとるのに肝心な所で奥手ってどないやねん。
恥ずかしがる所おかしいやろ。
「せやかて、夕日さん反応薄いから」
「あいつの反応の薄さはお吸い物以下っすわ。白湯っすよ、白湯。そんなんで心折れとったら、一二三とはやっていけませんよ」
「せやけど、どないすればええねん」
ぶすくれる部長に「それなりに仲ようなったんですよね?」と聞くと、無言で頷いた。
それを確認し、俺はケータイでとある遊園地の公式ホームページを開く。
そこは、絶叫の聖地と呼ばれる程の絶叫系アトラクションを極めた遊園地。
流石の一二三かて、どっかで悲鳴の一つはあげるやろ。
「ここで一発、かっこええとこ見せたりましょうや」
「財前君……!せやな!ちょお、まっとってな!今、夕日さんに電話するから!」
いそいそと一二三に電話をする部長を、謙也さんと見守っていると、部長がちっさくガッツポーズをした。
成功したらしい。
部長は電話を切ると、にやけ面で「やったで!」と言った。
「よかったっすね」
「おん!それでな、謙也、財前君」
「なんすか?」
「なんや?」
「当日、一緒に来てください」
俺と謙也さんの「何でやねん!」のハモリを聞いて、部長が「二人きりなんて心臓もたん!」と叫んだ。
恥ずかしがり屋か!
憤る俺とは真逆に、謙也さんは「おもろそうやから、ええで!」と快諾した。
アホなんか、この人らは。
呆れながら、当日、現地集合する事になった。
一応、先輩待たせたらあかん思うて十五分前に着いたのに、既に謙也さんがイライラと待機しとった。
「何分前に着いたんすか」と聞くと「一時間前や!どアホ!」と、今月一番の理不尽な怒鳴り方をされた。
早すぎやろ。
その後、五分前に部長が到着し、時間ちょうどに一二三が既に疲れた表情で現れた。
「大丈夫か、夕日さん?随分、やつれとるけど」
「ちょ、ちょっと、駅で迷子になりまして……」
それを聞いて、三人とも「あぁ……」と納得してしまった。
慣れとらんとダンジョンやからな、大阪の駅は。
気を取り直してテンション高い謙也さんを先頭に、その隣を俺が歩き、後ろを一二三と部長が着いてくる。
「なあなあ、どれから乗る?!」
「謙也さん、ちょお黙ってください。部長達の会話が聞こえへん」
そう言うと、謙也さんは黙り、一緒に後ろ二人の会話に耳をそばだてた。
「夕日さん、絶叫系平気なん?」
「遊園地に来たのが初めてなので、よくわからないです」
「そうなん?もし、気分悪なったら言ってな」
「はい」
……塩や。
なんちゅう、塩対応なんや一二三……。
もっと会話膨らませたれや。
俺相手とちゃうんやぞ!
ほら、めっちゃSOSサインだしとるやん、部長。
致し方なく、二人に「何から乗ります?」と声をかける。
「夕日さん、なんか乗りたいもんある?」
「あの最速ジェットコースター乗ろうや!!なっ!!」
「謙也さん、ちょお黙ってください」
「特に希望はないのでお任せで」
「おっしゃぁ!ほなら、あれ行くで!」
走り出す謙也さんに引っ張られる形で、謙也さん希望のジェットコースターへと乗る事になる。
走行中、謙也さんの叫び声が煩すぎて一二三の声が聞こえへんかったけど、それもその筈。
隣にいた部長曰く「夕日さん、声発しとらんかった……」らしい。
んなアホなと、ジェットコースターの途中で撮影された写真を買ったが、見事なまでの無表情。
はしゃぐ謙也さん、堪える俺、ひきつり顔の部長の隣に、一人ジェットコースターから隔絶された場所にいるかの様にいつも通り真顔の一二三。
しかも、手は膝の上だ。
「式典か!」
俺の突っ込みに、一二三がきょとん顔で「なにが?」と聞いてきた。
普通、前の席にしがみつかないならハンズアップするやろ!なんで、手は膝の上やねん!お上品か!
怒濤の突っ込みに、一二三は真顔で「ハンズアップ、わかった」と言った。
「せやけど、夕日さん凄いなぁ。怖なかったん?」
「怖すぎて真顔なんとちゃうか、白石?」
「いえ、すごく楽しかったです。ただ、小さい頃から平常心を保つ修行を行っていたので、つい真顔に」
「修行って、銀か自分!」
「石田先輩とは修行について語り明かせる気がします」
「せやけど、そう言われると絶対にビビらせたなるな!」
謙也さんが悪い笑みを浮かべ言うと、部長が「謙也、女の子ビビらせてどうすんねん」と叱る。
だが一二三が「できるものなら、やってみてください」と果敢に攻めていく。
「お!言うたな~!ほんなら、あそこ行くで!」
そう言い、指差したのはホラーハウスだった。
一二三の霊感の事を知っている俺からすればミスチョイス。
だが、行く気満々の謙也さんの暴走は止まらず、そのままホラーハウスへ。
「ぎゃあああああ!!光!!!光!!!なんかおった!!!」
「謙也さんうっさいっすわ!腕に引っ付かんといてください!」
「謙也、めっちゃビビっとるなぁ……」
「ああもビビられたら、ビビり難いですね」
「その、夕日さん。もし、怖かったら手繋がへん?」
「怖くはないですけど、暗くてはぐれそうなので繋いでもいいですか?」
「っ!当たり前やん!」
後ろ二人がええ感じになったんはええけど……。
「光!!!光!!!あかん!!!これあかんで!!!」
「うっさいわハゲ!」
謙也さんほんまうっさい!
