筋肉と天邪鬼
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一日目は、誰がどのロッカーになるかは分からないだろうから問題なかったが、問題は二日目。
見事にロッカーの中にはゴミが詰め込まれてるし、机の中もよく分からない虫の死骸がぶちまけられていた。
これ、私よりやった本人の方がダメージが大きいのではないだろうか。
「まさに、諸刃の剣」
なんちゃって、と誰もいない教室で空笑いしながら掃除に踏み出す。
一年から始まったこのイジメ。
今年は猿飛くんが同じクラスなので目につきやすいイジメはないが、去年は酷かったな。
ロッカーや机は荒らされるし、落書きなんて当たり前。
錠前付けても切断されてるし。
教科書や体操着などは持ち帰っているので被害はないが、よくもまあ、そんな事に労力を割けるなと逆に感心してしまう。
お蔭で、友達と言えた女子達も気が付けば距離を置いたどころか、イジメる側へと身を翻していた。
女子ならではの現象だと思う。
別に彼女達はいい。
正直、表面的な付き合いだったから。
でも、猿飛くんは……。
猿飛くんが私と一緒にいてくれるのは、私という存在が猿飛くんにとってデメリットにもメリットにもならないから。
じゃあ、もし、イジメられてるなんていうデメリットが猿飛くんにばれたら?
きっと、猿飛くんは私から離れていくだろう……。
それは、嫌だ……。
だから、一年間この事は隠し通さなければいけないのだ。
よし、ロッカーの掃除しよ。
そう思い立ち、ゴミ箱をロッカーまで持っていき大きなゴミをドンドンと捨てていくと、不意に背後で「不破殿……」と声がした。
思わずロッカーを閉め振り向くと、深刻な顔をした真田くんが立っていた。
「あ、あはは……。真田くん、おはよう。早いね」
「部活の、朝練がありまして……。不破殿、今のロッカーは?」
「なんだろうね~?ささっ!部活行かないと!ほら!」
無理に教室から追い出そうとするが、真田くんは私を押しのけ、私のロッカーを開けた。
「不破殿。これはイジメ、というやつか?」
「あ~、うん、そうだね……」
ここで下手に嘘をついても誤魔化しきれないだろうと思い、素直に白状した。
真田くんは真剣な面持ちで先生に話そうというが、無駄だと切り捨てる。
やっているのが、外部生の私よりずっと身分の高い人達ばかりだ。
教師が真面に対処するとは思えないし、そもそもイジメという現象は教師では解決できない問題だ。
「佐助には、話されましたか?」
「ううん。これは、秘密だから。真田くんも、猿飛くんには秘密にしててね」
「だが……」
「いいの。猿飛くんに嫌われるくらいなら、私、幾らでも我慢する。だから、お願い」
私の懇願に、真田くんは重く一つ頷いた。
見事にロッカーの中にはゴミが詰め込まれてるし、机の中もよく分からない虫の死骸がぶちまけられていた。
これ、私よりやった本人の方がダメージが大きいのではないだろうか。
「まさに、諸刃の剣」
なんちゃって、と誰もいない教室で空笑いしながら掃除に踏み出す。
一年から始まったこのイジメ。
今年は猿飛くんが同じクラスなので目につきやすいイジメはないが、去年は酷かったな。
ロッカーや机は荒らされるし、落書きなんて当たり前。
錠前付けても切断されてるし。
教科書や体操着などは持ち帰っているので被害はないが、よくもまあ、そんな事に労力を割けるなと逆に感心してしまう。
お蔭で、友達と言えた女子達も気が付けば距離を置いたどころか、イジメる側へと身を翻していた。
女子ならではの現象だと思う。
別に彼女達はいい。
正直、表面的な付き合いだったから。
でも、猿飛くんは……。
猿飛くんが私と一緒にいてくれるのは、私という存在が猿飛くんにとってデメリットにもメリットにもならないから。
じゃあ、もし、イジメられてるなんていうデメリットが猿飛くんにばれたら?
きっと、猿飛くんは私から離れていくだろう……。
それは、嫌だ……。
だから、一年間この事は隠し通さなければいけないのだ。
よし、ロッカーの掃除しよ。
そう思い立ち、ゴミ箱をロッカーまで持っていき大きなゴミをドンドンと捨てていくと、不意に背後で「不破殿……」と声がした。
思わずロッカーを閉め振り向くと、深刻な顔をした真田くんが立っていた。
「あ、あはは……。真田くん、おはよう。早いね」
「部活の、朝練がありまして……。不破殿、今のロッカーは?」
「なんだろうね~?ささっ!部活行かないと!ほら!」
無理に教室から追い出そうとするが、真田くんは私を押しのけ、私のロッカーを開けた。
「不破殿。これはイジメ、というやつか?」
「あ~、うん、そうだね……」
ここで下手に嘘をついても誤魔化しきれないだろうと思い、素直に白状した。
真田くんは真剣な面持ちで先生に話そうというが、無駄だと切り捨てる。
やっているのが、外部生の私よりずっと身分の高い人達ばかりだ。
教師が真面に対処するとは思えないし、そもそもイジメという現象は教師では解決できない問題だ。
「佐助には、話されましたか?」
「ううん。これは、秘密だから。真田くんも、猿飛くんには秘密にしててね」
「だが……」
「いいの。猿飛くんに嫌われるくらいなら、私、幾らでも我慢する。だから、お願い」
私の懇願に、真田くんは重く一つ頷いた。