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知識の話

いつからだっただろう。書家さんのことを目で追いかけ始めるようになったのは。




書家さんは、働き者だ。
俺が知っている限り、ほとんど動き回っている。「あ」の訓練を見ていたり、「う」の占いに振り回されたり、「ぁとぃ」のイタズラにひっかかったり。俺は知識量には、自信があるが、自分のこの行動は、知らない。
何が原因かと、考えてはいるのだが、さっぱり思いつかない。
なぜなのだろうか。
というか、書家さんの隣で本を読んでも、さっぱり頭に入ってこない。
これは、死活問題だ。
どうにかしなければ。

さて、どうするべきか。
本に書いていないことを知るためには、
人に聞いてみるのが、いい...はず。
しかし、「あ」や「ぁとぃ」達が知っている気がせん。
そう思いながら村を散歩していたが、妙案が浮かぶはずもなく、うっかり村人に当たってしまった。
「おっと、すまん。考え事をしていた。」
「なんだ、なんだ、記録屋が?珍しいこともあるもんだなぁ!どんな、考え事だ?力になるかは、知らねえが、聴いてやるよ!」
「実は...」

「なんだって!?記録屋、そんなこともわからねぇのか?恋だよ。恋。はー!若いねぇ!」


いや、意味は知っているが...。
そうか、これが恋。なのか。
初めて知ったぞ。
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