序章〜子供時代編
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「ごめんくださーい」
「あらかくかくちゃんのお母さんいらっしゃい。どうしたんです?」
もう日が沈みそうな午後6時半。ヒコザルと夕食を掻っ込んでいたら、かくかくの母ちゃんが家にやってきた。
どうしたんだろうと、ヒコザルと顔を見合わせ玄関の方へと顔を出すと、俺の母ちゃんが眉を八の字にして俺の方を見た。
「ねえオーバ。アンタ今日放課後ってかくかくちゃんと一緒に遊んでた?」
「ううん。遊んでないけど。…かくかくどうかしたの?」
「ごめんねオーバくん急にお邪魔して。うちのかくかくがまだ家に帰って来てなくて…。てっきりオーバくんの家で遊んでるのかと思って迎えに来たんだけど…」
そう、心配そうに話すかくかくの母親。
かくかくはどんなに遅くても6時には必ず家に帰ってくるのだ、と話すその様子に、俺の母ちゃんも「デンジくんの家に連絡してみるわね」と急いで奥へと引っ込んで行った。
「どこかで寄り道してるだけだったら、いいんだけど」
「…今日、俺かくかくとデンジと一緒に帰ろうと思ったんだけど、隣の教室行ったらさ、女子と話しててさ」
「うん」
「かくかく、そいつに勉強教えてやってたんだ。だから邪魔すんのも悪いなって思って俺たち先に帰ったんだ」
「そう…。ねえ、その女の子って名前わかるかしら?」
「ええと…」
--------------------
「…ここどこだろ」
木々のガサガサと擦れる音に警戒しながら、私は辺りをキョロキョロ見回していた。
うっすらと暗くなってきた空。ヒンヤリとした空気が私の体を包み込む。
まだ辺りは見える。見えるけれど見えなくなるのも時間の問題。という感じ。
「やばーい…私の馬鹿ぁ…」
半分泣きそうな心持ちで森の中を歩く。でも野生のポケモンが怖いので進みは遅い。
御察しの通り、はい。森の中で迷子です。
何とか大きな道路に出ようと頑張って歩いているのだけれど、コンパスもなければ地図もないため、自分が今どこにいるのかわからない。
太陽の位置でなんとか分かるかとも思ったけれど、木々に阻まれて肝心の太陽がどこにあるのかもさっぱり。
私って本当に馬鹿。
野生のヘラクロスから逃げ出した私たち。途中少しだけ頑張ってみたけど、あのヘラクロス、ちょっとレベル高かったね。
ガキ大将と一緒に頑張ればいけるかな〜?とか思ったんだけど、デカいし怖いし早いし強かった。ほのおタイプやひこうタイプのポケモンがいたらまた違ったのかもしれないけれど。
途中、ガキ大将の一人(虫取り少年の方)が捕まえようとモンスターボールを果敢に投げていたが、あの大きなツノで『バチーン!!』って跳ね返されていたのが非常に印象的だった。
あの子、よくあの状況でボール投げようと思ったな。怖いものなしかよ。
私たちが逃げ出した後は、追撃への興味を無くしたのか、またご飯に戻っていったので事なきを得たけれど、しばらくはヘラクロス…というより大きいむしポケモンがトラウマになりそうだ。
前の世界では個人的にむしポケモンって好きなタイプだったんだけど、実際のむしポケモンはやばい。
想像して見てほしい。大きさ150センチの虫だよ?しかもタイプ:むし・かくとう だよ?怖くない?
