お憑かれsummer 1年目

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「月並みかも知れないけど、パワーストーンにしてみましたー」

そう言って渡されたのは、水晶のペンダントやった。
パワーストーンとかは特に信じている訳やないけど、デザインが男がつけていても違和感のない物やったから、貰ったその日から身に付けたんやけど、その日は驚くほど体が軽く練習も絶好調やった。
パワーストーン、侮れへんな……。
着替えん時に先輩らから「光、今日すごかったな!」と掛けられた声に「っす」と返すと、謙也さんが目敏くペンダントに気が付いた。

「友達から誕生日プレゼントで貰ったんすわ」
「え?!自分、いつ誕生日やったん?!」
「今日っすわ」
「何で言わへんねん!」
「教える義理がないっすわ」

怒鳴る謙也さんを他所に、淡々と着替えていると部長が「みんな!聞いたってくれ!」と言い出した。
この切り出し方は面倒事だと察知し退散しようとしたが、入口で部長が仁王立ちしとって逃げられへん。

「今年の合宿は、マネージャーを起用しよう思うんや!」

部長の提案に、謙也さん以外が「いらんやろ」と言った。

「なんでや!女の子に『謙也君がんばってー!』言われたら、やる気上がるやろ!」
「俺は小春がおれば気分上々や」
「アタシも、態々とらんでもええと思うで」
「ワシも女子は……」

渋る先輩らを他所に「もう、決定事項や!」と宣言する。
事後報告かいな。
呆れながらも、どんな人が来るんか聞くと「まだ、頼んどらん」と言いくさる。

「一応、候補はおるんやけどな。みんなも、真面目で可愛い子おったら誘ってな!」

真面目で可愛い、で浮かんだんは夕日やった。
可愛いかどうかは人によるかも知れへんけど、真面目ではある。
翌日パワーストーンの礼を再度して、夕日にマネージャーの話をすると「もしかして、テニス部?」と聞かれた。

「そやけど」
「財前君、テニス部だったんだ。実はさ、私の知り合いの部長さんもテニス部なんだよね」
「白石部長か?」
「うん。その人にも、合宿中マネージャーやってくれないかって言われたんだよね」
「やるんか?」
「どうしようかなぁ……」

悩んどる夕日に追い討ちを掛けるように、謙也さんが「夕日さん、マネージャーやらんー?」と言いながら教室に入ってきた。
考える事みんな同じかい。
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