筋肉と天邪鬼
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それから、不破は甲斐甲斐しく俺の元へと来た。
話す事と言っても、不破が一方的に筋肉談義を繰り広げて、俺が雑誌読みながら適当に相槌を打つだけなので、凄く楽。
こいつの場合、本当にメリットがないから気を使わなくていいし、顔色窺いもしなくていいし、作り笑いも必要ない。
そしてこいつが側にいると、あまりのマシンガントークに引いて誰も寄り付かないし、可哀想な筋肉女の話し相手になっている優しい猿飛くんという図が完成する。
良い拾い物をしたと思うのと同時に、こいつも俺自身を求めている訳じゃないのだと思うと、少し侘しく思う。
楽しそうに話す不破をじっと見つめると、こちらに気が付いた不破が慌てたように喋るのをやめ、あっちこっちに視線を飛ばし始めた。
「どうしたの?」
「え?!あ、いや、もっと楽しい話しないかなって思って。私ばっかり楽しくても仕方がないからね。でも、男の子と話した事ってないから、どういう話が良いのかな?」
うーん、と悩む不破に、お前の好きな話しすればいいと言うと、驚いた顔をし、すぐに肩の力が抜けるような緩い笑顔をした。
なにその顔、と怪訝な顔で言うと「猿飛くんは優しいね」と言った。
「はあ?今の会話でどうしてそうなるわけ?」
「だって、皆、筋肉について話すと『違う話ししよ?』て言うけどさ、猿飛くんはずっと聞いてくれるんだもん」
猿飛くんやさしー、と笑う不破に対して湧き上がる感情は悪いものではなかったのに、俺の口から出てきたのは「嫌い」という拒絶の言葉だった。
不破の顔が見る間に曇ってしまい、違う、そうじゃないと思っても出てくるのは「嫌い」という言葉だけだった。
何でこんな言葉ばかり出てくるのか分からなくて、机に突っ伏して腕に顔を埋めて「嫌い、嫌いだよ」と言う俺の背中を不破はそっと撫でて「ごめんね、猿飛くん」何て言うから、泣きたくなってきた。
「私、猿飛くんに好きになってもらうよう頑張るから!」
ポジティブ筋肉バカの言葉に胸が締め付けられた。
違うんだよ……。
話す事と言っても、不破が一方的に筋肉談義を繰り広げて、俺が雑誌読みながら適当に相槌を打つだけなので、凄く楽。
こいつの場合、本当にメリットがないから気を使わなくていいし、顔色窺いもしなくていいし、作り笑いも必要ない。
そしてこいつが側にいると、あまりのマシンガントークに引いて誰も寄り付かないし、可哀想な筋肉女の話し相手になっている優しい猿飛くんという図が完成する。
良い拾い物をしたと思うのと同時に、こいつも俺自身を求めている訳じゃないのだと思うと、少し侘しく思う。
楽しそうに話す不破をじっと見つめると、こちらに気が付いた不破が慌てたように喋るのをやめ、あっちこっちに視線を飛ばし始めた。
「どうしたの?」
「え?!あ、いや、もっと楽しい話しないかなって思って。私ばっかり楽しくても仕方がないからね。でも、男の子と話した事ってないから、どういう話が良いのかな?」
うーん、と悩む不破に、お前の好きな話しすればいいと言うと、驚いた顔をし、すぐに肩の力が抜けるような緩い笑顔をした。
なにその顔、と怪訝な顔で言うと「猿飛くんは優しいね」と言った。
「はあ?今の会話でどうしてそうなるわけ?」
「だって、皆、筋肉について話すと『違う話ししよ?』て言うけどさ、猿飛くんはずっと聞いてくれるんだもん」
猿飛くんやさしー、と笑う不破に対して湧き上がる感情は悪いものではなかったのに、俺の口から出てきたのは「嫌い」という拒絶の言葉だった。
不破の顔が見る間に曇ってしまい、違う、そうじゃないと思っても出てくるのは「嫌い」という言葉だけだった。
何でこんな言葉ばかり出てくるのか分からなくて、机に突っ伏して腕に顔を埋めて「嫌い、嫌いだよ」と言う俺の背中を不破はそっと撫でて「ごめんね、猿飛くん」何て言うから、泣きたくなってきた。
「私、猿飛くんに好きになってもらうよう頑張るから!」
ポジティブ筋肉バカの言葉に胸が締め付けられた。
違うんだよ……。