お憑かれsummer 1年目
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スタート地点に着いて早々に財前君が「夕日が具合悪いみたいなんで、先戻ります」と言って、私がなにか言うより先に財前君は私の手を引き合宿所へと戻った。
部屋に着くと、財前君は「で?あれはなんやったん?」と問い質しだした。
「……さぁ?」
「あんなん見せといて、さぁ?はないやろ」
「じゃあ、言いたくない」
私の完全なる拒絶に対してなのか、財前君は深い深い溜め息を吐いた。
「なぁ、俺ら友達とちゃうんか?」
「友達……だとは、思ってる……」
「なら、隠し事やめろや」
「友達だから……知られたくない……」
服をぎゅっと掴み、俯く私の答えに財前君は黙った。
財前君との会話で沈黙が辛いと思ったことはなかったのに、今はとても重くのし掛かってきて辛い。
どうしよう、嫌われていたら……。
心臓が嫌な脈の打ち方をし、涙もでそうになっていると「俺な」と財前君が口を開いた。
「昔、義姉さんが好きやったんや」
「え……?」
「今のレンみたく、義姉さんの名前呼びながら引っ付いててな。……兄貴と結婚するって聞いた時は、結構ショックやった」
「そ、そうなんだ……」
どうして、今その話をするのか分からない。
すると、財前君は「これが俺の秘密や」と言った。
「絶対に、誰にも言うたらあかんで」
「う、うん。でも、何で今その話を……?」
「お前が持っとる秘密知るんやから、俺かて話さなあかんやろ」
そんな配慮が、話さない事への罪悪感がつのる。
話すか、話さないか。
悩む私に、財前君は「白石部長に言うたんやろ?」と声をかける。
「負の感情は吐き出せって」
言った。
確かに、私はそう白石先輩に助言をした。
恐らく、私がここで話さないを選択すれば財前君とは離れていく事になる……。
それは、嫌だ……。
「財前君……あのね……」
「おん」
「私、人には見えないモノが見えるの……」
「霊能力とかそういうもんか?」
「うん……」
「……」
「……」
「は……?で?」
若干不機嫌そうな財前君に怯えながら「それだけです……」と言うと、やや間があって徐に頬を左右に引っ張られて「どアホ」と静かに言われた。
「自分、まさかそれであんな思い詰めた顔しとったんか?そんなんで、俺とちょっと距離おいとったんか?」
「ふぁ、ふぁい……」
財前君は大きく溜め息を吐くと、息を吸いながら頭を後ろに反らすと勢いよく私の額に頭突きをかました。
「っ!」
ごっ!という鈍い音をたてた。
あまりの痛みに床にうずくまる私と財前君。
痛い、これは痛い。
「なにするんだよ、財前君……!」
「お前の所為や、どアホ……!何やねん、そのしょーもない理由!」
「だ、だって、気味悪いでしょ?!そんな奴と友達なんて嫌でしょ!」
「そんな訳あるかいな!むしろ心強いわ!」
「それは、あんな事があったから言えるんでしょ!見てなかったら、気味悪いとか痛いとか言うんでしょ!」
「おーまーえー!少しは俺の事、信用しろや!あんなもん見んかて、『で?』て返したるわ!」
「そんなの、分からないじゃん……」
「分からんくても、俺はもうお前の秘密を受け入れとる。それでええやろ?」
財前君の言葉に、それもそうだと思った。
もう財前君は私の悩みを受け入れて、だからどうしたと言ってくれている。
もしも、あの靄を見る前に話したとしてどうなるかは分からないが、結果が大事だ。
「財前君……」
「なんや?」
「ありがとう……」
お礼を言うと、財前君は私の頭を髪がぐしゃぐしゃになる位撫でて、拳を突き出して「これからは、隠し事はなしやで?」と言った。
私はその拳に自分の拳を軽く当てて「うん」と言う。
心が何だか軽くなった気がした。
部屋に着くと、財前君は「で?あれはなんやったん?」と問い質しだした。
「……さぁ?」
「あんなん見せといて、さぁ?はないやろ」
「じゃあ、言いたくない」
私の完全なる拒絶に対してなのか、財前君は深い深い溜め息を吐いた。
「なぁ、俺ら友達とちゃうんか?」
「友達……だとは、思ってる……」
「なら、隠し事やめろや」
「友達だから……知られたくない……」
服をぎゅっと掴み、俯く私の答えに財前君は黙った。
財前君との会話で沈黙が辛いと思ったことはなかったのに、今はとても重くのし掛かってきて辛い。
どうしよう、嫌われていたら……。
心臓が嫌な脈の打ち方をし、涙もでそうになっていると「俺な」と財前君が口を開いた。
「昔、義姉さんが好きやったんや」
「え……?」
「今のレンみたく、義姉さんの名前呼びながら引っ付いててな。……兄貴と結婚するって聞いた時は、結構ショックやった」
「そ、そうなんだ……」
どうして、今その話をするのか分からない。
すると、財前君は「これが俺の秘密や」と言った。
「絶対に、誰にも言うたらあかんで」
「う、うん。でも、何で今その話を……?」
「お前が持っとる秘密知るんやから、俺かて話さなあかんやろ」
そんな配慮が、話さない事への罪悪感がつのる。
話すか、話さないか。
悩む私に、財前君は「白石部長に言うたんやろ?」と声をかける。
「負の感情は吐き出せって」
言った。
確かに、私はそう白石先輩に助言をした。
恐らく、私がここで話さないを選択すれば財前君とは離れていく事になる……。
それは、嫌だ……。
「財前君……あのね……」
「おん」
「私、人には見えないモノが見えるの……」
「霊能力とかそういうもんか?」
「うん……」
「……」
「……」
「は……?で?」
若干不機嫌そうな財前君に怯えながら「それだけです……」と言うと、やや間があって徐に頬を左右に引っ張られて「どアホ」と静かに言われた。
「自分、まさかそれであんな思い詰めた顔しとったんか?そんなんで、俺とちょっと距離おいとったんか?」
「ふぁ、ふぁい……」
財前君は大きく溜め息を吐くと、息を吸いながら頭を後ろに反らすと勢いよく私の額に頭突きをかました。
「っ!」
ごっ!という鈍い音をたてた。
あまりの痛みに床にうずくまる私と財前君。
痛い、これは痛い。
「なにするんだよ、財前君……!」
「お前の所為や、どアホ……!何やねん、そのしょーもない理由!」
「だ、だって、気味悪いでしょ?!そんな奴と友達なんて嫌でしょ!」
「そんな訳あるかいな!むしろ心強いわ!」
「それは、あんな事があったから言えるんでしょ!見てなかったら、気味悪いとか痛いとか言うんでしょ!」
「おーまーえー!少しは俺の事、信用しろや!あんなもん見んかて、『で?』て返したるわ!」
「そんなの、分からないじゃん……」
「分からんくても、俺はもうお前の秘密を受け入れとる。それでええやろ?」
財前君の言葉に、それもそうだと思った。
もう財前君は私の悩みを受け入れて、だからどうしたと言ってくれている。
もしも、あの靄を見る前に話したとしてどうなるかは分からないが、結果が大事だ。
「財前君……」
「なんや?」
「ありがとう……」
お礼を言うと、財前君は私の頭を髪がぐしゃぐしゃになる位撫でて、拳を突き出して「これからは、隠し事はなしやで?」と言った。
私はその拳に自分の拳を軽く当てて「うん」と言う。
心が何だか軽くなった気がした。