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夏の隣のお隣さん

『ゲリラ豪雨』

最近雨続きで全然洗濯ができなかったけどようやく晴れた 一人暮らしとはいえ連日の雨で溜まってしまった洗濯物は小さい洗濯機を二回回してもちょっと余った
布団を干し、ベランダいっぱいに洗濯物を干し、気分もスッキリする やっぱり青い空と眩しい太陽は気持ちが良い …キラキラしててお姉さんみたいだなぁ…

「あ、こんちはー!」

「ここここんにちは!!」

お姉さんがベランダに出てきて心臓が止まるかと思った 寝癖ついてないかな、顔テカテカじゃないかな、良かったパン1で出てこなくて…
俺が安心してると、お姉さんは空を見てから干してた布団を取り込んだ

「もう十分くらいしたら雨降るんで、布団はしまってた方が良いですよ」

「え、雨降るんですか?」

俺も空を見るけど、スッキリ晴れてるように見える でもお姉さんが冗談を言ってるようには見えないし、最近はゲリラ豪雨も多い きっと天気予報の速報でも見て教えてくれたんだろう
お姉さんにお礼を言って、布団と洗濯物を取り込む
洗濯物はまだ半乾きだったけど、雨が上がってからまた干せば良いかな …それにしても雨が降りそうって予報をお姉さんはどこで見たんだろう、十分後くらいに降りそうなのが分かったらすごく助かるのに

そう思ってたら、隣の部屋のドアが開く音が聞こえてきた お姉さんかな、これから雨なのに出かけるのかな でも降るって分かってるなら傘持って行けば良いのか

乾いた洗濯物をたたんでると、急にポツポツと雨の音がしてきた…と思ってたらあっという間に土砂降りになった 布団干してたら、と思うとゾッとする
お姉さんのおかげで助かったなぁ、今度会ったらまたお礼しよう …あ、お姉さんと話せる口実できたじゃん! やった! 次いつ会えるか分からないけど!

ルンルン気分でたたみ終えたけど、何か足りない気がする 乾き待ちの列を見てもやっぱり足りない…何だろう、それにしても強い雨だなぁ…あ
あ!! Tシャツ1枚残ってる!!
急いで網戸を開ける 勢いが強い雨はベランダの床をスリッパごと濡らしてた ああ…Tシャツが半分濡れてる…でも半分で良かった…
回収して部屋に戻ろうとすると、アパートの前の道をビニール傘が通る こんなに強いと傘をさしても濡れて大変だろうなって思ってたら、よく見ると傘の下に居るのはお姉さんとお兄さんだった 買い物袋を持って、一本の傘に二人で入ってる

…だからお姉さんは天気を気にしてたのかな

納得した俺は回収したTシャツと一緒に部屋に戻る でもお姉さんがどこの天気予報を見て雨を知ったのかは分からないままだった
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