筋肉と天邪鬼
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「いや、確かに泳げないし浮けないけど、水が怖いわけじゃないし、流石にお子様も来るアスレチックだから、深いって言っても沈む程ではないんだよ、猿飛くん」
私の言葉に、びしょ濡れの猿飛くんが「うるさい」とぴしゃりとはねつけた。
先ほど危なげに水上コースをやっていると、猿飛くんが私の名を呼びながら追いかけてきたものだから、一瞬そちらに意識が向いてしまい足を踏み外してしまったのだ。
もちろん、そのまま池に背面から落ちたのだが、まさか猿飛くんが飛び込んで来るとは思わなかった。
泣きそうな顔で落ちる私に手を伸ばし、一緒に落ちた猿飛くんは予想外の水位の低さにぽかんとした表情をし、私が「あ、ありがとう?」と声をかけると見る間に顔を赤くしてしまった。
とりあえず耳まで真っ赤な猿飛くんを連れて、真田くん、長曾我部くんと一緒に岸へあがり、冒頭のセリフを言うに至った。
「けど、ありがとうね!心配してくれて!」
何とかとりなそうとするが、猿飛くんは「着替えてくる」と言いふらふらと歩きだして行ってしまった。
拒否反応すら出せない程に恥ずかしかったのか……。
心配で姿が見えなくなるまで見つめていると、長曾我部くんが「変わったな、あいつ」と言った。
「そうですな。あんなに焦っている佐助を見たのは初めてかも知れませぬ」
賛同する真田くんの表情は、子供の成長を喜ぶ母の様だった。
「それもこれも、不破殿と出会ったからでしょうな。佐助に代わり、礼を言いまする、不破殿」
「え?私なの?」
「そりゃそうだろ。他に誰がいるってんだよ」
猿飛くんは私と出会った時からあんな感じだった気がするので、あまり実感が持てない。
首をかしげる私に、長曾我部くんは「前は、もっと感情を押し殺した感じだったんだぜ?」と言う。
それに真田くんは頷きながら「自分が関与していない事には無関心でござったからな」と言った。
「前の佐助ならば、もし不破殿が溺れたと知っても『へぇ、そう』としか言わなかったでしょう」
「確かにな!この場にいたとしても、自分から飛び込んでいくなんてしないはずだぜ!」
「某と長曾我部殿が落下しても文句を言うだけでしょうな!」
二人同時に「成長したな」と嬉しそうに頷いた。
そんなに薄情なイメージはあまりないのだけれど、そうか、猿飛くんは成長したのか。
私も嬉しそうにうん、うんと頷いていると、真田くんが「これからも、佐助をよろしくお願いしまする」と言ってきた。
「ははっ。私、本当に何もしてないんだけどね。けど、きっと猿飛くんは言うほど人間味のない人間ではないと思うよ。何て言うのかな、感情はあるんだけど表現の仕方を知らないだけでさ。きっと、今は少しずつ自分の感情と向き合えてるんだと思う。だから、今の猿飛くんなら二人が溺れてたら慌てて飛び込むと思うよ」
私の言葉に、二人は顔を見合わせ「それに気が付けてのはお前が初めてだろうな」と言った。
私の言葉に、びしょ濡れの猿飛くんが「うるさい」とぴしゃりとはねつけた。
先ほど危なげに水上コースをやっていると、猿飛くんが私の名を呼びながら追いかけてきたものだから、一瞬そちらに意識が向いてしまい足を踏み外してしまったのだ。
もちろん、そのまま池に背面から落ちたのだが、まさか猿飛くんが飛び込んで来るとは思わなかった。
泣きそうな顔で落ちる私に手を伸ばし、一緒に落ちた猿飛くんは予想外の水位の低さにぽかんとした表情をし、私が「あ、ありがとう?」と声をかけると見る間に顔を赤くしてしまった。
とりあえず耳まで真っ赤な猿飛くんを連れて、真田くん、長曾我部くんと一緒に岸へあがり、冒頭のセリフを言うに至った。
「けど、ありがとうね!心配してくれて!」
何とかとりなそうとするが、猿飛くんは「着替えてくる」と言いふらふらと歩きだして行ってしまった。
拒否反応すら出せない程に恥ずかしかったのか……。
心配で姿が見えなくなるまで見つめていると、長曾我部くんが「変わったな、あいつ」と言った。
「そうですな。あんなに焦っている佐助を見たのは初めてかも知れませぬ」
賛同する真田くんの表情は、子供の成長を喜ぶ母の様だった。
「それもこれも、不破殿と出会ったからでしょうな。佐助に代わり、礼を言いまする、不破殿」
「え?私なの?」
「そりゃそうだろ。他に誰がいるってんだよ」
猿飛くんは私と出会った時からあんな感じだった気がするので、あまり実感が持てない。
首をかしげる私に、長曾我部くんは「前は、もっと感情を押し殺した感じだったんだぜ?」と言う。
それに真田くんは頷きながら「自分が関与していない事には無関心でござったからな」と言った。
「前の佐助ならば、もし不破殿が溺れたと知っても『へぇ、そう』としか言わなかったでしょう」
「確かにな!この場にいたとしても、自分から飛び込んでいくなんてしないはずだぜ!」
「某と長曾我部殿が落下しても文句を言うだけでしょうな!」
二人同時に「成長したな」と嬉しそうに頷いた。
そんなに薄情なイメージはあまりないのだけれど、そうか、猿飛くんは成長したのか。
私も嬉しそうにうん、うんと頷いていると、真田くんが「これからも、佐助をよろしくお願いしまする」と言ってきた。
「ははっ。私、本当に何もしてないんだけどね。けど、きっと猿飛くんは言うほど人間味のない人間ではないと思うよ。何て言うのかな、感情はあるんだけど表現の仕方を知らないだけでさ。きっと、今は少しずつ自分の感情と向き合えてるんだと思う。だから、今の猿飛くんなら二人が溺れてたら慌てて飛び込むと思うよ」
私の言葉に、二人は顔を見合わせ「それに気が付けてのはお前が初めてだろうな」と言った。