期末テストの勉強を猿飛くんの家でしていると、視線を感じる。
視線を手元から猿飛くんに向ければ、猿飛くんが勉強の手を止めて私の問題集を見ていた。

「な、なに？」
「いや、あんたって本当に頭いいんだなって」

まだ、疑っていたのか。
私は苦笑いしながら「まあね」と謙遜する事無く言った。

「まあ、俺よりは下だろうけど」
「なにをー！じゃあ、猿飛くん最高何位！？」
「五位」
「たいして変わらないじゃん！」
「でも、俺の方が上」

むぎー！高々三つ差で勝った気になりよって！

「じゃあ、次の期末は勝負だよ！順位上だった方の言うこと聞く！いいね！」

私の熱い挑戦状を猿飛くんは「はいはい」と言って軽くあしらった。
絶対！絶対に！猿飛くんより順位上回ってやる！
と意気込んだ結果、過去最高の五位。
が、しかし、猿飛くんはそれを上回る次席。
なんで！律儀に三つ上回るかな！

「ぐぅ……。約束は約束だ……。何でも言うこと聞くよ……」
「何でもねえ……。まあ、来週までに考えておくよ」