「貞治…」

「副部長〜！　柳さんの元カノ発作が〜！」

「またか、２週間前にも起こっただろう！」

「去年は一度しか起きなかったのにな」

「このまま発作が続くと全国大会に支障が出ますよ」

「真田、ファイト一発決めてやるぜよ」

「うむ」

「何でこの人達部員殴るの躊躇わねーんだろ」


「落ち着いたか？」

「あぁ…すまない弦一郎」

「柳、全国大会優勝と元カノならどっちが大事か今すぐ決めたらどうじゃ」

「なっ…！」

「む？」

「どうしたんスか副部長」

「去年同じ質問をされた時は全国大会優勝だと即答したのだが…」

「元カノ病悪化してるじゃないっスか！」

「全国大会優勝は当然…この三年間で三連覇を成し遂げると誓い合った…！」

「そうですよ柳くん！」

「良いぞ、その調子だ！」

「だが貞治…あの日何も言わずに別れた貞治…今は青学に入学したという貞治…！　一日たりともお前の事を考えない日は無かったこの三年と三ヶ月と二日！」

「悪化してるだろい」

「どうする真田、もう一発いったら治るかの」

「治るのか、これ…？」

「今度は左から行ってみるか」

「往復ビンタはどうでしょう」

「副部長に往復ビンタされたら柳さんのほっぺたフグみたいになっちゃいますよ！
待ってください、俺に一回やらせてください！」

「何か策があるのか？」

「見ててくださいって！　柳さん！」

「貞治…」

「柳さん！　全国大会二連覇して新聞とか雑誌に載ったら、絶対元カノが買って読んでくれますよ！」

「貞治が！？」

「テレビで紹介されたら絶対録画するし！」

「貞治…！」

「元カノ選んだら全国優勝は取れないけど、全国優勝を選んだら元カノも取れるんですよ！」

「赤也…！　皆すまなかった、大切な時期だと言うのに腑抜けた姿を…」

「気にすんなって！」

「真田の往復ビンタはまたの機会のお楽しみぜよ」

「何でそんな楽しみにしてるんスか！」

「やっとお前らしい目つきになったな、蓮二」

「えっ、目開いてます？」

「今年も常勝立海大の力を全国に…そして貞治に知らしめてやろう！」

「全国より元カノの方が上なんスね　ヤベー、マジで元カノの事気になってきたわ」