筋肉と天邪鬼
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
車での移動中、ずっと不破に電話をかけるが一向に出ない。
出られない状況なのか、荷物は捨てられたか。
どっちでもいいから、無事でいてくれ……!
目的の山へ辿り着き、小母さんに何かあった時の為に車で待っている様にお願いして、一人山へと入っていく。
山の中では、GPSが示す道は一直線にしか表示されないので、獣道ですらない場所を通っていくしかない。
でも、それでいい。
不破の所へ最短で着ければ!
雨も降ってきて視界が悪くなったがそれでも道なき道を突き進んでいくと、開けた場所に出た。
そこには、ぼろい小屋がぽつんと建っていた。
GPSはその小屋を指しているということは、あそこに不破がいる!
今にも壊れてしまいそうな小屋の扉を開くと、目隠しをされ、口には粘着テープ、手足は木製の椅子に手錠で括りつけられた不破がいた。
「不破!」
直ぐに目隠しを取り、粘着テープも外す。
「大丈夫、不破!」
そう聞くと、不破はいつもの気の抜ける笑顔で「全然平気」と笑ってみせた。
「だって、猿飛くんが絶対助けに来てくれるって思ってたから」
ニコニコと笑いながら言う不破の言葉に、いつもなら嫌悪感が這いずって出てくるのに、今はそれがない。
何故なら、不破の言葉が本心ではないのが分かっているからだ。
不破の笑顔は必死に何かを隠そうとしている笑顔だ。
だから「嘘吐かなくていいよ」と言いながら頭を撫でると、不破の笑顔はどんどん崩れていき、瞳からはぼろぼろと大粒の涙が零れ落ちてきた。
そして、しゃくりあげながら「本当は、誰も助けに来てくれないって思ってた」と言った。
「猿飛くんも、絶対助けに来てくれないって思ってた。手錠なんて引きちぎれないし、誰も私の事、見つけてくれなくってこのまま死んじゃうんじゃって、凄い怖かった。怖かったよ……、猿飛くん……」
わんわん泣く不破の頭をゆっくり撫でながら「怖かったね。よく、頑張ったね」と言いうと、更に声を上げて泣きじゃくる。
筋肉バカだけど、不破だって普通の女の子なんだ。
こんな所に、視界も声も動きも奪われて放置されて大丈夫なはずがない。
用心して、首輪を特注しておいてよかった。
タオル何て気の利いたものは置いてきてしまったので、親指の腹で涙を拭うもあまり意味がないようだ。
「不破、もう大丈夫だよ。二度と、こんな事にならない様にするから。帰ろう?」
「うん……、うん……。帰る……」
少し落ち着きを取り戻したようなので、椅子の脚を折って手錠の片方を椅子から放す。
フラフラと立ち上がった不破を抱きしめて、もう一度「もう大丈夫だよ」と言ってやれば、ぎゅうっと抱きしめ返してきた。
ちょっと背骨が軋んでいるけれど、今は我慢しててあげる。
大丈夫だよ、不破。
あんたにこんな事をした連中は、絶対排除してあげるから。
出られない状況なのか、荷物は捨てられたか。
どっちでもいいから、無事でいてくれ……!
目的の山へ辿り着き、小母さんに何かあった時の為に車で待っている様にお願いして、一人山へと入っていく。
山の中では、GPSが示す道は一直線にしか表示されないので、獣道ですらない場所を通っていくしかない。
でも、それでいい。
不破の所へ最短で着ければ!
雨も降ってきて視界が悪くなったがそれでも道なき道を突き進んでいくと、開けた場所に出た。
そこには、ぼろい小屋がぽつんと建っていた。
GPSはその小屋を指しているということは、あそこに不破がいる!
今にも壊れてしまいそうな小屋の扉を開くと、目隠しをされ、口には粘着テープ、手足は木製の椅子に手錠で括りつけられた不破がいた。
「不破!」
直ぐに目隠しを取り、粘着テープも外す。
「大丈夫、不破!」
そう聞くと、不破はいつもの気の抜ける笑顔で「全然平気」と笑ってみせた。
「だって、猿飛くんが絶対助けに来てくれるって思ってたから」
ニコニコと笑いながら言う不破の言葉に、いつもなら嫌悪感が這いずって出てくるのに、今はそれがない。
何故なら、不破の言葉が本心ではないのが分かっているからだ。
不破の笑顔は必死に何かを隠そうとしている笑顔だ。
だから「嘘吐かなくていいよ」と言いながら頭を撫でると、不破の笑顔はどんどん崩れていき、瞳からはぼろぼろと大粒の涙が零れ落ちてきた。
そして、しゃくりあげながら「本当は、誰も助けに来てくれないって思ってた」と言った。
「猿飛くんも、絶対助けに来てくれないって思ってた。手錠なんて引きちぎれないし、誰も私の事、見つけてくれなくってこのまま死んじゃうんじゃって、凄い怖かった。怖かったよ……、猿飛くん……」
わんわん泣く不破の頭をゆっくり撫でながら「怖かったね。よく、頑張ったね」と言いうと、更に声を上げて泣きじゃくる。
筋肉バカだけど、不破だって普通の女の子なんだ。
こんな所に、視界も声も動きも奪われて放置されて大丈夫なはずがない。
用心して、首輪を特注しておいてよかった。
タオル何て気の利いたものは置いてきてしまったので、親指の腹で涙を拭うもあまり意味がないようだ。
「不破、もう大丈夫だよ。二度と、こんな事にならない様にするから。帰ろう?」
「うん……、うん……。帰る……」
少し落ち着きを取り戻したようなので、椅子の脚を折って手錠の片方を椅子から放す。
フラフラと立ち上がった不破を抱きしめて、もう一度「もう大丈夫だよ」と言ってやれば、ぎゅうっと抱きしめ返してきた。
ちょっと背骨が軋んでいるけれど、今は我慢しててあげる。
大丈夫だよ、不破。
あんたにこんな事をした連中は、絶対排除してあげるから。