君は死なず、されど
名前
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。
某日。
いつものように賞金首を換金所へ持って行った角都、飛段、○○の三人。
そして角都がお金を数え始める。
のだが、
「○○」
お札をめくる手をぴたりと止めた角都は、いつものようにぼんやり天井を見上げ待っている○○に声をかける。
いつもだ。
いつも、決まって○○は外でなく換金所内で、角都の用事が済むのを静かに待つのだ。
「……んー?」
角都の言葉に反応した○○は、語尾を伸ばしながら、ゆっくり天井から角都の方へと体ごと向けた。
「今回の賞金首は中々に大金でな。確認するのに少し時間がかかる。
……外で待っていろ」
「わかった。待ってる」
このまま待たせているとマイペースな○○は気にせず眠りこけてしまう、と思ったのだろう。
「換金所を出てすぐの場所に長椅子がある。そこに飛段も居るはずだ。
寝ててもいい、終わり次第オレが起こす」
角都は換金所の出口を指さしながら、○○にそう伝えた。
ここで眠られるよりかは幾分かマシだろう。と自身に
心の中で言い聞かせながら。
……こうして○○は、角都に言われた通り、外で待つために換金所の低い扉をくぐって行った。
……。
間もなく。
角都の言葉通り、長椅子には飛段が気だるそうに体を預けていた。
「飛段」
「お、○○」
○○に気がついた飛段は気だるげな顔から一変、嬉しそうにぱ、と明るい顔になる。
「時間かかりそうだからって、角都さんが」
「そういやなんか結構高額の賞金首だって言ってたな」
「そう」
そんなやり取りを軽くかわしながら、○○は飛段の横に腰を下ろそうとした。
しかし、
「……。飛段、」
「悪いな。生憎満席だ」
「飛段しかいないけど」
「«コイツ»もいんだよ」
飛段はそう言うと、いつも背中に置いている真っ赤な鎌を横に置いたのだ。
そうすることで○○の座るスペースはすっかり埋まってしまった。
飛段のよく分からない行動に首を捻りつつ、埋まってしまったものは仕方ないと割り切り、長椅子の横の壁にでももたれようかと考えていた頃。
「そんなに座りてーなら«ココ»座れよ」
そう言った飛段は自身の膝を指さしていた。
「え?うーん……。
飛段がいいなら座らせてもらうけど、」
わりと眠たかった○○は、そんなに考えることなく、ほぼノータイムで飛段の膝上に腰を下ろしたのだった。
「お前さぁ、オレが言うのもなんだけど馬鹿だよな……」
「飛段と一緒だよ」
「オレは馬鹿じゃねーし」
……などと他愛のないやり取りをする二人。
「…………角都さんがくるまで寝る」
「おー」
ぼんやり伝える○○は、そのまま体を飛段の胸に押し付けるように体重をかけた。
右腕は抱き枕だと言わんばかりに引き寄せれば、もう反対側の腕はいつの間にか○○のお腹を飛段は抱いていた。
「……」
そして、微睡む○○。
徐々に沈んでいく意識に身を任せ、重たいまぶたをそっと閉じた。
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某日。
いつものように賞金首を換金所へ持って行った角都、飛段、○○の三人。
そして角都がお金を数え始める。
のだが、
「○○」
お札をめくる手をぴたりと止めた角都は、いつものようにぼんやり天井を見上げ待っている○○に声をかける。
いつもだ。
いつも、決まって○○は外でなく換金所内で、角都の用事が済むのを静かに待つのだ。
「……んー?」
角都の言葉に反応した○○は、語尾を伸ばしながら、ゆっくり天井から角都の方へと体ごと向けた。
「今回の賞金首は中々に大金でな。確認するのに少し時間がかかる。
……外で待っていろ」
「わかった。待ってる」
このまま待たせているとマイペースな○○は気にせず眠りこけてしまう、と思ったのだろう。
「換金所を出てすぐの場所に長椅子がある。そこに飛段も居るはずだ。
寝ててもいい、終わり次第オレが起こす」
角都は換金所の出口を指さしながら、○○にそう伝えた。
ここで眠られるよりかは幾分かマシだろう。と自身に
心の中で言い聞かせながら。
……こうして○○は、角都に言われた通り、外で待つために換金所の低い扉をくぐって行った。
……。
間もなく。
角都の言葉通り、長椅子には飛段が気だるそうに体を預けていた。
「飛段」
「お、○○」
○○に気がついた飛段は気だるげな顔から一変、嬉しそうにぱ、と明るい顔になる。
「時間かかりそうだからって、角都さんが」
「そういやなんか結構高額の賞金首だって言ってたな」
「そう」
そんなやり取りを軽くかわしながら、○○は飛段の横に腰を下ろそうとした。
しかし、
「……。飛段、」
「悪いな。生憎満席だ」
「飛段しかいないけど」
「«コイツ»もいんだよ」
飛段はそう言うと、いつも背中に置いている真っ赤な鎌を横に置いたのだ。
そうすることで○○の座るスペースはすっかり埋まってしまった。
飛段のよく分からない行動に首を捻りつつ、埋まってしまったものは仕方ないと割り切り、長椅子の横の壁にでももたれようかと考えていた頃。
「そんなに座りてーなら«ココ»座れよ」
そう言った飛段は自身の膝を指さしていた。
「え?うーん……。
飛段がいいなら座らせてもらうけど、」
わりと眠たかった○○は、そんなに考えることなく、ほぼノータイムで飛段の膝上に腰を下ろしたのだった。
「お前さぁ、オレが言うのもなんだけど馬鹿だよな……」
「飛段と一緒だよ」
「オレは馬鹿じゃねーし」
……などと他愛のないやり取りをする二人。
「…………角都さんがくるまで寝る」
「おー」
ぼんやり伝える○○は、そのまま体を飛段の胸に押し付けるように体重をかけた。
右腕は抱き枕だと言わんばかりに引き寄せれば、もう反対側の腕はいつの間にか○○のお腹を飛段は抱いていた。
「……」
そして、微睡む○○。
徐々に沈んでいく意識に身を任せ、重たいまぶたをそっと閉じた。
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