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ツイログ72


『重い』海桃+越前

「…海堂、お前何か…沈んでねーか…?」

 何を言ってるんだと海堂は返すが、桃城を少し見上げていると気付いた。お互いプールの底に足を着けず、越前の浮き輪に捕まって浮いている状態だ。視線の高さは同じくらいになる筈なのに、桃城と違って水面は口元スレスレにある。

「力入ってると沈むからリラックスしろって乾先輩達が言ってたっスよ」

「別に力んでねぇぞ」

「力んでるっつーかさぁ…フツーに重いからじゃねーの?」

 バキバキの上半身を指さして桃城が告げる。越前もそれに続いて2mの肩幅を見て、それもそうだと納得した。
 すっかり慣れてしまったが海堂は説明不要のデカい肩幅とゴツゴツバキバキなボディ、闇オークションで受けを競り落とす平成の攻め及び令和アジアの攻めのような体型だ。つまり沈んでも仕方がない程デカくて重いのだ。

「海堂先輩、この浮き輪使って良いっスよ」

「駄目だ、底に足が着かねぇ奴から浮き輪を取り上げられるか」

「俺だって足くらい着くけど…それに筋肉で沈みそうな人の方が深刻じゃないスか」

「越前の言う通りだぞ、俺ビート板借りてくるからちょっと待ってろよ」

「借りてこなくて良い、そもそも俺は沈んでるだけで泳げないわけじゃねぇ」

「沈んでるのは『だけ』って言わないでしょ…」

 堂々としているがやはり沈んでいる海堂に、桃城は浮き輪から手を離してみろと提案する。何だいきなりと呟きながら行動に移した途端に海堂は水の中に消えた。

「やっぱ浮き輪必要じゃないスか」

「世話が焼ける肩幅だぜ…」

 ため息をつくと桃城も潜り、浮上しようとする海堂を引き留める。誰かに見られないように素早くキスをすると、目の前を大量の泡が通り過ぎていった。
 何もなかったかのように桃城が平然と浮上した後、勢いよく顔を出した海堂がげほげほと咳き込んだ。水中で何があったのか知らない越前は先輩が溺れたのだと思い、すぐに浮き輪を譲り渡す。

「肩幅デカすぎても良くないんスね」

「そりゃそーだよ、海堂見てたら大変な事ばっかりだろ?」

 今大変な事になってるのは誰のせいだと恨みがましい視線を向けられるのを無視し、浮き輪の穴にを海堂を通そうとする。当然肩幅に阻まれた浮き輪は弾かれ、堪えきれずに桃城と越前は吹き出した。
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