筋肉と天邪鬼
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「猿飛くんはさ、なんで俺様って言わないの?」
「は?」
「だってさ、他の人達の前だと一人称“俺様”なのに、私の前だと“俺”じゃん?」
なんで?と素朴な疑問をぶつけてくる不破に何といった物か……。
考え抜いた結果「俺って完璧じゃん?」と切り出す。
「容姿端麗、成績優秀、大企業の跡取り。完璧すぎて、近寄りがたいだろうから気安さを演出する為に言ってるの」
「ほぉ~」
感心したように間抜けな相槌を打つ不破に、上手く誤魔化せたと思った。
いや、誤魔化すも何も本当にそう言う理由なんだけどね。
不破は「成程、成程」と言っていたが、何か引っかかりを覚えたのか首を捻りながら「じゃあ、私の前だと俺なの?」と聞いてきた。
聞いてほしくない所を突いて来やがる……。
「……あんたは取っつき難くてもぐいぐいくるでしょ」
そう言うと、納得したように「確かに~」と言いながら笑った。
……はぁ、今度こそ上手く誤魔化せた。
本当の事を言ったら、不破は絶対嬉しそうに笑うだろうから。
そんなの見たら、絶対また吐きそうになる。
不破が俺のこの拒絶反応に理解を示してくれてるとしても、できるだけそういった状況は避けたい。
本当は素直に話して、不破が喜ぶ顔を見たいとは思う。
でも、その度に拒絶反応で錯乱していては世話無い。
(きっと、喜ぶんだろうな……)
不破の前では着飾らない自分でいたいなんて言ったら。
うっ……、考えただけで嫌悪感が襲ってきた。
口元を押さえて堪えていると、心配そうに「気持ち悪い?」と不破が聞いてきた。
「……大丈夫。ちょっと、あんたが喜んでるの想像したら気持ち悪くなっただけ」
「うーん……。相変わらず?」
不破の質問に無言で頷くと、不破が「私、調べたんだけどさ」と切り出してきた。
「猿飛くんのそれって、愛情欠乏症ってやつじゃないかな?」
「なにそれ」
「両親に愛情を十分に与えられてない人がなるらしいんだよ」
子供の頃から親から拒絶、否定される。
子供の愛情の発信を受け取ってもらえない。
親からの脅し行為。
その他諸々、原因を上げていく不破。
そういった事をされていると、自分の幸せに罪悪感や恐怖を覚えたり攻撃的になるらしい。
思い当たる節しかない。
俺は、親から愛情を与えられたと感じた事が無い。
「お前は会社を継ぐための存在」「私の言う事だけを聞いていろ」「お前に自由はない」エトセトラ。
父親から投げかけられた言葉は、俺という存在の否定。
「……それって治るの?」
「催眠療法で、インナーチャイルドを慰める事でちょっとずつ治すみたい」
催眠療法に、インナーチャイルドねぇ……。
「俺はアニマルセラピーでいいや」
「猿飛くん、ペット飼ってるの?」
「飼ってないけど、懐いてる土佐闘犬が側にいるからね」
不破は数秒考え「私か!」と言った。
そうだよ。
「は?」
「だってさ、他の人達の前だと一人称“俺様”なのに、私の前だと“俺”じゃん?」
なんで?と素朴な疑問をぶつけてくる不破に何といった物か……。
考え抜いた結果「俺って完璧じゃん?」と切り出す。
「容姿端麗、成績優秀、大企業の跡取り。完璧すぎて、近寄りがたいだろうから気安さを演出する為に言ってるの」
「ほぉ~」
感心したように間抜けな相槌を打つ不破に、上手く誤魔化せたと思った。
いや、誤魔化すも何も本当にそう言う理由なんだけどね。
不破は「成程、成程」と言っていたが、何か引っかかりを覚えたのか首を捻りながら「じゃあ、私の前だと俺なの?」と聞いてきた。
聞いてほしくない所を突いて来やがる……。
「……あんたは取っつき難くてもぐいぐいくるでしょ」
そう言うと、納得したように「確かに~」と言いながら笑った。
……はぁ、今度こそ上手く誤魔化せた。
本当の事を言ったら、不破は絶対嬉しそうに笑うだろうから。
そんなの見たら、絶対また吐きそうになる。
不破が俺のこの拒絶反応に理解を示してくれてるとしても、できるだけそういった状況は避けたい。
本当は素直に話して、不破が喜ぶ顔を見たいとは思う。
でも、その度に拒絶反応で錯乱していては世話無い。
(きっと、喜ぶんだろうな……)
不破の前では着飾らない自分でいたいなんて言ったら。
うっ……、考えただけで嫌悪感が襲ってきた。
口元を押さえて堪えていると、心配そうに「気持ち悪い?」と不破が聞いてきた。
「……大丈夫。ちょっと、あんたが喜んでるの想像したら気持ち悪くなっただけ」
「うーん……。相変わらず?」
不破の質問に無言で頷くと、不破が「私、調べたんだけどさ」と切り出してきた。
「猿飛くんのそれって、愛情欠乏症ってやつじゃないかな?」
「なにそれ」
「両親に愛情を十分に与えられてない人がなるらしいんだよ」
子供の頃から親から拒絶、否定される。
子供の愛情の発信を受け取ってもらえない。
親からの脅し行為。
その他諸々、原因を上げていく不破。
そういった事をされていると、自分の幸せに罪悪感や恐怖を覚えたり攻撃的になるらしい。
思い当たる節しかない。
俺は、親から愛情を与えられたと感じた事が無い。
「お前は会社を継ぐための存在」「私の言う事だけを聞いていろ」「お前に自由はない」エトセトラ。
父親から投げかけられた言葉は、俺という存在の否定。
「……それって治るの?」
「催眠療法で、インナーチャイルドを慰める事でちょっとずつ治すみたい」
催眠療法に、インナーチャイルドねぇ……。
「俺はアニマルセラピーでいいや」
「猿飛くん、ペット飼ってるの?」
「飼ってないけど、懐いてる土佐闘犬が側にいるからね」
不破は数秒考え「私か!」と言った。
そうだよ。