三千世界の蝮を殺し
翌日の昼休み。
跡部と日吉の引き継ぎに付き合っていた忍足は計画を行動に移す決意を固めた。
「…跡部」
「あーん? どうした忍足」
「今日の放課後、青学に乗り込むわ」
その突拍子もない宣言に跡部も日吉も目を見開いた。本気か、と跡部が問うと、忍足は頷く。
「…なるほど練習試合じゃねーの! 日吉、榊監督に頼みに行くぜ!」
「無理言わないでください、急すぎますよ。どうしたんですか忍足さん」
「海堂をしばかなあかんねん」
「本当にどうしたんですか忍足さん!?」
忍足の口から出てきた物騒な言葉に、日吉は頭でも打ったのかと心配する。
「昨夜桃城からママになったって電話来てな…」
「はぁ、桃城から…ママ!? 桃城が!?」
それはこの人も怒るなと納得する。二度目の試合で見せたただならぬ想いがどういう経緯で変わったのかは知らないが、忍足が桃城を可愛がっているのは知っていた。可愛い後輩なんてレベルでは済まない、最愛と言っても良いだろう。
そのデロデロに甘やかしている桃城からそんな事を言われたら相当ショックだったに違いない。
「で、何で海堂をしばくんだ?」
「きっと海堂が父親なんですよ、あの二人付き合ってるらしいんで」
「なるほど部内恋愛じゃねーの。何をそんなに怒ってんだ忍足、めでたい話じゃねーか」
「跡部も日吉からいきなりママになったなんて相談されたら嫌やろ」
「…そう言われると確かに複雑な気持ちになるぜ」
「俺男だからそんな相談しませんけど…桃城も男だな!?」
ようやく日吉が気付いた。
「忍足さん、多分ママになったって違う意味ですよ。確認してからしばいた方が良いんじゃないですか?」
「確認してホンマのママやったらどないすんねん」
「その時はしばきましょう」
しばく行為自体は肯定的だった。
「とにかく今から全員連れての練習試合はできないんで、行くなら二人で行ってくださいよ」
「お前は来ないのか?」
「行きませんよ、部長ですよ」
元部長は「俺なら行ってたぜ」と思った。
跡部と日吉の引き継ぎに付き合っていた忍足は計画を行動に移す決意を固めた。
「…跡部」
「あーん? どうした忍足」
「今日の放課後、青学に乗り込むわ」
その突拍子もない宣言に跡部も日吉も目を見開いた。本気か、と跡部が問うと、忍足は頷く。
「…なるほど練習試合じゃねーの! 日吉、榊監督に頼みに行くぜ!」
「無理言わないでください、急すぎますよ。どうしたんですか忍足さん」
「海堂をしばかなあかんねん」
「本当にどうしたんですか忍足さん!?」
忍足の口から出てきた物騒な言葉に、日吉は頭でも打ったのかと心配する。
「昨夜桃城からママになったって電話来てな…」
「はぁ、桃城から…ママ!? 桃城が!?」
それはこの人も怒るなと納得する。二度目の試合で見せたただならぬ想いがどういう経緯で変わったのかは知らないが、忍足が桃城を可愛がっているのは知っていた。可愛い後輩なんてレベルでは済まない、最愛と言っても良いだろう。
そのデロデロに甘やかしている桃城からそんな事を言われたら相当ショックだったに違いない。
「で、何で海堂をしばくんだ?」
「きっと海堂が父親なんですよ、あの二人付き合ってるらしいんで」
「なるほど部内恋愛じゃねーの。何をそんなに怒ってんだ忍足、めでたい話じゃねーか」
「跡部も日吉からいきなりママになったなんて相談されたら嫌やろ」
「…そう言われると確かに複雑な気持ちになるぜ」
「俺男だからそんな相談しませんけど…桃城も男だな!?」
ようやく日吉が気付いた。
「忍足さん、多分ママになったって違う意味ですよ。確認してからしばいた方が良いんじゃないですか?」
「確認してホンマのママやったらどないすんねん」
「その時はしばきましょう」
しばく行為自体は肯定的だった。
「とにかく今から全員連れての練習試合はできないんで、行くなら二人で行ってくださいよ」
「お前は来ないのか?」
「行きませんよ、部長ですよ」
元部長は「俺なら行ってたぜ」と思った。