俺の質問に部長は固まり、ゆるゆると体育座りをした。
あぁ、進展ないんすね。
普段エクスタシーエクスタシー言っとるのに肝心な所で奥手ってどないやねん。
恥ずかしがる所おかしいやろ。
「せやかて、夕日さん反応薄いから」
「あいつの反応の薄さはお吸い物以下っすわ。白湯っすよ、白湯。そんなんで心折れとったら、一二三とはやっていけませんよ」
「せやけど、どないすればええねん」
ぶすくれる部長に「それなりに仲ようなったんですよね?」と聞くと、無言で頷いた。
それを確認し、俺はケータイでとある遊園地の公式ホームページを開く。
そこは、絶叫の聖地と呼ばれる程の絶叫系アトラクションを極めた遊園地。
流石の一二三かて、どっかで悲鳴の一つはあげるやろ。
「ここで一発、かっこええとこ見せたりましょうや」
「財前君……!せやな!ちょお、まっとってな!今、夕日さんに電話するから!」
いそいそと一二三に電話をする部長を、謙也さんと見守っていると、部長がちっさくガッツポーズをした。
成功したらしい。
部長は電話を切ると、にやけ面で「やったで!」と言った。
「よかったっすね」
「おん!それでな、謙也、財前君」
「なんすか?」
「なんや?」
「当日、一緒に来てください」
俺と謙也さんの「何でやねん!」のハモリを聞いて、部長が「二人きりなんて心臓もたん!」と叫んだ。
恥ずかしがり屋か!
憤る俺とは真逆に、謙也さんは「おもろそうやから、ええで!」と快諾した。
アホなんか、この人らは。
呆れながら、当日、現地集合する事になった。
一応、先輩待たせたらあかん思うて十五分前に着いたのに、既に謙也さんがイライラと待機しとった。
「何分前に着いたんすか」と聞くと「一時間前や!どアホ!」と、今月一番の理不尽な怒鳴り方をされた。
早すぎやろ。
その後、五分前に部長が到着し、時間ちょうどに一二三が既に疲れた表情で現れた。
「大丈夫か、夕日さん?随分、やつれとるけど」
「ちょ、ちょっと、駅で迷子になりまして……」
それを聞いて、三人とも「あぁ……」と納得してしまった。
慣れとらんとダンジョンやからな、大阪の駅は。
気を取り直してテンション高い謙也さんを先頭に、その隣を俺が歩き、後ろを一二三と部長が着いてくる。
「なあなあ、どれから乗る?!」
「謙也さん、ちょお黙ってください。部長達の会話が聞こえへん」
そう言うと、謙也さんは黙り、一緒に後ろ二人の会話に耳をそばだてた。
「夕日さん、絶叫系平気なん?」
「遊園地に来たのが初めてなので、よくわからないです」
「そうなん?もし、気分悪なったら言ってな」
「はい」
……塩や。
なんちゅう、塩対応なんや一二三……。
もっと会話膨らませたれや。
俺相手とちゃうんやぞ!
ほら、めっちゃSOSサインだしとるやん、部長。
致し方なく、二人に「何から乗ります?」と声をかける。
「夕日さん、なんか乗りたいもんある?」
「あの最速ジェットコースター乗ろうや!!なっ!!」
「謙也さん、ちょお黙ってください」
「特に希望はないのでお任せで」
「おっしゃぁ!ほなら、あれ行くで!」
走り出す謙也さんに引っ張られる形で、謙也さん希望のジェットコースターへと乗る事になる。
走行中、謙也さんの叫び声が煩すぎて一二三の声が聞こえへんかったけど、それもその筈。
隣にいた部長曰く「夕日さん、声発しとらんかった……」らしい。
んなアホなと、ジェットコースターの途中で撮影された写真を買ったが、見事なまでの無表情。
はしゃぐ謙也さん、堪える俺、ひきつり顔の部長の隣に、一人ジェットコースターから隔絶された場所にいるかの様にいつも通り真顔の一二三。
しかも、手は膝の上だ。
「式典か!」
俺の突っ込みに、一二三がきょとん顔で「なにが?」と聞いてきた。
普通、前の席にしがみつかないならハンズアップするやろ!なんで、手は膝の上やねん!お上品か!
怒濤の突っ込みに、一二三は真顔で「ハンズアップ、わかった」と言った。
「せやけど、夕日さん凄いなぁ。怖なかったん?」
「怖すぎて真顔なんとちゃうか、白石?」
「いえ、すごく楽しかったです。ただ、小さい頃から平常心を保つ修行を行っていたので、つい真顔に」
「修行って、銀か自分!」
「石田先輩とは修行について語り明かせる気がします」
「せやけど、そう言われると絶対にビビらせたなるな!」
謙也さんが悪い笑みを浮かべ言うと、部長が「謙也、女の子ビビらせてどうすんねん」と叱る。
だが一二三が「できるものなら、やってみてください」と果敢に攻めていく。
「お!言うたな~!ほんなら、あそこ行くで!」
そう言い、指差したのはホラーハウスだった。
一二三の霊感の事を知っている俺からすればミスチョイス。
だが、行く気満々の謙也さんの暴走は止まらず、そのままホラーハウスへ。
「ぎゃあああああ!!光!!!光!!!なんかおった!!!」
「謙也さんうっさいっすわ!腕に引っ付かんといてください!」
「謙也、めっちゃビビっとるなぁ……」
「ああもビビられたら、ビビり難いですね」
「その、夕日さん。もし、怖かったら手繋がへん?」
「怖くはないですけど、暗くてはぐれそうなので繋いでもいいですか?」
「っ!当たり前やん!」
後ろ二人がええ感じになったんはええけど……。
「光!!!光!!!あかん!!!これあかんで!!!」
「うっさいわハゲ!」
謙也さんほんまうっさい!