ツイログ72
『肩幅』海桃
今日の部活中の様子を書くのに集中している海堂は、桃城がつんつんと背中を指でつついても振り向こうとはしない。部長の仕事の邪魔をするのも悪いと思うが反応されないのもつまらないので、いたずらをする手を止めなかった。
肩の幅を測るように一定の間隔で指を置いてみる。やっと端まで辿り着くと、今度は指でなぞって厚さを確かめる。みちっと筋肉が詰まっている、ゴツゴツとした体。縦だけではなく横も厚みも成長し、系統としては河村に近い。桃城も筋トレはしているのに、やり方の違いか体質の差かこうはならない。
部長と副部長という立場上隣に並ぶ回数は多いが、最近は体格差を見せつけられるのでさりげなく一歩離れていた。パッと見て分かる程明らかに体格では海堂が勝っているのに、これで単純な力比べをしたら桃城が勝つのが不思議で仕方がない。
「良いなぁ」
桃城は呟くと、目の前の背中にもたれかかる。大きい背中だ。悔しいけれど羨ましい、そしてちょっとだけ周りに自慢したくなる。相手にされない内にだんだんただの壁のように思えてきて、少し素直な気持ちになってきた。
「…おい、そろそろ離れろ…」
海堂は振り返ると、言葉が途切れた。大きく息を吐いて心を落ち着かせる。
最近の桃城は心臓に悪い不意打ちをよくするようになった。以前はここまで素直にかわいらしい表情を見せなかった。こんな、好きだなぁと思っているような表情をしなかった気がする。おかげで海堂の心は乱されてばかりだ。
「…終わったから、もう離れろ」
改めて伝えると、お疲れさんと言って桃城はあっさりと離れる。あんな顔をしていたのに簡単に離れていく。それが何となく面白くなくて、海堂は桃城の腕を引き寄せて頬にキスをしてやった。
「…待たせてごめんのキス?」
「起きてるか確かめただけだ」
「そんなの見たら分かるだろ」
たしかに桃城の言う通り、見たら分かると海堂は思った。鏡を見せてやりたいくらいだ。こんなに好きだと顔に出されたら、したくなって当然だろう。
今日の部活中の様子を書くのに集中している海堂は、桃城がつんつんと背中を指でつついても振り向こうとはしない。部長の仕事の邪魔をするのも悪いと思うが反応されないのもつまらないので、いたずらをする手を止めなかった。
肩の幅を測るように一定の間隔で指を置いてみる。やっと端まで辿り着くと、今度は指でなぞって厚さを確かめる。みちっと筋肉が詰まっている、ゴツゴツとした体。縦だけではなく横も厚みも成長し、系統としては河村に近い。桃城も筋トレはしているのに、やり方の違いか体質の差かこうはならない。
部長と副部長という立場上隣に並ぶ回数は多いが、最近は体格差を見せつけられるのでさりげなく一歩離れていた。パッと見て分かる程明らかに体格では海堂が勝っているのに、これで単純な力比べをしたら桃城が勝つのが不思議で仕方がない。
「良いなぁ」
桃城は呟くと、目の前の背中にもたれかかる。大きい背中だ。悔しいけれど羨ましい、そしてちょっとだけ周りに自慢したくなる。相手にされない内にだんだんただの壁のように思えてきて、少し素直な気持ちになってきた。
「…おい、そろそろ離れろ…」
海堂は振り返ると、言葉が途切れた。大きく息を吐いて心を落ち着かせる。
最近の桃城は心臓に悪い不意打ちをよくするようになった。以前はここまで素直にかわいらしい表情を見せなかった。こんな、好きだなぁと思っているような表情をしなかった気がする。おかげで海堂の心は乱されてばかりだ。
「…終わったから、もう離れろ」
改めて伝えると、お疲れさんと言って桃城はあっさりと離れる。あんな顔をしていたのに簡単に離れていく。それが何となく面白くなくて、海堂は桃城の腕を引き寄せて頬にキスをしてやった。
「…待たせてごめんのキス?」
「起きてるか確かめただけだ」
「そんなの見たら分かるだろ」
たしかに桃城の言う通り、見たら分かると海堂は思った。鏡を見せてやりたいくらいだ。こんなに好きだと顔に出されたら、したくなって当然だろう。
