序章〜子供時代編
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「ねえかくかくちゃん、さっきのよくわかんなくて…おしえてくれるとうれしいんだけど…」
「いいよ!どこ?」
「えっと…」
最後の授業が終わり、下校時刻となった午後4時半。
隣の席に座っている女の子から声をかけられた。
ポケモンの授業内容で、理解できなかった部分があったらしいその子は、ノートを広げて私に「ここ」と指をさす。
この世界では、ポケモンの基礎知識を学ぶ時間が授業として多少なりとも割り当てられている。元の世界でいう、総合学習に近い気がする。
先生が持っているパートナーポケモンに実際に触れたり、すでにパートナーポケモンを持っている子はお互いに持っているポケモンの良い所を言い合ったり…まあ低学年なので、そんな感じだ。
そういった授業に加えて、もっとポケモンの勉強をしたい子は小さな頃からトレーナーズスクールに通ったりしている。
もちろん通ってなくてもポケモンに詳しかったりバトルが強い子はいる。
そういえば、先生のパートナーポケモンに触れる趣旨の授業は凄かった。
うちの担任は、大きなポケモンが大好きらしく、いきなり校庭でハガネール出してきたのでさすがに私も直立不動になった。
ハガネール、本物見るとめちゃくちゃに怖い。9メートルもある金属の巨塊が動くあたりで身の恐怖を感じる。大きい!長い!重い!の三拍子。
尻尾に当たったら子供なんてペチャンコになりそうなぐらい大きい。ビックリして泣き出す子いたし。
しかし、ガチの手持ちを持って来ないで欲しい。そこはもうちょっと、ピッピとか、大きくてもせめてラプラスとか…見た目ソフトなポケモンを出してきて欲しかった。
男の子とか、特にガキ大将達は大興奮だったけど。
「…って、あ!」
「どうしたのかくかくちゃん?」
気がついたらガキ大将達が教室にいなかった。
いつの間にか帰ってしまっていたらしい。うーわー。今日こそ戦いたいと思ってたのになあ。
授業が終わるのを待ちわびていたので、ちょっとガッカリだ。まあ、いつでもバトルしようと思えば、できるからいいのだけど。
そんな事を話したら、クラスメイトは目を見開いた。
「かくかくちゃんすごいねえ…わたしだったら、こわくてむり…もし負けちゃったら変なこといわれそうだし…」
「だって、負けっぱなし悔しいもの!」
「かくかくちゃんならきっとかてるよ!がんばって!…そういえばあいつら、もりにポケモン見つけに行くっておひるやすみにコソコソ話ししてたよ」
「森?…森ってもしかして222番道路の方?」
「うーん。たぶん」
222番道路はナギサシティとリッシ湖を繋ぐ道で、海の反対側。森や丘が広がり、野生ポケモンがたくさん住んでいる。
ナギサシティ付近に生息するポケモンは神経質なポケモンが多いためか、パートナーポケモンを持っていても一定の年齢にならない限りは子供だけで出歩かないように、とは両親や学校から言われている。
もちろん『修行だ!』と内緒で出歩いている子も中には、いる。…オーバとかデンジとか。
オーバとデンジは優しいし強いし根も素直ないい子達なんだけど、そう言うところ結構やんちゃなんだよね…。男の子らしいといえば、らしいんだけど。
『かくかくも行こうぜ!』と夏休みの間もしょっちゅう引っ張り回されていたせいか、野生のポケモンとバトルするのは少しだけ得意になった。
(森か…まあ、あのガキ大将達もなんだかんだで私よりトレーナーとして先輩な訳だし、大丈夫だと思うけど)
でも何となく胸騒ぎがした。
夕方になった残暑の太陽は少し陰りを見せているが、時間的にもまだ問題ないだろう。
