君は死なず、されど
名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
。
「ねぇ、私思ったんだけど、」
「んだよ寝んじゃねえのか」
「いやなんかどうしても気になることがあって」
不意に目をぱちりと開いた○○。
少し重たいまぶたをこすりながら、飛段に声を投げかける。初めこそ怪訝そうに思っていた飛段だが、○○がこう言い方をするならばとりあえずは、と耳をかたむけることにし、口をしばし閉じることにしたのだ。
「あのさ、」
ほんの数秒。
言葉を選ぶように黙った○○。やがて導くように口を開く。
「もし飛段が不死じゃなかったらどんな感じかなーって思ってさ」
そして、○○は飛段の腕の中で、飛段にだけ聴こえれば充分といわんばかりの声量で、ぽつりとそう言った。
解答を待つ○○。 ほんやりしながら抱く飛段の指をむにむにとしている と、その指が下顎を掴んでみせた。そしてはぁ〜〜とでっかいため息が聴こえる。
「何を言うかと思えば、くっだらねぇなオイ」
「そーかな?」
大人しく下顎をもみもみされながら、腹に回されている飛段の腕に手をそえた○○は、小さくうなって口をむいと尖らせた。
飛段にとってはとんでもなくくだらない問いであるようだが、同じく不死である○○は反応からして異なるようだ。
しかし、脳の片隅では飛段の答えをやや予想できていたらしく、 さしてしんみりはしていなかった。
もう一人の不死、角都も飛段と同じく「くだらない」
と返すのだろうな。とぼんやり考える。
「大体よぉ、不死になっちまったんだから今更ンなこと考えてどーすんだよ」
○○がそう考えるさなか、やれやれと呆れたように飛段が言葉を投げた。
……呆れてはいるが、付き合いが角都の次に多い飛段は○○の人となりを知っているため、今回の問いも「まぁ○○なら言いそうだ」と思った。
少なくともこの瞬間、これを聞いてきたという«事実»に、飛段は優悦感に浸ったとか、そうでないとか。
「まぁ、それもそうか」
そんな飛段の言葉を聴いた○○は、そう言ってわりとアッサリ納得し、からからと軽快に笑いながら、懐に入れていた間食用に持って来ていた丸いおにぎりを出す。
「おいひい」
「よく食うねえ、ホント。オレにもくれよ」
「ん。ちょい待って、」
口の中のおにぎりをもしゃりもしゃりと咀嚼しながら、手に持つおにぎりを少しもいで飛段の顔の方へ近づけると、少しして、○○の手と一緒におにぎりをぱっくんちょした。
しばらくそのまま咀嚼した後、ごくんという音と共に、 飛段のノドが上下に動いた。
しかし。
○○の手のおにぎりはとうに飛段の胃の中だという のに、口がいまだに手から離れないでいた。その手を動かしても、それに合わせて顔を動かす飛段。
「も~~、ひ、だん!!」
埒の明かなくなった○○は、半ば強引に、口から手をぶっこ抜いた。
「ンだよ減るもんじゃねーし」
「減るんだよなぁ……」
べしょべしょの手を拭きながら、反対の手に持つおにぎりをのんびり食べていく。そして、間もなくその全てが○○の胃の中に収まった。
この瞬間、体内にチャクラが大分戻ってきたことを感じ取り、小さく笑う。 今度こそ眠ろうと、飛段に体重をかけて目を閉じる。さっきよりも眠いのは、胃が少しばかりではあるが満たされたからだろう。
「おやすみ」
「そういうお前はどうなんだよ、○○」
「え?」
「不死じゃなかったらっての」
逆に質問されるとは思わなかった○○。
やや面食らったように目を開けながら、考えるよう に頬をかいた。
数秒の間の後。
「ん~~どうだろ。
少なくとも角都さんとは出会わないし、暁に加入もしなかったと思う」
「あ~~まぁそうなるか」
○○の過去を大まかにではあるが知っているためか、納得したように飛段はそう言った。
「飛段さぁ」
「あ?」
続けて何かを思い付いたように、飛段の名前を呼んだ○○。
「もしそんな状況で私と会ったらどうする?やっぱり殺す?」
ワイヤーを忍ばせている方の手をつつきつつ、○○は問う。特別飛段に殺されたいわけではなく、それはあくまで純粋な気持ちからくる問いだった。
○○としてはどんな答えでも良かった。ほんの少しの好奇心、それからひまつぶしの一環。
「あ~~、まぁ、」
飛段は考えているようだ。
どんな顔で考えているのだろうか。ふと気になった○○は、よいしょよいしょと体を動かして向き合うように体勢を変えた。
すると、
「お前くらいの上玉なら、贄としては最高だ」
○○の目には楽しそうにそう言って笑う男の姿がうつったのである。
そして、いつの間にか○○の首には飛段の無骨な指が張り付くように添えられている。