アニメでもあったじゃない?サトシくんが大量のスピアーに追いかけられるシーンが。
スピアーだって、あれ体長100センチくらいあるんだよ?しかも飛ぶし毒持ってるし。
もう、想像しただけで無理。恐ろしすぎる。無理無理無理。
「それにしても…疲れたな…。どうやって帰ろう…」
あの子たちも、無事にナギサに戻れたかなあ…。
ヘラクロスから逃げた後、運悪く私たちはまた別の野生のポケモンに出会ってしまい、慌てて逃げたらはぐれたのだ。
私の足の裏に甘い蜜(?)がくっ付いていたのも原因の一つだったようだ。
途中止まって、ふくらはぎを揉みながらまた歩く。少しだけ水筒に残っていたおいしい水が心身に沁みた。
正直、他人の心配より自分の心配をした方がいいと思う。本当に心からそう思う。でも悲しいかな、私は自分でも思ってたよりお人好しだったらしい。
あのガキ大将に、持っていたきずぐすりを分けてあげたのでルリリに使える薬はもうない。危険なフラグ。
二人からは意外と素直にお礼を言われたので、本当は悪い子達ではない…と思いたい。
ちょっと粗暴なだけで、友達との距離感を測りかねてるだけだよね?そうだよね?
これを機に理不尽な攻撃を止めて頂けたらいいんだけど…なんて思うのも、お人好しだろうか。
ただし次のバトルでは絶対に勝つ。絶対にだ。
「…あれ?…あの光、なんだろ」
静かになけなしの闘争心を燃やしていた時、木々の奥から光が見えた。
空中に、ふらり、ふらりと右へ左へ。
ちょっと、寒気がした。
「ゴ、ゴーストタイプだったら、嫌だな…」
実際ポケモンよりも本当の幽霊の方がもっと嫌だが。
森で「出る」なんていう噂は聞いたことはないが、出ても不思議ではないぐらいに暗くなってきたために恐怖心が掻き立てられる。
この世界では、まだ昼にしか出歩いた事がない。夜になろうという時間帯に一人で外にいるのはこれが始めてだ。
いつか私もその時が来たら、トレーナーとして旅立つ日が来るんだろう。
そうしたら、こんな昼と夜との境目の時間に森を歩くなんていう日も、また来るかもしれない。
(予行練習よ…!予行練習…!でもちょっと、こわい〜〜!!!)
そんな事を思いながらも、おっかなびっくり足を進める。
何故だか、『こっちに来い』と言われているような。そんな気がして。
ポケットに入れていたルリリのボールをキュッと握りしめて、私は光へと向かって歩き出した。
(まあ、うちのルーちゃん『フラッシュ』覚えないけど)
「あらかくかくちゃんのお母さんいらっしゃい。どうしたんです?」
もう日が沈みそうな午後6時半。ヒコザルと夕食を掻っ込んでいたら、かくかくの母ちゃんが家にやってきた。
どうしたんだろうと、ヒコザルと顔を見合わせ玄関の方へと顔を出すと、俺の母ちゃんが眉を八の字にして俺の方を見た。
「ねえオーバ。アンタ今日放課後ってかくかくちゃんと一緒に遊んでた?」
「ううん。遊んでないけど。…かくかくどうかしたの?」
「ごめんねオーバくん急にお邪魔して。うちのかくかくがまだ家に帰って来てなくて…。てっきりオーバくんの家で遊んでるのかと思って迎えに来たんだけど…」
そう、心配そうに話すかくかくの母親。
かくかくはどんなに遅くても6時には必ず家に帰ってくるのだ、と話すその様子に、俺の母ちゃんも「デンジくんの家に連絡してみるわね」と急いで奥へと引っ込んで行った。
「どこかで寄り道してるだけだったら、いいんだけど」
「…今日、俺かくかくとデンジと一緒に帰ろうと思ったんだけど、隣の教室行ったらさ、女子と話しててさ」
「うん」
「かくかく、そいつに勉強教えてやってたんだ。だから邪魔すんのも悪いなって思って俺たち先に帰ったんだ」
「そう…。ねえ、その女の子って名前わかるかしら?」
「ええと…」
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「…ここどこだろ」
木々のガサガサと擦れる音に警戒しながら、私は辺りをキョロキョロ見回していた。
うっすらと暗くなってきた空。ヒンヤリとした空気が私の体を包み込む。
