お憑かれsummer 1年目
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あれよ、あれよと言う間に、合宿最終日。
ご飯も食べ、花火もやり、最後の締めに肝試しをするらしい。
鬱蒼とした林を真っ直ぐ行った先にあるお堂にお札を置いてくるといったシンプルな肝試しだが、できる事なら行かないでほしい。
何故なら、林から微かではあるが嫌な気の流れを感じる。
だが、言ったところで信じてもらえる筈もない。
せめて、私が一番に行って元凶を始末してしまおう。
なので浮遊霊達に協力してもらい、一番のくじを引く。
「なんや、一番、自分か」
そう言って、一番のくじをもった財前君が近寄ってきた。
上手くまけるといいのだけれど……。
「ルール説明するで!一組一枚ずつお札を持って、林の一番奥にあるお堂の中に置いて帰ってくるだけや!分かったら、まず一組目から出発しい!」
渡邊先生に言われ、財前君と並んで歩き出す。
特に会話もなく道をずっと真っ直ぐ進んでいくと、嫌な気のするお堂が現れた。
あそこが元凶か。
財前君に札を置いてくるから待ってるよう言うと、疑うことなく「わかった」と言った。
お堂の中は薄暗く、気分が悪くなる。
この気は何処からくるものなのか、お堂の中を探ると祭壇に何かがあった形跡がある。
ここに何が置いてあったのか……。
そう考えていると、後ろから「なんやこれ」という財前君の声がした。
振り向くと筒状の入れ物を手にしていた。
嫌な気は、そこから発せられている。
「財前君!放して!」
言うが遅いか、財前君が持っている入れ物は勝手に蓋が開く。
そこから溢れ出した黒い靄様なモノが、財前君へと襲いかかる。
「なんやこれ!」
財前君にも見えているらしい。
間に合わないかと思ったが、財前君のペンダントが一瞬、眩い光を発すると黒い靄が怯む。
今しかないと飛びかかり、念仏を早口で唱えながら黒い靄に念を込めた札を叩きつける。
黒い靄は甲高い悲鳴をあげながら、霧散していった。
「財前君!大丈夫!?」
駆け寄ると、ぽかんとした財前君が「あ、あぁ……」と答えた。
「夕日、今のって……」
聞きたいことはわかる。
だが今は帰ろうと言い、財前君を立ち上がらせて折り返す。
その間、財前君は一言も話さなかった。
……一番、知られたくない人に知られてしまった。
ご飯も食べ、花火もやり、最後の締めに肝試しをするらしい。
鬱蒼とした林を真っ直ぐ行った先にあるお堂にお札を置いてくるといったシンプルな肝試しだが、できる事なら行かないでほしい。
何故なら、林から微かではあるが嫌な気の流れを感じる。
だが、言ったところで信じてもらえる筈もない。
せめて、私が一番に行って元凶を始末してしまおう。
なので浮遊霊達に協力してもらい、一番のくじを引く。
「なんや、一番、自分か」
そう言って、一番のくじをもった財前君が近寄ってきた。
上手くまけるといいのだけれど……。
「ルール説明するで!一組一枚ずつお札を持って、林の一番奥にあるお堂の中に置いて帰ってくるだけや!分かったら、まず一組目から出発しい!」
渡邊先生に言われ、財前君と並んで歩き出す。
特に会話もなく道をずっと真っ直ぐ進んでいくと、嫌な気のするお堂が現れた。
あそこが元凶か。
財前君に札を置いてくるから待ってるよう言うと、疑うことなく「わかった」と言った。
お堂の中は薄暗く、気分が悪くなる。
この気は何処からくるものなのか、お堂の中を探ると祭壇に何かがあった形跡がある。
ここに何が置いてあったのか……。
そう考えていると、後ろから「なんやこれ」という財前君の声がした。
振り向くと筒状の入れ物を手にしていた。
嫌な気は、そこから発せられている。
「財前君!放して!」
言うが遅いか、財前君が持っている入れ物は勝手に蓋が開く。
そこから溢れ出した黒い靄様なモノが、財前君へと襲いかかる。
「なんやこれ!」
財前君にも見えているらしい。
間に合わないかと思ったが、財前君のペンダントが一瞬、眩い光を発すると黒い靄が怯む。
今しかないと飛びかかり、念仏を早口で唱えながら黒い靄に念を込めた札を叩きつける。
黒い靄は甲高い悲鳴をあげながら、霧散していった。
「財前君!大丈夫!?」
駆け寄ると、ぽかんとした財前君が「あ、あぁ……」と答えた。
「夕日、今のって……」
聞きたいことはわかる。
だが今は帰ろうと言い、財前君を立ち上がらせて折り返す。
その間、財前君は一言も話さなかった。
……一番、知られたくない人に知られてしまった。