そんな飛段を、○○は静かに見つめた。
。
「ねぇ、私思ったんだけど、」
「んだよ寝んじゃねえのか」
「いやなんかどうしても気になることがあって」
不意に目をぱちりと開いた○○。
少し重たいまぶたをこすりながら、飛段に声を投げかける。初めこそ怪訝そうに思っていた飛段だが、○○がこう言い方をするならばとりあえずは、と耳をかたむけることにし、口をしばし閉じることにしたのだ。
「あのさ、」
ほんの数秒。
言葉を選ぶように黙った○○。やがて導くように口を開く。
「もし飛段が不死じゃなかったらどんな感じかなーって思ってさ」
そして、○○は飛段の腕の中で、飛段にだけ聴こえれば充分といわんばかりの声量で、ぽつりとそう言った。
解答を待つ○○。 ほんやりしながら抱く飛段の指をむにむにとしている と、その指が下顎を掴んでみせた。そしてはぁ〜〜とでっかいため息が聴こえる。
「何を言うかと思えば、くっだらねぇなオイ」
「そーかな?」
大人しく下顎をもみもみされながら、腹に回されている飛段の腕に手をそえた○○は、小さくうなって口をむいと尖らせた。
飛段にとってはとんでもなくくだらない問いであるようだが、同じく不死である○○は反応からして異なるようだ。
しかし、脳の片隅では飛段の答えをやや予想できていたらしく、 さしてしんみりはしていなかった。
もう一人の不死、角都も飛段と同じく「くだらない」
と返すのだろうな。とぼんやり考える。
「大体よぉ、不死になっちまったんだから今更ンなこと考えてどーすんだよ」
○○がそう考えるさなか、やれやれと呆れたように飛段が言葉を投げた。
……呆れてはいるが、付き合いが角都の次に多い飛段は○○の人となりを知っているため、今回の問いも「まぁ○○なら言いそうだ」と思った。
少なくともこの瞬間、これを聞いてきたという«事実»に、飛段は優悦感に浸ったとか、そうでないとか。
「まぁ、それもそうか」
そんな飛段の言葉を聴いた○○は、そう言ってわりとアッサリ納得し、からからと軽快に笑いながら、懐に入れていた間食用に持って来ていた丸いおにぎりを出す。
「おいひい」
「よく食うねえ、ホント。オレにもくれよ」
「ん。ちょい待って、」
口の中のおにぎりをもしゃりもしゃりと咀嚼しながら、手に持つおにぎりを少しもいで飛段の顔の方へ近づけると、少しして、○○の手と一緒におにぎりをぱっくんちょした。
しばらくそのまま咀嚼した後、ごくんという音と共に、 飛段のノドが上下に動いた。
しかし。
○○の手のおにぎりはとうに飛段の胃の中だという のに、口がいまだに手から離れないでいた。その手を動かしても、それに合わせて顔を動かす飛段。
「も~~、ひ、だん!!」
埒の明かなくなった○○は、半ば強引に、口から手をぶっこ抜いた。
「ンだよ減るもんじゃねーし」
「減るんだよなぁ……」
べしょべしょの手を拭きながら、反対の手に持つおにぎりをのんびり食べていく。そして、間もなくその全てが○○の胃の中に収まった。
この瞬間、体内にチャクラが大分戻ってきたことを感じ取り、小さく笑う。 今度こそ眠ろうと、飛段に体重をかけて目を閉じる。さっきよりも眠いのは、胃が少しばかりではあるが満たされたからだろう。
「おやすみ」
「そういうお前はどうなんだよ、○○」
「え?」
「不死じゃなかったらっての」
逆に質問されるとは思わなかった○○。
やや面食らったように目を開けながら、考えるよう に頬をかいた。
数秒の間の後。
「ん~~どうだろ。
少なくとも角都さんとは出会わないし、暁に加入もしなかったと思う」
「あ~~まぁそうなるか」
○○の過去を大まかにではあるが知っているためか、納得したように飛段はそう言った。
「飛段さぁ」
「あ?」
続けて何かを思い付いたように、飛段の名前を呼んだ○○。
「もしそんな状況で私と会ったらどうする?やっぱり殺す?」
ワイヤーを忍ばせている方の手をつつきつつ、○○は問う。特別飛段に殺されたいわけではなく、それはあくまで純粋な気持ちからくる問いだった。
○○としてはどんな答えでも良かった。ほんの少しの好奇心、それからひまつぶしの一環。
「あ~~、まぁ、」
飛段は考えているようだ。
どんな顔で考えているのだろうか。ふと気になった○○は、よいしょよいしょと体を動かして向き合うように体勢を変えた。
すると、
「お前くらいの上玉なら、贄としては最高だ」
○○の目には楽しそうにそう言って笑う男の姿がうつったのである。
そして、いつの間にか○○の首には飛段の無骨な指が張り付くように添えられている。
そんな飛段を、○○は静かに見つめた。
。
7/16ページ