筋肉と天邪鬼
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俺にプライドをへし折られ、独眼竜にもへし折られ、「なんでぇ……!」と床にうずくまる不破には悪いが、これでも男の子なんでね。
女子には負けられないの。
まぁ正直、一番手が不破って時点でハードル高すぎな気もするけれど決まったことに、文句は言わないことだね。
チャンピオンは元親となり、四番手に約束通り真田の旦那。
旦那は独眼竜とも勝負したがっていたが、決着がつかなくなるのでお流れになり、三番手に独眼竜が入り、二番手が俺となった。
ちなみに、俺は独眼竜と勝負はしていない。
理由は二つ。
触りたくないからと、あいつの握力がゴリラだから。
触れるという行為すらおぞましいのに、あいつの握力で手を握られたら確実に砕ける。
俺の手は、筋肉馬鹿たちと違って繊細なんだから。
「それでは、順番は不破さん、猿飛くん、伊達くん、真田くん、長曾我部くんで決定します。それ以外は喫茶店の方に回ってください」
俺たちでずっぱりかよ、と思ったがチャレンジタイムということで、腕相撲チャレンジは時間を決めてやるらしい。
まぁ、じゃないとこっちの身がもたないよね。
筋肉馬鹿三人衆は置いといて。
さーて、今度は喫茶店の諸々決めるぞ、てなっているのに、真田の旦那と元親と独眼竜が手をグーパーさせながら不思議そうな顔をしていた。
「どうしたの?」
そう聞けば、三人一様に「思ったより柔らかかった」と感想をもらしていて、なにがとは聞かない。
あのりんごを片手で割れる手がだろ。
帰りがけ、不破に「女子相手の時は負けてあげなよ」と言えば、憤慨しながら「それは相手に失礼だよ!」と言うも、違うんだよなぁ。
「本来、女子が腕相撲なんかしに来るわけないでしょ。本当の目的は、俺たちと合法的に手を繋ぎたいだけ。ほら、俺たち顔がいいから、ファンとかいるんだよ」
そう説明しても、「ふーん」と興味も関心もない返事をされた。
こいつ……。
「とにかく、女子には本気出さない!つか、お前が本気で女子とやりあったら腕痛めさせちゃうでしょうが!」
めっ!と忠告すれば渋々「わかったよぅ」と了承した。
不安なので、翌日念書も書かせておいた。
文化祭当日、異色の喫茶店として客入りは上々。
売りのひとつである腕相撲も、顔面だけは「私、パンケーキ大好きだよ!」みたいな普通の女子の不破に騙され、舐めてかかった男たちは無様に散っていった。
だが、約束はしっかり守っているようで、女子相手にはメチャクチャ手を抜いてあげていた。
まぁ、俺が隣で監視してるんだからさせないけどね。
「さぁ!景品を総取りですよ!宗茂!」
「かしこまりました(はぁ……なんでわしが……)」
「励んでおるか、幸村ぁ!挑戦しに来たぞぉ!」
「お館様ぁぁあぁぁ!!!この幸村!!お館様とのお手合わせお待ちしておりましたぁぁあぁぁ!!!」
「はっはっはっ!小倅殿は元気だね。ちょいと体験していくかい、倅殿?」
「む」
「兄上たちも!!燃えてまいりましたぁぁあぁ!!!」
「面白そうな催し物をやっちょっときいて来たぞ!」
「最強の俺様を差し置いてチャンピオン名のってんじゃねー!」
「力勝負なら、ワシとて負けぬぞ!」
「家康ぅ!貴様!秀吉様より先にチャンピオンになろうとは、どういうつもりだぁ!」
「どうする、秀吉?やっていくかい?」
「たまには児戯にたわむれるのもよかろう」
「なーら!俺も参加させてもらおうかねぇ!喧嘩じゃないが、勝負とあっちゃ黙ってらんないねぇ!」
押し寄せる力自慢各位に、腕が疲労骨折し体力をすべて持っていかれる予感がした。
いや、これは確信だ。
不破の挑発に乗らず、大人しくウェイターやっとけばよかったと後悔しても遅し。
全員相手にし、完全に疲労困憊な腕相撲組の隣に置いてある殿堂入り写真パネルに全員が写真貼っていってくれ、今日の腕相撲チャレンジはこれで止めようと判断された。
ありがとう。
「このあと、どーする?」
俺の問いかけに、元親と旦那は「少し休憩したら周る!」と宣言し、独眼竜も「小十郎と周る約束したからな」と言う。
そこで一人、りんごのパックジュースをすすり会話に参加していない不破に、「行かないの?」と聞けば、驚きながら「わ、私?!」と当たり前な疑問を投げ掛けられた。
「一緒に行ってもいいの?」
「なんだよ、先約でもあんのかい?」
元親の問いに首を振れば、旦那が「ならば、共に周りましょうぞ!」と誘えば気恥ずかしそうに、「う、うん。迷惑じゃなければ」と言った。
