このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

ツイログ71


 桃城の家に初めて泊まった海堂は、家によって食事の文化は大きく違うというのを初めて目の当たりにした。海堂の家では穏やかな食事の時間は、桃城の家では驚く程賑やかだった。

「海堂くん、遠慮しないでいっぱい食べてね!」

 まず最初に白米が山盛りの丼を渡され、思わず礼を言う声が萎む。続いてテーブルには肉が盛りに盛られた皿と、こちらも盛り盛りな煮物の皿が置かれた。
 そして家族も桃城同様によく食べてよく喋る。何というか、あぁ、桃城の家だな…と納得した。自分の家とは雰囲気が異なるが、不思議な心地良さがあった。

「お前全然食ってねーじゃん、遠慮すんなよ」

「いやそういうわけじゃ…美味いから味わって食ってるだけだ」

 よく噛んで味わって食べているというのもあるが、そもそも一分の間に何度もおかわりはいるかと聞かれても、そんなに早く丼は空にならない。その言葉に「あら〜〜〜!」と喜んだ桃城の母は、海堂の茶碗にズドンと白米を盛り付けた。


 後日、今度は桃城が海堂の家に泊まりに来た。
 桃城は自宅の時よりは多少遠慮はしているが、それでもやはりよく食べる。一口毎に美味いなぁと幸せそうに言う桃城を見た両親が「たくさん食べて偉い」と褒めるので、もしかして自分達は少食だと思われていたのかと海堂は葉末と顔を見合わせた。

「…僕もおかわりして良いですか」

「俺も…」

 兄弟揃って席を立つと、意地を張ってると思われたのか暖かい目で見られた気がした。

「いっぱい食べたら、兄さんや桃城さんみたいに大きくなれますか?」

「おう! たくさん食ってたくさん動けば、すぐ俺達みたいにデカくなるぜ!」

 葉末は期待に目を輝かせる。父も兄も身長が高いので自分もそうなる可能性は高いと思っていたが、桃城にハッキリと言われたおかげで自信がついた。兄の友人に倣っていつもより一口を大きくし、飲み込むとすぐに美味しいと作ってくれた母に伝える。
1/9ページ
スキ