筋肉と天邪鬼
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学校の帰り道。
冬のからっとした空気を感じながら、今日の走り込みは気持ち良さそうだと思いながら歩いていると、公園の生垣に寄りかかるように人がへたり込んでいた。
具合が悪いのかと心配になり駆け寄る。
「大丈夫ですか?」
いや、大丈夫ではないからこうなっているのだが。
へたり込んでいる人の側に落ちている鞄や制服を見る限りでは、私と同じ学校の男子生徒の様だ。
男子は意識はあるようで、「なに……?」と弱々しく聞いてきた。
「えっ、あの。具合が悪いようなら、送っていきますよ」
「いい……。人に家、知られたくない……」
何て奇妙な理由で拒否をするんだ。
だが、そんな理由で放置して去れる程、私は非情ではない。
彼の鞄を持ち、脱力しきっている彼自身を背負い持ち上げる。
男子生徒は驚いているようだが、いつも兄(厳つい)を背負ってスクワットをしている私には楽勝だ。
だが、彼も中々いいウェイトをしている。
この位の重さなら、もっと効率的にスクワットができそうだ。
彼が元気になったら、協力してもらえないか頼み込んでみよう。
「で、家はどっちですか?」
「……はぁ。あっち……」
彼も諦めたように、家までの道程を指差しながら案内してくれた。
ついた先は、超高級マンションの中程の階。
鍵を開けてもらい中に入れば、生活感の欠片もない殺風景な寂しい部屋だった。
いや、まあ、インテリアとかは人それぞれの感性があるから、いちゃもんはつけたらダメだね。
鞄を置き、男子生徒をベッドにそっと寝かし、冷えピタやらアイスノンやら風邪薬やらを探すが、どうやらこの家にはないらしい。
他にも、ミネラルウォーターしか入っていない冷蔵庫を発見したので、食材の調達にも出ることにした。
意識が朦朧としている男子生徒の了承を得て、エントランスの暗証番号と部屋の鍵を入手し、来るまでにあった薬局とスーパーに走る。
求めていた品を入手し部屋へと戻ると、何故か男子生徒がパンツ一丁で床に転がってた。
あぁ!いい筋肉してる!と、一瞬触り回したい欲求が湧き上がったが、押さえ付け近場に転がっていたスウェットを着せる。
「やだ……。服着たくない……熱い……床きもちい……」
「風邪が酷くなるから我慢してください!いま、すりリンゴ持ってくるので、それまで寝ててください」
「何ですりリンゴ……?」
「うちでは、風邪の時はすりリンゴです!」
そう言い、男子生徒の額に冷えピタを貼り、布団に再度寝かし、擦りリンゴの用意をする。
ふふん。私のリンゴすりは早いぞ!
ゴリゴリとリンゴをすり下ろす。
甘いのが苦手だといけないので、蜂蜜は入れずそのままレンゲをつけて男子生徒の元へ持っていく。
「できましたよー?起きられますかー?」
「……無理」
しょうがないなー、とすりリンゴを高そうなローテーブルを引き寄せその上に置き、男子生徒を起き上がらせる。
片手で男子生徒を支え、もう片方の手ですりリンゴをとる。
はい、持ってと差し出すも、男子生徒は腕を上げる気力もないらしく、仕方がないので彼の背中に回り、私に寄りかからせフリーになった片手でレンゲを持ち、すりリンゴを彼の口に運ぶ。
半開きの口にすりリンゴを流し込めば、ごくりと飲み込んだ。
「いけそうですか?」
尋ねれば、こくりと頷くのでがんがん口にいれていく。
器が空になった頃、「玉子雑炊食べますか?」と聞くと「後で……食べる……」と弱々しく返ってくる。
「じゃあ、作って置いておくので、後で食べてくださいね?お薬も飲んでくださいね?」
「ん……」
そっと横に寝かせれば、直ぐに寝息が聞こえてきた。
ちゃっちゃと、私の少ない料理レパートリーの内の一つである玉子雑炊を作り、ローテーブルに鍋敷きを敷いて風邪薬と一緒にセットしておく。
先程、脱ぎ散らかされた制服を吊るして、部屋の鍵をかけてエントランスのポストに放り込む。
鍵の事は書き置きしてきたし、まあ、大丈夫だろう。
さあ、帰って今日のメニューをこなさないと!
