君と夏休み
前回のあらすじ
腕相撲で負けた海堂は桃城(と一年生達)とプールに行く事になったぞ!
自分達は年長者だから遊ぶのと見張るの交代でやろうなと言われ頷くも、プールに着いた瞬間一年生と一緒にはしゃぐ桃城を見て「あいつにお守り役は無理だ」と察した海堂は、妖精たちと夏をしたくなる暑い欲望はトルネードスネイクなんて言ってられない状況にため息をつきたくなった!
見張り番の海堂は浅いプールで遊ぶ桃城と一年生達を近くの休憩スペースから見ていた その隣でジュースを飲んでいた越前がチラリと海堂を見上げる
「…海堂先輩」
「…何だ」
「何でそんなに桃先輩の事睨んでるんスか」
「睨んでねぇ」
「言いたい事あるなら言ってきたら」
「何もねぇ」
「ふーん…素直に似合ってるって言ってきたら良いのに」
越前は海堂が言葉にできないもどかしさから目つきが悪いと考えていたが、実際は少し違う
確かに水色のホルターネックと白いショートパンツの水着は似合ってないと思ってるわけじゃない ただ、テニスで鍛えた体と重量感のある胸元を惜しげもなく晒すのはどうかと海堂は思っていた 加えて顔も悪くなく、チラチラ見ながら通り過ぎる男を何人も目撃している
見るだけならまだ良い 桃城狙いか越前の知り合いの一年生の女子二人狙いかは分からないが声を掛けようと近付いてきた男も何人かいて、辿り着く前に全員睨んで追い返していた 今ここで追い返さないと桃城に声を掛けた男がぶん殴られて病院送りにされるかもしれないからだと海堂は誰に向けてか分からない言い訳をする
「越前、海堂! 休憩してないでウォータースライダー行くぞー!」
「見てるからお前らだけで行ってろ」
「あれ二人組で滑れるヤツなんだよ、ペア組むなら一年生同士の方が良いだろ」
桃城が指差すウォータースライダーを見ると、待っている列はかなり長い 回転は早いらしくスムーズに進んではいるが、滑り終えて戻ってくるまでには時間が掛かるはずだ ここで見ているより近くに居た方が何かあった時にすぐ桃城を止められるだろうと海堂は立ち上がり、越前を連れて列に並んだ
幸い前後に絡んでくるような人は居なかった為、何事も無く頂上まで辿り着いた…のだが
「それじゃあ二人でこの浮き輪に乗ってくださいね! 乗ったらこの取っ手を離さないで最後まで滑ってください!」
グループという事でまとめて説明を受けたが、海堂だけは説明に集中できなかった スタッフに渡された浮き輪に二人で乗ると距離が近くなる 弟やテニス部の誰かと乗るなら全く気にしないが、桃城と一緒に乗るのだけはかなり気が引けた
「海堂、前と後ろならどっちが良い?」
全く気にした様子もなく桃城が見上げてくる それもそうだ、何度か密着した事はあるが海堂は動揺してるのに桃城はケロリとしていた
前に乗れば桃城に密着され、後ろに乗れば自分が桃城に密着する 悩んだが自分が触るよりはまだ触られた方がマシかもしれない 後ろに乗れと言おうと横を向いて、止まった
後ろは危険だ、背中に当たる可能性がある
一年生達が全員滑り終えるまで考えた末に、海堂はポツリと「前に乗れ」と告げた
腕相撲で負けた海堂は桃城(と一年生達)とプールに行く事になったぞ!
自分達は年長者だから遊ぶのと見張るの交代でやろうなと言われ頷くも、プールに着いた瞬間一年生と一緒にはしゃぐ桃城を見て「あいつにお守り役は無理だ」と察した海堂は、妖精たちと夏をしたくなる暑い欲望はトルネードスネイクなんて言ってられない状況にため息をつきたくなった!
見張り番の海堂は浅いプールで遊ぶ桃城と一年生達を近くの休憩スペースから見ていた その隣でジュースを飲んでいた越前がチラリと海堂を見上げる
「…海堂先輩」
「…何だ」
「何でそんなに桃先輩の事睨んでるんスか」
「睨んでねぇ」
「言いたい事あるなら言ってきたら」
「何もねぇ」
「ふーん…素直に似合ってるって言ってきたら良いのに」
越前は海堂が言葉にできないもどかしさから目つきが悪いと考えていたが、実際は少し違う
確かに水色のホルターネックと白いショートパンツの水着は似合ってないと思ってるわけじゃない ただ、テニスで鍛えた体と重量感のある胸元を惜しげもなく晒すのはどうかと海堂は思っていた 加えて顔も悪くなく、チラチラ見ながら通り過ぎる男を何人も目撃している
見るだけならまだ良い 桃城狙いか越前の知り合いの一年生の女子二人狙いかは分からないが声を掛けようと近付いてきた男も何人かいて、辿り着く前に全員睨んで追い返していた 今ここで追い返さないと桃城に声を掛けた男がぶん殴られて病院送りにされるかもしれないからだと海堂は誰に向けてか分からない言い訳をする
「越前、海堂! 休憩してないでウォータースライダー行くぞー!」
「見てるからお前らだけで行ってろ」
「あれ二人組で滑れるヤツなんだよ、ペア組むなら一年生同士の方が良いだろ」
桃城が指差すウォータースライダーを見ると、待っている列はかなり長い 回転は早いらしくスムーズに進んではいるが、滑り終えて戻ってくるまでには時間が掛かるはずだ ここで見ているより近くに居た方が何かあった時にすぐ桃城を止められるだろうと海堂は立ち上がり、越前を連れて列に並んだ
幸い前後に絡んでくるような人は居なかった為、何事も無く頂上まで辿り着いた…のだが
「それじゃあ二人でこの浮き輪に乗ってくださいね! 乗ったらこの取っ手を離さないで最後まで滑ってください!」
グループという事でまとめて説明を受けたが、海堂だけは説明に集中できなかった スタッフに渡された浮き輪に二人で乗ると距離が近くなる 弟やテニス部の誰かと乗るなら全く気にしないが、桃城と一緒に乗るのだけはかなり気が引けた
「海堂、前と後ろならどっちが良い?」
全く気にした様子もなく桃城が見上げてくる それもそうだ、何度か密着した事はあるが海堂は動揺してるのに桃城はケロリとしていた
前に乗れば桃城に密着され、後ろに乗れば自分が桃城に密着する 悩んだが自分が触るよりはまだ触られた方がマシかもしれない 後ろに乗れと言おうと横を向いて、止まった
後ろは危険だ、背中に当たる可能性がある
一年生達が全員滑り終えるまで考えた末に、海堂はポツリと「前に乗れ」と告げた