筋肉と天邪鬼
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三学期も始まり、久々に見た猿飛くんの顔はげんなりしていた。
聞くと、休みの間、ずっとパーティーやら家の事で休む暇もなかったらしい。
上流階級は大変だなぁ、と他人事のように言うと米神の所に頭を挟む様に拳骨を当て思いっきりぐりぐりされた。
「痛い!痛い!そこ、人体の急所!」
「……ホント、あんたの間抜けな顔見てると、疲れてるのが馬鹿馬鹿しくなるよ」
溜息を吐き、席に着いた。
その隣の席の椅子を拝借し、肩を叩きながら「お疲れ様」と言うとぶすっとした顔で「どーも」と猿飛くんは言った。
機嫌損ねちゃったなー、と思いながら何か話題転換しようとして「バレンタインどうする?」と聞くと「貰わない事にしてる」と猿飛くん言う。
猿飛くん、モテるだろうに。
「勿体ない」と言うと、猿飛くんが「例えばさ」と切り出した。
「普通のチョコより赤黒くて配合物検査したら血が混ざってたり、誰から貰ったかも分からないからお返ししなかったら泣かれたりされて、あんたは貰う気になる?」
中々にヘビーな話だ。
私は引きつる笑顔で「貰わないかな」と言った。
事実なのか、未遂なのかは分からないがモテる男にはモテるなりに大変らしい。
だが、まあ、この答えは私的にはありがたい。
母さんが、猿飛くんにチョコを作れと言っていたのでそれを回避できてよかった。
そう言うと、猿飛くんは遠くを見て「あんたのチョコはプロテイン入ってそうだよね」と言った。
「入れないけど、食べられる代物かどうかは分からない」
「プロテイン入りよりダメじゃん」
仕方がない。
私は料理に向かない性格なのだ。
そんな話をしたのが数週間前。
バレンタイン当日、猿飛くんは宣言通り誰からもプレゼントを貰わなかった。
可哀想な乙女達とは思うが、血液入りチョコのトラウマは深いと思う。
一緒に下校してる時に、げっそりしている猿飛くんに「お疲れ様」と労うと何か思い出したのか、鞄の中を漁り綺麗にラッピングされた箱を取り出し「あげる」と言ってきた。
「おぉ!逆チョコ!友チョコってやつ?」
「どうせ、友チョコも貰う相手いないんでしょ」
鋭い所を突かれる。
うん、まあ、私に友チョコを渡し合う仲の子はいないけど、そうばっさりと言わないでもいいじゃないかと思うが、今年は一個ゲットだ。
素直に「ありがとう」と言うと、ぶっきら棒に「趣味で作っただけだから」と言う。
「手作り?!マジで!わー!兄さん達に自慢しよ!」
「そんな、大した物じゃないから止めてよね」
「わかった。私の心の中で自慢しておく。ホワイトデー、楽しみにしててね!」
笑って言うと、猿飛くんに「期待しないで待ってる」と言われた。
そこは期待して待っててよー。
聞くと、休みの間、ずっとパーティーやら家の事で休む暇もなかったらしい。
上流階級は大変だなぁ、と他人事のように言うと米神の所に頭を挟む様に拳骨を当て思いっきりぐりぐりされた。
「痛い!痛い!そこ、人体の急所!」
「……ホント、あんたの間抜けな顔見てると、疲れてるのが馬鹿馬鹿しくなるよ」
溜息を吐き、席に着いた。
その隣の席の椅子を拝借し、肩を叩きながら「お疲れ様」と言うとぶすっとした顔で「どーも」と猿飛くんは言った。
機嫌損ねちゃったなー、と思いながら何か話題転換しようとして「バレンタインどうする?」と聞くと「貰わない事にしてる」と猿飛くん言う。
猿飛くん、モテるだろうに。
「勿体ない」と言うと、猿飛くんが「例えばさ」と切り出した。
「普通のチョコより赤黒くて配合物検査したら血が混ざってたり、誰から貰ったかも分からないからお返ししなかったら泣かれたりされて、あんたは貰う気になる?」
中々にヘビーな話だ。
私は引きつる笑顔で「貰わないかな」と言った。
事実なのか、未遂なのかは分からないがモテる男にはモテるなりに大変らしい。
だが、まあ、この答えは私的にはありがたい。
母さんが、猿飛くんにチョコを作れと言っていたのでそれを回避できてよかった。
そう言うと、猿飛くんは遠くを見て「あんたのチョコはプロテイン入ってそうだよね」と言った。
「入れないけど、食べられる代物かどうかは分からない」
「プロテイン入りよりダメじゃん」
仕方がない。
私は料理に向かない性格なのだ。
そんな話をしたのが数週間前。
バレンタイン当日、猿飛くんは宣言通り誰からもプレゼントを貰わなかった。
可哀想な乙女達とは思うが、血液入りチョコのトラウマは深いと思う。
一緒に下校してる時に、げっそりしている猿飛くんに「お疲れ様」と労うと何か思い出したのか、鞄の中を漁り綺麗にラッピングされた箱を取り出し「あげる」と言ってきた。
「おぉ!逆チョコ!友チョコってやつ?」
「どうせ、友チョコも貰う相手いないんでしょ」
鋭い所を突かれる。
うん、まあ、私に友チョコを渡し合う仲の子はいないけど、そうばっさりと言わないでもいいじゃないかと思うが、今年は一個ゲットだ。
素直に「ありがとう」と言うと、ぶっきら棒に「趣味で作っただけだから」と言う。
「手作り?!マジで!わー!兄さん達に自慢しよ!」
「そんな、大した物じゃないから止めてよね」
「わかった。私の心の中で自慢しておく。ホワイトデー、楽しみにしててね!」
笑って言うと、猿飛くんに「期待しないで待ってる」と言われた。
そこは期待して待っててよー。