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絆創膏

数日我慢すれば良いかって、思ってたのに

部活が終わって、誰も居なくなった部室に俺と海堂が残る 薬を塗るのは今日で四回目だ
海堂の膝の上に背中を向けて座ってシャツをたくし上げると、後ろから絆創膏越しに乳首を撫でられた

「っ…!」

「まだ痛ぇか」

薬を塗る前に、必ず海堂はそう聞いてくる 頷いて肯定すると、そうかって言って、絆創膏の端を摘んで剥がす ゆっくり、優しく、慎重に剥がす

「ん、ぁ…」

空気に触れただけで、固くなってしまう 恥ずかしくて目をそらしてると、もう片方の絆創膏も剥がされた

やっぱり、おかしい 

薬を塗られるようになってから過敏になったし前よりピンクっぽくなったし…それからじんと痛むのが減った代わりに、むず痒く感じるようになった しかも塗られるたびにどんどん酷くなってる 痒くて、絆創膏を剥がして触りたくなる もしかしたら薬が合わないのかもしれない、全然治る気がしない

海堂、薬が合わないから良くならねーんだよ、もう止めようぜ そう言えば、海堂はきっと止めてくれる、これからはたくさん弄りたいのを我慢してくれる
もう薬も塗られない、痒くならない それで終わりだ

「塗るぞ」

軟膏が乗った指先が近付く
言わないと 痒くなるから嫌だって 薬が合わないって そうしないと、また

「あっ」

つんと立った先端に薬を付けられ、全体に塗り広げてくる むず痒さが消えて、じんじんした痛みが戻ってくる

「あぁ…や、ぁん…!」

痛みに声が漏れる

「痛いか」

「んン、ぃ…たい、からぁ…!」

体をよじると、海堂が頬にキスをしてくる そんな優しさより、今すぐ指を止めてほしいのに

「なぁ、海堂っ…ひ、もう、ぁ、もう…良いだろ!」

「もう少し我慢しろ」

力が入らない手で腕を掴んでも海堂は止めてくれない お前のもう少しっていつまでだよ、こんなとこまで粘り強くなくて良いんだよ
 
「早く、しろよぉ…!」

「ああ」

ぬるぬるした指が乳首を押しつぶして、ぐりぐり薬を塗り込んでくる 涙で視界が滲む 
痛い、バカ、スケベ、優しくしろ そう言いたいのに出てくるのは高い声だけ 
こんな、感じてるみたいな声しか

「っ、海堂…!」
 
急に怖くなって海堂を呼んだ瞬間、指が離れた 終わりだって言って、絆創膏を貼られる 先端に保護パッドが当たるだけでビクッとする また痒みに耐えなきゃいけなくなる 痒くて、触りたくて、触って欲しくなる

「桃城」

後ろから抱きしめられた 海堂って呼び返したら、腕の力が強くなる

「…早く治せ」

耳元に押し殺した声が吹き込まれる 熱い息が混じった声に、じん、と胸が痛んだ
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