お憑かれspring 1年目
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東京者という事で迫害を受ける事はなかったが、これと言った友人もできた訳ではない。
偶に会話をする人はいるが、基本一人だ。
「夕日さんって、何だか距離おいてるよね」
そうクラスの子に言われても、まあ、置いているのだけれど本心は言わずに「そんな事はないよ」と答える。
そんなすぐ忘れてしまうような話だが、登校途中に眠たげな財前君が掘り返してきた。
今日は雨なので、二人並んで歩いている。
「うん、言われたね」
「俺もそう思っとった」
「そう」
素っ気ないかもしれないが、「そう」としか答えられない。
踏み込まず、踏み込ませず。
他人とは距離をおくべし、期待をするべからず。
私が心をおいたのは、今は亡き和尚だけだ。
財前君は気にする風もなく「なんでや?」と聞いてきたから「さあ、何でだろうね」と返すと、頬を人差し指で押された。
「なに?」
「……腹立った」
「えぇ……。突然だね」
「……俺は割りとお前の事、気に入っとるんにお前は絶対本心に触らせん」
「ごめん」
「謝るくらいやったら、もっと本心で話せやアホ」
そうは言っても、和尚以外の人に本心を話した事がないから、どう話せばいいのか分からない。
正直言って怖いのだ。
自分の話を理解してもらえず、疎む目で見られるのが。
きっと、こういう事を言えばいいのかも知れないけど、臆してしまい口が動かない。
だから私は「ごめん」としか言えないのだ。
偶に会話をする人はいるが、基本一人だ。
「夕日さんって、何だか距離おいてるよね」
そうクラスの子に言われても、まあ、置いているのだけれど本心は言わずに「そんな事はないよ」と答える。
そんなすぐ忘れてしまうような話だが、登校途中に眠たげな財前君が掘り返してきた。
今日は雨なので、二人並んで歩いている。
「うん、言われたね」
「俺もそう思っとった」
「そう」
素っ気ないかもしれないが、「そう」としか答えられない。
踏み込まず、踏み込ませず。
他人とは距離をおくべし、期待をするべからず。
私が心をおいたのは、今は亡き和尚だけだ。
財前君は気にする風もなく「なんでや?」と聞いてきたから「さあ、何でだろうね」と返すと、頬を人差し指で押された。
「なに?」
「……腹立った」
「えぇ……。突然だね」
「……俺は割りとお前の事、気に入っとるんにお前は絶対本心に触らせん」
「ごめん」
「謝るくらいやったら、もっと本心で話せやアホ」
そうは言っても、和尚以外の人に本心を話した事がないから、どう話せばいいのか分からない。
正直言って怖いのだ。
自分の話を理解してもらえず、疎む目で見られるのが。
きっと、こういう事を言えばいいのかも知れないけど、臆してしまい口が動かない。
だから私は「ごめん」としか言えないのだ。