そういえば、不破って意外と気を使うタイプだったなと、今更ながら思い出した。
女子には負けられないの。
まぁ正直、一番手が不破って時点でハードル高すぎな気もするけれど決まったことに、文句は言わないことだね。
チャンピオンは元親となり、四番手に約束通り真田の旦那。
旦那は独眼竜とも勝負したがっていたが、決着がつかなくなるのでお流れになり、三番手に独眼竜が入り、二番手が俺となった。
ちなみに、俺は独眼竜と勝負はしていない。
理由は二つ。
触りたくないからと、あいつの握力がゴリラだから。
触れるという行為すらおぞましいのに、あいつの握力で手を握られたら確実に砕ける。
俺の手は、筋肉馬鹿たちと違って繊細なんだから。
「それでは、順番は不破さん、猿飛くん、伊達くん、真田くん、長曾我部くんで決定します。それ以外は喫茶店の方に回ってください」
俺たちでずっぱりかよ、と思ったがチャレンジタイムということで、腕相撲チャレンジは時間を決めてやるらしい。
まぁ、じゃないとこっちの身がもたないよね。
筋肉馬鹿三人衆は置いといて。
さーて、今度は喫茶店の諸々決めるぞ、てなっているのに、真田の旦那と元親と独眼竜が手をグーパーさせながら不思議そうな顔をしていた。
「どうしたの?」
そう聞けば、三人一様に「思ったより柔らかかった」と感想をもらしていて、なにがとは聞かない。
あのりんごを片手で割れる手がだろ。
帰りがけ、不破に「女子相手の時は負けてあげなよ」と言えば、憤慨しながら「それは相手に失礼だよ!」と言うも、違うんだよなぁ。
「本来、女子が腕相撲なんかしに来るわけないでしょ。本当の目的は、俺たちと合法的に手を繋ぎたいだけ。ほら、俺たち顔がいいから、ファンとかいるんだよ」
そう説明しても、「ふーん」と興味も関心もない返事をされた。
こいつ……。
「とにかく、女子には本気出さない!つか、お前が本気で女子とやりあったら腕痛めさせちゃうでしょうが!」
めっ!と忠告すれば渋々「わかったよぅ」と了承した。
不安なので、翌日念書も書かせておいた。
文化祭当日、異色の喫茶店として客入りは上々。
売りのひとつである腕相撲も、顔面だけは「私、パンケーキ大好きだよ!」みたいな普通の女子の不破に騙され、舐めてかかった男たちは無様に散っていった。
だが、約束はしっかり守っているようで、女子相手にはメチャクチャ手を抜いてあげていた。
まぁ、俺が隣で監視してるんだからさせないけどね。
「さぁ!景品を総取りですよ!宗茂!」
「かしこまりました(はぁ……なんでわしが……)」
「励んでおるか、幸村ぁ!挑戦しに来たぞぉ!」
「お館様ぁぁあぁぁ!!!この幸村!!お館様とのお手合わせお待ちしておりましたぁぁあぁぁ!!!」
「はっはっはっ!小倅殿は元気だね。ちょいと体験していくかい、倅殿?」
「む」
「兄上たちも!!燃えてまいりましたぁぁあぁ!!!」
「面白そうな催し物をやっちょっときいて来たぞ!」
「最強の俺様を差し置いてチャンピオン名のってんじゃねー!」
「力勝負なら、ワシとて負けぬぞ!」
「家康ぅ!貴様!秀吉様より先にチャンピオンになろうとは、どういうつもりだぁ!」
「どうする、秀吉?やっていくかい?」
「たまには児戯にたわむれるのもよかろう」
「なーら!俺も参加させてもらおうかねぇ!喧嘩じゃないが、勝負とあっちゃ黙ってらんないねぇ!」
押し寄せる力自慢各位に、腕が疲労骨折し体力をすべて持っていかれる予感がした。
いや、これは確信だ。
不破の挑発に乗らず、大人しくウェイターやっとけばよかったと後悔しても遅し。
全員相手にし、完全に疲労困憊な腕相撲組の隣に置いてある殿堂入り写真パネルに全員が写真貼っていってくれ、今日の腕相撲チャレンジはこれで止めようと判断された。
ありがとう。
「このあと、どーする?」
俺の問いかけに、元親と旦那は「少し休憩したら周る!」と宣言し、独眼竜も「小十郎と周る約束したからな」と言う。
そこで一人、りんごのパックジュースをすすり会話に参加していない不破に、「行かないの?」と聞けば、驚きながら「わ、私?!」と当たり前な疑問を投げ掛けられた。
「一緒に行ってもいいの?」
「なんだよ、先約でもあんのかい?」
元親の問いに首を振れば、旦那が「ならば、共に周りましょうぞ!」と誘えば気恥ずかしそうに、「う、うん。迷惑じゃなければ」と言った。
そういえば、不破って意外と気を使うタイプだったなと、今更ながら思い出した。