まだ辺りは見える。見えるけれど見えなくなるのも時間の問題。という感じ。
「やばーい…私の馬鹿ぁ…」
半分泣きそうな心持ちで森の中を歩く。でも野生のポケモンが怖いので進みは遅い。
御察しの通り、はい。森の中で迷子です。
何とか大きな道路に出ようと頑張って歩いているのだけれど、コンパスもなければ地図もないため、自分が今どこにいるのかわからない。
太陽の位置でなんとか分かるかとも思ったけれど、木々に阻まれて肝心の太陽がどこにあるのかもさっぱり。
私って本当に馬鹿。
野生のヘラクロスから逃げ出した私たち。途中少しだけ頑張ってみたけど、あのヘラクロス、ちょっとレベル高かったね。
ガキ大将と一緒に頑張ればいけるかな〜?とか思ったんだけど、デカいし怖いし早いし強かった。ほのおタイプやひこうタイプのポケモンがいたらまた違ったのかもしれないけれど。
途中、ガキ大将の一人(虫取り少年の方)が捕まえようとモンスターボールを果敢に投げていたが、あの大きなツノで『バチーン!!』って跳ね返されていたのが非常に印象的だった。
あの子、よくあの状況でボール投げようと思ったな。怖いものなしかよ。
私たちが逃げ出した後は、追撃への興味を無くしたのか、またご飯に戻っていったので事なきを得たけれど、しばらくはヘラクロス…というより大きいむしポケモンがトラウマになりそうだ。
前の世界では個人的にむしポケモンって好きなタイプだったんだけど、実際のむしポケモンはやばい。
想像して見てほしい。大きさ150センチの虫だよ?しかもタイプ:むし・かくとう だよ?怖くない?
アニメでもあったじゃない?サトシくんが大量のスピアーに追いかけられるシーンが。
スピアーだって、あれ体長100センチくらいあるんだよ?しかも飛ぶし毒持ってるし。
もう、想像しただけで無理。恐ろしすぎる。無理無理無理。
「それにしても…疲れたな…。どうやって帰ろう…」
あの子たちも、無事にナギサに戻れたかなあ…。
ヘラクロスから逃げた後、運悪く私たちはまた別の野生のポケモンに出会ってしまい、慌てて逃げたらはぐれたのだ。
私の足の裏に甘い蜜(?)がくっ付いていたのも原因の一つだったようだ。
途中止まって、ふくらはぎを揉みながらまた歩く。少しだけ水筒に残っていたおいしい水が心身に沁みた。
正直、他人の心配より自分の心配をした方がいいと思う。本当に心からそう思う。でも悲しいかな、私は自分でも思ってたよりお人好しだったらしい。
あのガキ大将に、持っていたきずぐすりを分けてあげたのでルリリに使える薬はもうない。危険なフラグ。
二人からは意外と素直にお礼を言われたので、本当は悪い子達ではない…と思いたい。
ちょっと粗暴なだけで、友達との距離感を測りかねてるだけだよね?そうだよね?
これを機に理不尽な攻撃を止めて頂けたらいいんだけど…なんて思うのも、お人好しだろうか。
ただし次のバトルでは絶対に勝つ。絶対にだ。
「…あれ?…あの光、なんだろ」
静かになけなしの闘争心を燃やしていた時、木々の奥から光が見えた。
空中に、ふらり、ふらりと右へ左へ。
ちょっと、寒気がした。
「ゴ、ゴーストタイプだったら、嫌だな…」
実際ポケモンよりも本当の幽霊の方がもっと嫌だが。
森で「出る」なんていう噂は聞いたことはないが、出ても不思議ではないぐらいに暗くなってきたために恐怖心が掻き立てられる。
この世界では、まだ昼にしか出歩いた事がない。夜になろうという時間帯に一人で外にいるのはこれが始めてだ。
いつか私もその時が来たら、トレーナーとして旅立つ日が来るんだろう。
そうしたら、こんな昼と夜との境目の時間に森を歩くなんていう日も、また来るかもしれない。
(予行練習よ…!予行練習…!でもちょっと、こわい〜〜!!!)
そんな事を思いながらも、おっかなびっくり足を進める。
何故だか、『こっちに来い』と言われているような。そんな気がして。
ポケットに入れていたルリリのボールをキュッと握りしめて、私は光へと向かって歩き出した。
わざマシン70がほしい
(まあ、うちのルーちゃん『フラッシュ』覚えないけど)