冬のからっとした空気を感じながら、今日の走り込みは気持ち良さそうだと思いながら歩いていると、公園の生垣に寄りかかるように人がへたり込んでいた。
具合が悪いのかと心配になり駆け寄る。
「大丈夫ですか?」
いや、大丈夫ではないからこうなっているのだが。
へたり込んでいる人の側に落ちている鞄や制服を見る限りでは、私と同じ学校の男子生徒の様だ。
男子は意識はあるようで、「なに……?」と弱々しく聞いてきた。
「えっ、あの。具合が悪いようなら、送っていきますよ」
「いい……。人に家、知られたくない……」
何て奇妙な理由で拒否をするんだ。
だが、そんな理由で放置して去れる程、私は非情ではない。
彼の鞄を持ち、脱力しきっている彼自身を背負い持ち上げる。
男子生徒は驚いているようだが、いつも兄(厳つい)を背負ってスクワットをしている私には楽勝だ。
だが、彼も中々いいウェイトをしている。
この位の重さなら、もっと効率的にスクワットができそうだ。
彼が元気になったら、協力してもらえないか頼み込んでみよう。
「で、家はどっちですか?」
「……はぁ。あっち……」
彼も諦めたように、家までの道程を指差しながら案内してくれた。
ついた先は、超高級マンションの中程の階。
鍵を開けてもらい中に入れば、生活感の欠片もない殺風景な寂しい部屋だった。
いや、まあ、インテリアとかは人それぞれの感性があるから、いちゃもんはつけたらダメだね。
鞄を置き、男子生徒をベッドにそっと寝かし、冷えピタやらアイスノンやら風邪薬やらを探すが、どうやらこの家にはないらしい。
他にも、ミネラルウォーターしか入っていない冷蔵庫を発見したので、食材の調達にも出ることにした。
意識が朦朧としている男子生徒の了承を得て、エントランスの暗証番号と部屋の鍵を入手し、来るまでにあった薬局とスーパーに走る。
求めていた品を入手し部屋へと戻ると、何故か男子生徒がパンツ一丁で床に転がってた。
あぁ!いい筋肉してる!と、一瞬触り回したい欲求が湧き上がったが、押さえ付け近場に転がっていたスウェットを着せる。
「やだ……。服着たくない……熱い……床きもちい……」
「風邪が酷くなるから我慢してください!いま、すりリンゴ持ってくるので、それまで寝ててください」
「何ですりリンゴ……?」
「うちでは、風邪の時はすりリンゴです!」
そう言い、男子生徒の額に冷えピタを貼り、布団に再度寝かし、擦りリンゴの用意をする。
ふふん。私のリンゴすりは早いぞ!
ゴリゴリとリンゴをすり下ろす。
甘いのが苦手だといけないので、蜂蜜は入れずそのままレンゲをつけて男子生徒の元へ持っていく。
「できましたよー?起きられますかー?」
「……無理」
しょうがないなー、とすりリンゴを高そうなローテーブルを引き寄せその上に置き、男子生徒を起き上がらせる。
片手で男子生徒を支え、もう片方の手ですりリンゴをとる。
はい、持ってと差し出すも、男子生徒は腕を上げる気力もないらしく、仕方がないので彼の背中に回り、私に寄りかからせフリーになった片手でレンゲを持ち、すりリンゴを彼の口に運ぶ。
半開きの口にすりリンゴを流し込めば、ごくりと飲み込んだ。
「いけそうですか?」
尋ねれば、こくりと頷くのでがんがん口にいれていく。
器が空になった頃、「玉子雑炊食べますか?」と聞くと「後で……食べる……」と弱々しく返ってくる。
「じゃあ、作って置いておくので、後で食べてくださいね?お薬も飲んでくださいね?」
「ん……」
そっと横に寝かせれば、直ぐに寝息が聞こえてきた。
ちゃっちゃと、私の少ない料理レパートリーの内の一つである玉子雑炊を作り、ローテーブルに鍋敷きを敷いて風邪薬と一緒にセットしておく。
先程、脱ぎ散らかされた制服を吊るして、部屋の鍵をかけてエントランスのポストに放り込む。
鍵の事は書き置きしてきたし、まあ、大丈夫だろう。
さあ、帰って今日のメニューをこなさないと!
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