危ないですから、白線の内側までお下がりください
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「あれ、クダリも来てくれたの?久しぶりに会えて嬉しいけど、仕事大丈夫なの?」
「今日お客さん少ないから全然ヘーキ。ぼくも久しぶりに『地獄のかくかくねえさん』に会いたかったから」
「まだその呼び方定着してんの?散々やめてって言ってたのに?お姉さんの言うこと、忘れちゃったかな坊や?」
相変わらずの台詞が板についてございます。
クダリの呼び方に小首を傾げながら笑顔になる彼女。
足を組み直して座り直す様はどう見ても悪役でございます。
クダリとやや見つめあった後、ぷっと吹き出し、どこか懐かしそうな表情でクスクスと笑われました。
『地獄のかくかくねえさん』という物騒なあだ名は果たして誰が言い始めたのでしょうか。
当時バトル職員としてトレインに乗車していたかくかくは、その蠱惑的な台詞とトレーナーとしての確かな強さで一部の乗客から恐れられておりました。
かく言う我々も入社当時は彼女の愛ある地獄のような新人教育に若干の恐れを抱いていましたけれど。
(一部のお客様からはご褒美だと投書まで届いていましたね…)
「うーわー…その台詞久しぶりに聞いた。元気そうで嬉しい!」
「ええ。お久しぶりでございます」
ギアステーションの応接室。久しぶりに会うかくかくは4年前と変わらず、いえ変わりましたね。
昔よりも随分と雰囲気が柔らかくなりました。 女性らしいデザインのゆったりとした青いワンピースに白いカーディガンが良くお似合いです。
当時はバリバリのキャリアウーマン。といった装いで、私服もブラウスにタイトスカートなどのカチッとしたものに高めのハイヒールを履いて出勤していた印象がありますので、新鮮な感じがいたします。
今年で3歳になったというお子様は今日はベビーシッターにお預けになったとの事。
「連れてきたら良かったのに〜!ぼく達気にしないし会いたかったよ」
「私が気にするの。わざわざ業務中に時間作って貰ってるのに子連れで行けないわよ。それにうちの子すっごいおしゃべりだから話が全然できなくなっちゃう」
公私混同しないのは彼女らしいですね。真面目なところは全くお変わりありません。
代わりにとお子様の写真を見せて頂きましたが思わず和んでしまうくらい可愛らしく成長されておりました。ブラボーでございます。
「それで話なんだけど」
「うん。ノボリからも聞いたけどギアステーションに復職したいんだって?」
「電話を頂きまして大変嬉しく思いました。わたくし共としては大賛成でございます」
「実は来月から中途採用で何人か募集かけようと思ってたとこ。ぼくたちすっごくラッキー」
「経験者の方が何かと都合がよろしいですしね」
産休に入る女性職員や、どうしても実家を継がなければならなくなった職員などなど、今期は長期休暇と退職を願う人数が例年に比べ多かったのでございます。
「こちらこそ本当にありがとう。ああ〜これで助かる〜…!」
「助かるのはわたくし達の方でございます」
「かくかくの勤務歴の長さを考えたらほぼ顔パスみたいなもんだけど、一応人事部と面接はしてもらうね。あと中途採用試験は2ヶ月後だから。筆記テスト、手強いよ〜」
「了解ボス。ギアステ名物、バトル面接か。私が試験される側になる日がくるとは…」
「お手柔らかにやってくださいまし」
「それ私の台詞じゃないかしら。バトルより筆記の方が自信ないわねえ・・・過去問買わなきゃ」
貴女が本気を出したら人事部の新人にトラウマを植え付けそうでございますから。
「今日お客さん少ないから全然ヘーキ。ぼくも久しぶりに『地獄のかくかくねえさん』に会いたかったから」
「まだその呼び方定着してんの?散々やめてって言ってたのに?お姉さんの言うこと、忘れちゃったかな坊や?」
相変わらずの台詞が板についてございます。
クダリの呼び方に小首を傾げながら笑顔になる彼女。
足を組み直して座り直す様はどう見ても悪役でございます。
クダリとやや見つめあった後、ぷっと吹き出し、どこか懐かしそうな表情でクスクスと笑われました。
『地獄のかくかくねえさん』という物騒なあだ名は果たして誰が言い始めたのでしょうか。
当時バトル職員としてトレインに乗車していたかくかくは、その蠱惑的な台詞とトレーナーとしての確かな強さで一部の乗客から恐れられておりました。
かく言う我々も入社当時は彼女の愛ある地獄のような新人教育に若干の恐れを抱いていましたけれど。
(一部のお客様からはご褒美だと投書まで届いていましたね…)
「うーわー…その台詞久しぶりに聞いた。元気そうで嬉しい!」
「ええ。お久しぶりでございます」
ギアステーションの応接室。久しぶりに会うかくかくは4年前と変わらず、いえ変わりましたね。
昔よりも随分と雰囲気が柔らかくなりました。 女性らしいデザインのゆったりとした青いワンピースに白いカーディガンが良くお似合いです。
当時はバリバリのキャリアウーマン。といった装いで、私服もブラウスにタイトスカートなどのカチッとしたものに高めのハイヒールを履いて出勤していた印象がありますので、新鮮な感じがいたします。
今年で3歳になったというお子様は今日はベビーシッターにお預けになったとの事。
「連れてきたら良かったのに〜!ぼく達気にしないし会いたかったよ」
「私が気にするの。わざわざ業務中に時間作って貰ってるのに子連れで行けないわよ。それにうちの子すっごいおしゃべりだから話が全然できなくなっちゃう」
公私混同しないのは彼女らしいですね。真面目なところは全くお変わりありません。
代わりにとお子様の写真を見せて頂きましたが思わず和んでしまうくらい可愛らしく成長されておりました。ブラボーでございます。
「それで話なんだけど」
「うん。ノボリからも聞いたけどギアステーションに復職したいんだって?」
「電話を頂きまして大変嬉しく思いました。わたくし共としては大賛成でございます」
「実は来月から中途採用で何人か募集かけようと思ってたとこ。ぼくたちすっごくラッキー」
「経験者の方が何かと都合がよろしいですしね」
産休に入る女性職員や、どうしても実家を継がなければならなくなった職員などなど、今期は長期休暇と退職を願う人数が例年に比べ多かったのでございます。
「こちらこそ本当にありがとう。ああ〜これで助かる〜…!」
「助かるのはわたくし達の方でございます」
「かくかくの勤務歴の長さを考えたらほぼ顔パスみたいなもんだけど、一応人事部と面接はしてもらうね。あと中途採用試験は2ヶ月後だから。筆記テスト、手強いよ〜」
「了解ボス。ギアステ名物、バトル面接か。私が試験される側になる日がくるとは…」
「お手柔らかにやってくださいまし」
「それ私の台詞じゃないかしら。バトルより筆記の方が自信ないわねえ・・・過去問買わなきゃ」
一頭地を抜く
貴女が本気を出したら人事部の新人にトラウマを植え付けそうでございますから。