思春期100%
「越前!」
部活を終えた越前が部室を出ると女子テニス部の先輩のよく通る声が聞こえてきた
「どうしたんスか桃先輩」
「もうすぐバレンタインだろ、越前達にもあげるから楽しみにしてろよ!」
「それって俺が受け取るまでチョコ無事なの?」
かじられた跡のある包みが開いたチョコを渡されるのを想像する この食欲旺盛な先輩ならやりかねないと言いたげな目で見るとムッとしたように失礼だなと返された
「海堂みたいな事言うなよ、ちゃんと渡すって」
「えー…」
「何だよ、いらないならあたしが食べるけど…あ、そうか好きな子以外からは貰わないんだな?」
「だって桃先輩からチョコ貰ったら海堂先輩に走らされそう」
ニヤニヤしていた桃城は突然出てきた名前にキョトンとする 越前にチョコをあげるのと海堂が上手く繋がらなかった
「いくら海堂でもバレンタインにチョコ貰ったくらいでグラウンド走らせないって あいつモテない事気にしてないだろ、去年もあたしとお母さんにしか貰ってないって言ってたし」
チョコを貰う行為ではなく誰から貰ったかが問題という事には当然気付いていない きっと海堂に言っても同じような反応をするのだろう これだからこの二人は…とこっそりため息をつく
「…で、誰が好きなんだよ? 女テニ? 女テニの一年だろ?」
「だから別に居ないし…ちょっと、グリグリしないで欲しいんスけど…!」
頭をグリグリする手から逃れようとするもしっかりホールドされて逃げられない そのままグリグリされていると海堂が部室から出てきた
「おい、部室の前で騒ぐんじゃねぇ」
「あ、ちょうど良かった バレンタインに一年にチョコ配るけど、ひがんでグラウンド走らせんなよ」
「あ? 何でそんな事で俺がひがむんだ」
ほらと桃城に見下ろされ、海堂にも呆れたような視線を向けられる 予想通りすぎる反応にだから巻き込まれたくなかったのだと思った
「聞いたか越前、あれがモテなくても気にしない奴の反応だぞ〜」
「うるせぇ、大体貰ったからどうなるわけでもねぇだろ」
「海堂はチョコ貰っても嬉しくないのかよ?」
「お前の食べかけのチョコ貰っても嬉しくねぇ」
「越前と同じ事言うなよ! ホントに食べかけ渡すぞ!」
キッパリと否定する海堂に桃城は抗議する だがやり取りを聞いていた越前は桃城から貰える事が確定してるから余裕なのではと思った
「…まだまだだね」
というか人の頭上でイチャイチャしないでくれとも思った
