思春期100%
女子テニスの中学高校合同合宿の参加選手の一人に選ばれた桃城は、土産話をたくさん持って青学へ帰ってきた。普段以上にテニスに打ち込み心身共に成長した事、合宿で交流を深めた選手達について、身振り手振りを交えて熱心に伝える声に海堂は耳を傾ける。遠く離れた合宿所で彼女が何をして何を思ったか、しっかりと聞く。
男子にも負けないパワーを活かしたプレーを得意とする桃城は、全国でもトップクラスに入る強打力を見込まれて合宿に呼ばれた。そんな気合いとやる気に満ち溢れた彼女を初日に軽く打ち負かしたのが、高校生の鬼という選手だった。桃城の打球を苦にもせずそれ以上の威力で返すパワー、繊細なテクニック、そして強靭なメンタル…心技体揃った高校生に完敗して悔しかったと聞いて、海堂は一欠片も心配をしなかったと言えば嘘になる。
得意な分野で負ける悔しさがどれ程のものかは知っている。精神的なダメージが大きければしばらくの間調子を崩してもおかしくはない。だが桃城の顔を見れば、その敗北を乗り越え糧にしたのはすぐに分かった。合宿前と比べて雰囲気が少し変わったのはこれが理由だったのだろう。
「鬼先輩ってすげーかっこいいんだ! 姉御肌って言うのかな…めちゃくちゃ頼りになるし、面倒見も良くてあたし達中学生の練習にもたくさん付き合ってくれたし!」
コートの中だけでなく自由時間でも世話になったようで、例の先輩の名前は何度も出てきた。その声音だけで優しさと厳しさを兼ね備えた先輩を彼女がどれだけ慕っているか伝わってくる。ほんの少しだけ、モヤモヤしてしまう程に。
「かっこよかったなぁ〜…あたしもあんな人になりたいなぁ、なりたいぜ…」
「…努力すれば、なれるんじゃねぇか」
お世辞ではない。話を聞く限りプレースタイルも人柄も桃城とはかけ離れてないので、無茶な話ではないはずだ。今まで以上に練習に打ち込み、周囲への気配りを忘れなければ、彼女の憧れの存在はけして遠くないだろう。そう話せば、桃城は嬉しそうに笑う。
「それでさ、鬼先輩みたいな強くてかっこいい人になる為に、まずは格好から入ろうと思うんだ」
「髪型を変えるって事か?」
「それも良いけど、下着から始めてみようかなって」
「あぁ下着…下着!?」
予想外の発言に海堂はひっくり返りそうになる。
「かわいい系じゃなくてセクシーでクールな感じの黒いブラが欲しいんだよ!」
「そ、そんな見えねぇところより、もっと他にあるだろ!」
「甘いな海堂くん、いい女は見えない下着にこだわるんだって先輩が言ってたぞ! すごかったんだからな、鬼先輩のブラとパンツ!」
「男に下着の話をするな! それに先輩の下着を勝手に話すのも失礼だろ!」
「あっ、そーか…!」
先輩もそうだが自分の事ももう少し気にしてほしい。たとえ彼女が気にしなくても、海堂は気にする。
黒い下着を身に着けた桃城を想像してしまう。すごいって何だ、紐みたいなのか、それとも…と、考えてしまう。だが桃城を、半ば強引ではあるが一応は親友の彼女を、いやらしい目で見るなんて、そっちの方が失礼だ。
男子にも負けないパワーを活かしたプレーを得意とする桃城は、全国でもトップクラスに入る強打力を見込まれて合宿に呼ばれた。そんな気合いとやる気に満ち溢れた彼女を初日に軽く打ち負かしたのが、高校生の鬼という選手だった。桃城の打球を苦にもせずそれ以上の威力で返すパワー、繊細なテクニック、そして強靭なメンタル…心技体揃った高校生に完敗して悔しかったと聞いて、海堂は一欠片も心配をしなかったと言えば嘘になる。
得意な分野で負ける悔しさがどれ程のものかは知っている。精神的なダメージが大きければしばらくの間調子を崩してもおかしくはない。だが桃城の顔を見れば、その敗北を乗り越え糧にしたのはすぐに分かった。合宿前と比べて雰囲気が少し変わったのはこれが理由だったのだろう。
「鬼先輩ってすげーかっこいいんだ! 姉御肌って言うのかな…めちゃくちゃ頼りになるし、面倒見も良くてあたし達中学生の練習にもたくさん付き合ってくれたし!」
コートの中だけでなく自由時間でも世話になったようで、例の先輩の名前は何度も出てきた。その声音だけで優しさと厳しさを兼ね備えた先輩を彼女がどれだけ慕っているか伝わってくる。ほんの少しだけ、モヤモヤしてしまう程に。
「かっこよかったなぁ〜…あたしもあんな人になりたいなぁ、なりたいぜ…」
「…努力すれば、なれるんじゃねぇか」
お世辞ではない。話を聞く限りプレースタイルも人柄も桃城とはかけ離れてないので、無茶な話ではないはずだ。今まで以上に練習に打ち込み、周囲への気配りを忘れなければ、彼女の憧れの存在はけして遠くないだろう。そう話せば、桃城は嬉しそうに笑う。
「それでさ、鬼先輩みたいな強くてかっこいい人になる為に、まずは格好から入ろうと思うんだ」
「髪型を変えるって事か?」
「それも良いけど、下着から始めてみようかなって」
「あぁ下着…下着!?」
予想外の発言に海堂はひっくり返りそうになる。
「かわいい系じゃなくてセクシーでクールな感じの黒いブラが欲しいんだよ!」
「そ、そんな見えねぇところより、もっと他にあるだろ!」
「甘いな海堂くん、いい女は見えない下着にこだわるんだって先輩が言ってたぞ! すごかったんだからな、鬼先輩のブラとパンツ!」
「男に下着の話をするな! それに先輩の下着を勝手に話すのも失礼だろ!」
「あっ、そーか…!」
先輩もそうだが自分の事ももう少し気にしてほしい。たとえ彼女が気にしなくても、海堂は気にする。
黒い下着を身に着けた桃城を想像してしまう。すごいって何だ、紐みたいなのか、それとも…と、考えてしまう。だが桃城を、半ば強引ではあるが一応は親友の彼女を、いやらしい目で見るなんて、そっちの方が失礼だ。