(杞憂だったら帰ればいいのよ。ちょっと見に行くだけ、見に行くだけなら大丈夫)
私はクラスメイトに礼を言って、家とは反対の方向へ駆け出した。
「いいよ!どこ?」
「えっと…」
最後の授業が終わり、下校時刻となった午後4時半。
隣の席に座っている女の子から声をかけられた。
ポケモンの授業内容で、理解できなかった部分があったらしいその子は、ノートを広げて私に「ここ」と指をさす。
この世界では、ポケモンの基礎知識を学ぶ時間が授業として多少なりとも割り当てられている。元の世界でいう、総合学習に近い気がする。
先生が持っているパートナーポケモンに実際に触れたり、すでにパートナーポケモンを持っている子はお互いに持っているポケモンの良い所を言い合ったり…まあ低学年なので、そんな感じだ。
そういった授業に加えて、もっとポケモンの勉強をしたい子は小さな頃からトレーナーズスクールに通ったりしている。
もちろん通ってなくてもポケモンに詳しかったりバトルが強い子はいる。
そういえば、先生のパートナーポケモンに触れる趣旨の授業は凄かった。
うちの担任は、大きなポケモンが大好きらしく、いきなり校庭でハガネール出してきたのでさすがに私も直立不動になった。
ハガネール、本物見るとめちゃくちゃに怖い。9メートルもある金属の巨塊が動くあたりで身の恐怖を感じる。大きい!長い!重い!の三拍子。
尻尾に当たったら子供なんてペチャンコになりそうなぐらい大きい。ビックリして泣き出す子いたし。
しかし、ガチの手持ちを持って来ないで欲しい。そこはもうちょっと、ピッピとか、大きくてもせめてラプラスとか…見た目ソフトなポケモンを出してきて欲しかった。
男の子とか、特にガキ大将達は大興奮だったけど。
「…って、あ!」
「どうしたのかくかくちゃん?」
気がついたらガキ大将達が教室にいなかった。
いつの間にか帰ってしまっていたらしい。うーわー。今日こそ戦いたいと思ってたのになあ。
授業が終わるのを待ちわびていたので、ちょっとガッカリだ。まあ、いつでもバトルしようと思えば、できるからいいのだけど。
そんな事を話したら、クラスメイトは目を見開いた。
「かくかくちゃんすごいねえ…わたしだったら、こわくてむり…もし負けちゃったら変なこといわれそうだし…」
「だって、負けっぱなし悔しいもの!」
「かくかくちゃんならきっとかてるよ!がんばって!…そういえばあいつら、もりにポケモン見つけに行くっておひるやすみにコソコソ話ししてたよ」
「森?…森ってもしかして222番道路の方?」
「うーん。たぶん」
222番道路はナギサシティとリッシ湖を繋ぐ道で、海の反対側。森や丘が広がり、野生ポケモンがたくさん住んでいる。
ナギサシティ付近に生息するポケモンは神経質なポケモンが多いためか、パートナーポケモンを持っていても一定の年齢にならない限りは子供だけで出歩かないように、とは両親や学校から言われている。
もちろん『修行だ!』と内緒で出歩いている子も中には、いる。…オーバとかデンジとか。
オーバとデンジは優しいし強いし根も素直ないい子達なんだけど、そう言うところ結構やんちゃなんだよね…。男の子らしいといえば、らしいんだけど。
『かくかくも行こうぜ!』と夏休みの間もしょっちゅう引っ張り回されていたせいか、野生のポケモンとバトルするのは少しだけ得意になった。
(森か…まあ、あのガキ大将達もなんだかんだで私よりトレーナーとして先輩な訳だし、大丈夫だと思うけど)
でも何となく胸騒ぎがした。
夕方になった残暑の太陽は少し陰りを見せているが、時間的にもまだ問題ないだろう。
(杞憂だったら帰ればいいのよ。ちょっと見に行くだけ、見に行くだけなら大丈夫)
私はクラスメイトに礼を言って、家とは反対の方向へ駆け出した。