思春期100%
洗濯ネットを開けてカゴの中に洗濯物を移す 二つ目のネットから自分のより一回り以上小さい服が出てきて、思わずビクッとする
昨晩初めて桃城が海堂の家に泊まった 結婚するまで手を出さないと付き合う時に伝えているから特に何をしたわけでもなく、ただ泊まっただけだ 周りの男からしたら小さな一歩だが海堂にとっては大きな一歩だ 目が覚めた時に隣に桃城が寝ているのに驚いてベッドから落ちそうになるくらいだった
起きるには少し早いが眠れそうもなく、洗濯機を回しながら静かに部屋を片付ける 一段落がついて休憩していると洗濯が終わり、ベランダに持っていこうとカゴに入れていたら冒頭の事態が起きた
本当に桃城が泊まったのかと改めて実感する 一人暮らしを始めてから誰かを泊めた事がなく、自分以外の物があるのが妙な気分だった ネットの中から丸みを帯びた物を出して、海堂は寝室に走った
「桃城…おい、桃城っ…!」
あまりに穏やかな寝顔に強く揺さぶって起こそうとするのを躊躇い、あまり大きい声を出さずに肩を揺する んん、と鼻にかかった声が漏れてギクリと肩が跳ねたが、もうすぐ起きそうだと再び肩を揺する
「…海堂?」
目は開いたが今にも夢の中に戻りそうだ 海堂は急いで用件を伝えようとするが、焦りすぎてうまく舌が回らない
「お前っ、昨日着てた服全部洗濯機に入れただろ!」
「うん…入れた…」
「寝るんじゃねぇ、起きろ、桃城…ッ!
し…下着の干し方なんか知らねぇぞ!」
「…下着?」
桃城の目が開いた隙に海堂は中を見ろと丸めたタオルを押し付ける 桃城がのろのろとタオルを開くと濡れた下着が入っていた
「あぁ…パンツは…テキトーに…ブラは…真ん中で、折って…ここ…」
指を動かして伝えていたが、途中で力尽きてぱたりと白いシーツの上に落ちる
「だから寝るんじゃねぇ! おい、桃城…!」
すやすやと寝入ってしまった桃城をもう一度起こす事もできず、海堂はため息をつく
タオルの上に乗っている青地に花柄の刺繍がされている上下セットの下着を睨み、充電器に繋いでいたスマホを回収した
「…次から自分で干せ」
「何が?」
朝食のパンをかじりながら桃城が首を傾げた 何も覚えていない桃城に海堂は早朝に何があったか教える
申し訳なさそうにごめんなと言われるとそれ以上文句を言う気にもなれず、今度から気をつけろとだけ返した
「でも今のうちに見慣れとけよ、いつか外すんだろ」
何気なく言われた言葉に海堂は飲んでいた牛乳を吹き出しかけた
