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大変な事

桃城から激しく求められた海堂はそれはもう張り切った。普段は桃城の体に負担が掛からないようにセーブしていた欲を解禁し愛のままにわがままに抱いた結果、まだまだこれからと言うところで桃城が休憩したいと泣きながら訴えた。
 もっと愛されたいと体は強請っているのに、同時にいつもより早いペースで攻められ疲れている。そのどうしようもないもどかしさが苦しくて、そして海堂が全く疲労を見せずにケロリとしているのが悔しくて、桃城はぐずりだす。流石に強い快楽のせいではなく本気で泣き出した相手に興奮する趣味はない海堂はどうにか桃城を宥め、水を持ってくるから少し休んでろとベッドから降りた。

 ついでにいろいろな体液でぐちゃぐちゃに濡れた体を拭いてやろうと、簡単に身支度をして外の給湯スペースへ向かった。水よりもお湯の方が良いだろうと考えている最中、隣の部屋から悲鳴が聞こえてくる。

「副部長、ッひぃ、も…もぉ無理っスよぉ…!!」

「この程度で音を上げてどうする!!!! 気合いを入れんかぁ!!!!」

「ぎええええっ♡♡♡」

 ぐっちょんぐっちょんと激しい音が聞こえてくる。切原の奴意外と保ってるな、と感心した海堂はそのまま廊下を歩き、給湯スペースの流しでタオルをお湯に浸す。
 自分達の声も、というか桃城の声も外に漏れていたと思うと羞恥よりも聞いた相手は絶対に許さんという怒りがこみ上げてくる。幸い隔離されたのは合宿所の中でも端の方の部屋、そして選手達は近付くなと指示が出ている筈だから誰も聞いていないだろう。
 タオルが冷めない内に部屋に戻り、ドアを開けようとする。切原の悲鳴のおかげで二つ隣の柳と乾の声は聞こえてこない。他校ならともかく同じ学校の、それも一番世話になっている乾が喘ぐ声は絶対に聞きたくない…と思っていたら、悲鳴の合間から角度がどうだとか俺の計算ではこうだとか情事の最中とは思えないやり取りが微かに聞こえてきた。露骨な嬌声は勿論だがこれはこれで何か嫌だと思った海堂はさっさと部屋に入って鍵をかけた。

「桃城、起きてるか」

 涙で濡れた顔から拭い、胸や腹も綺麗にしていく。桃城の緊張がほぐれ一息ついたところでタオルを近くの棚の上に置き、海堂はジャージを脱ぐ。綺麗にたためる程の余裕はなく、軽くまとめて半ば投げ捨てるようにベッドの端に置いた。
 休憩をしたいとは言われたがやめろとは言われてない。
 自分はまだ愛し足りない。
 お前もそうだろうと視線を向けると、同意はすぐに返ってきた。
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