ネタ/小話置き場
名前
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○○はオビトが好きだった。
しかし、オビトがずっと前に死んだリンを今でも想っていることを知っていた。
だから、この思いを伝えたところでオビトの気持ちが自分に向きやしないことを理解していた。
最初はつらかった。オビトの知らないところで泣きながら、死んでなおオビトに想われるリンを羨ましく思い、そんなことを考える自分の愚かさに自己嫌悪し、また泣いた。
やがて、○○はこの気持ちに蓋をすることにした。
それでもまたしばらく泣くだろうが、いずれそれにも慣れるだろうと○○は自身に言い聞かせた。
そして。
オビトに対する気持ちに折り合いがついた頃。
「お前が好きなんだ、○○」
オビトはそう○○に言ったのだ。
「お前は……どうだ?○○」
その言葉はずっと○○が聞きたかった言葉。
しかし、とうに折り合いをつけた○○にとって、その言葉はいまや何よりも重く、鋭いものとなって○○の心臓に刺さった。
○○の脳裏には、リンの姿が映し出されていた。
そうだ。
オビトは、リンを。
「知ってる…………オビトは…………リンが、」
吐き出しそうな口を震わせ、○○はそう言葉を絞り出す。
「……何故そこでリンの名前が出る。リンとお前は違うだろう」
オビトはゆっくり近づいていく。
一歩。
また一歩と。
「○○はリンにはなれないし、リンも○○にはなれない。
誰も彼も代わりなんていやしないし、できやしない」
目の前で、○○の揺れる瞳をじっと見つめながら、そう言うのだ。
「…………………………オビ、ト」
それでも、ぐらぐら揺れる○○の瞳。その瞳は気持ちも表していた。
「それでもリンを引き合いに出すなら、お前がいつも泣いていたオレの知らないところでじっくり話し合おう。
なぁ、○○」
そう言って手を引くオビト。
しかし揺れる○○の瞳ではその表情を伺うことは叶わず、朧気になって消えた。
終
しかし、オビトがずっと前に死んだリンを今でも想っていることを知っていた。
だから、この思いを伝えたところでオビトの気持ちが自分に向きやしないことを理解していた。
最初はつらかった。オビトの知らないところで泣きながら、死んでなおオビトに想われるリンを羨ましく思い、そんなことを考える自分の愚かさに自己嫌悪し、また泣いた。
やがて、○○はこの気持ちに蓋をすることにした。
それでもまたしばらく泣くだろうが、いずれそれにも慣れるだろうと○○は自身に言い聞かせた。
そして。
オビトに対する気持ちに折り合いがついた頃。
「お前が好きなんだ、○○」
オビトはそう○○に言ったのだ。
「お前は……どうだ?○○」
その言葉はずっと○○が聞きたかった言葉。
しかし、とうに折り合いをつけた○○にとって、その言葉はいまや何よりも重く、鋭いものとなって○○の心臓に刺さった。
○○の脳裏には、リンの姿が映し出されていた。
そうだ。
オビトは、リンを。
「知ってる…………オビトは…………リンが、」
吐き出しそうな口を震わせ、○○はそう言葉を絞り出す。
「……何故そこでリンの名前が出る。リンとお前は違うだろう」
オビトはゆっくり近づいていく。
一歩。
また一歩と。
「○○はリンにはなれないし、リンも○○にはなれない。
誰も彼も代わりなんていやしないし、できやしない」
目の前で、○○の揺れる瞳をじっと見つめながら、そう言うのだ。
「…………………………オビ、ト」
それでも、ぐらぐら揺れる○○の瞳。その瞳は気持ちも表していた。
「それでもリンを引き合いに出すなら、お前がいつも泣いていたオレの知らないところでじっくり話し合おう。
なぁ、○○」
そう言って手を引くオビト。
しかし揺れる○○の瞳ではその表情を伺うことは叶わず、朧気になって消えた。
終