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短い夢
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短6
星に願いを
ヒュー ヒュー
ヒュー ヒュー
ああ、うるさい、鳥の鳴き声だなぁ…。
と、ふと目が覚めた。
あれ?
あたし、なんで寝転んでんだ。
視界に飛び込んできたのは闇。
そして硝子をばらら~っとちりばめたような星空。
きら、きら、きら
まるで宝石箱のように綺麗で。
なんて、宝石箱なんか見た事ないのに。
思わず、クスッと笑いがこぼれた。
ヒュー
あれ?
笑ったつもりがさっきからの鳥の鳴き声。
ああ、
そうか。
これは、あたしのおと、だ。
気道から出されたあたしの呼吸音。
おそらく血液や、唾液や、リンパ液やらなにがしかの浸出液やらで、あたしの気道は狭窄しつつある。
そしてそれは悲鳴をあげているかのような、気道から漏れ出た音であり。
狭められたあたしの空気の通り道は肺からのガス交換を充分にはきっと行えてない。
酸素と二酸化炭素を取り込み、排出させなければきっとマズいことになる。
つまりは窒息寸前でしょうが
なんてあの人は呆れた顔で言うだろうな。
ああ、それにしても本当に星が綺麗だ。
こんなふうに任務中に夜空を寝転んで堪能出来るなんて、
きっと
もう2度と、ない。
目線を下に落とせば、見えてくるのは紛れもない現実で。
胸元は自分のものと他人のものとが交じりあった赤黒い色で染まっている。元の色が緑色だと、識別できないほど汚れた忍服。
わずかに動く右手を、そこへやれば、胸元はまだじんわりと湿っている冷たい感触。致命的ではないにしろ、微量ながら少しずつ、けれど確実にあたしの命を削りつつある。
もう片方はどうやら骨折してるようだし、
チャクラ練ることも
印を組むことも難しそうだなぁ。
あたし、死んじゃうのかな。
痛みの感覚もほとんどないのは、きっと、ヤバイんだろうな。
不思議だけれど、この星空を見ていたら、何故だかちっとも怖くはない。
けど、
けど、
このまま夜空に吸い込まれてしまうのはイヤだよ。
一生懸命、医療忍術を勉強して、やっとこさ上忍になったのに。
あの人に憧れて、やっと追い付いたと思ったのに。
あなたの傷を癒すために医療忍術を修行してきたのに。
もう、あなたに触れることが出来なくなるのかな。
カカシさん。
カカシさん。
あなたに会いたいよ。
あなたの顔が見たいよ。
あなたにぎゅっと抱き締めてもらいたいよ。
あたしの大好きな大きな手で頭を撫でてほしいよ。
困ったような片目だけの笑顔と一緒にあたしの名前を呼んで欲しいよ。
神様、
どうか
おねがいします。
せめてさいごに
「あいしてる。」
と伝えてください。
「##NAME1##」
何故か目の前には、夢にまでみた銀髪のその人がいて。
あたしのことを覗き込んでいる。
夢か?
もしくは、あたしはもう「まだ早いでしょうよ。」
「あっちへ行くのは。」
カカシさんの困ったような笑顔といつも聞き慣れた心地よい低音。
「…ほんもの、だ。」
ヒュー
あたしの目の前が、緑色のベスト一色になり、その途端に暖かな彼の体温に包まれた。
「あたし、いきて、るんだね。」
ヒュー
一番会いたかった人にたくさん言葉をかけたいのに、身体が、口がうまく言うことを聞いてくれず、出てくるのは子どもみたいなカタコトと漏れだす空気だけで。
それでも、必死であたしを探してくれていたんだという、彼の忍服から伝わるいつもより速い響きの心音、そして汗の匂いがあたしが今生きていることを感じさせてくれる。
飄々とした普段の彼からは想像がつかない姿。そのギャップさえも、幸せで。
思い切り彼の色んな想いが詰まった汗の匂いを、ポンコツになったあたしの肺に送り込んだ。
わずかに動く片手をカカシさんの背中にゆっくりと回した。
カカシさんの匂いが、あたしの身体中に浸透して、ありとあらゆる傷が癒される気がするんだ。
「カ、カシさん、もう、だいじょうぶ、だよ」
笑顔が見たくて、思わず出た言葉に、何故かカカシさんの顔が少し哀しげに歪んでしまった。
「大丈夫なわけないでしょうよ。医療忍者のくせに、こんな傷つくってど~すんの!」
少し怒ったような荒い語尾に思わずあたしの肩が震えた。
ああ、そりゃそうだよね。カカシさんの言う通り、医療忍が負傷して、しかも援護されるなんて、忍失格だよね。
「ごめん、なさい。」
その途端に身体を包んでくれている彼の両手により一層力が入ってくるのを感じる。
あたしの視界は上忍ベストの緑色で遮られているために、彼の表情は見ることが出来ず。
打って変わって耳元で囁くような低音はとても優しく、切なかった。
「もう、愛する者を失いたくないんだ。
オレも##NAME1##を愛しているから。」
ああ、神さまはあたしの切なる願いを届けてくれていた。
「カカシ、さん、あたしは絶対に死なない、よ。
だって、あたしがカカシさんの、傷を治すんだから。」
「そ~だよ、オレの傷は一生##NAME1##が治すんでしょうよ。」
そして、カカシさんの口唇があたしの冷たく冷えきったそれにゆっくりと触れて。
暖かな熱が流れてくるのを感じた。
END
星に願いを
ヒュー ヒュー
ヒュー ヒュー
ああ、うるさい、鳥の鳴き声だなぁ…。
と、ふと目が覚めた。
あれ?
あたし、なんで寝転んでんだ。
視界に飛び込んできたのは闇。
そして硝子をばらら~っとちりばめたような星空。
きら、きら、きら
まるで宝石箱のように綺麗で。
なんて、宝石箱なんか見た事ないのに。
思わず、クスッと笑いがこぼれた。
ヒュー
あれ?
笑ったつもりがさっきからの鳥の鳴き声。
ああ、
そうか。
これは、あたしのおと、だ。
気道から出されたあたしの呼吸音。
おそらく血液や、唾液や、リンパ液やらなにがしかの浸出液やらで、あたしの気道は狭窄しつつある。
そしてそれは悲鳴をあげているかのような、気道から漏れ出た音であり。
狭められたあたしの空気の通り道は肺からのガス交換を充分にはきっと行えてない。
酸素と二酸化炭素を取り込み、排出させなければきっとマズいことになる。
つまりは窒息寸前でしょうが
なんてあの人は呆れた顔で言うだろうな。
ああ、それにしても本当に星が綺麗だ。
こんなふうに任務中に夜空を寝転んで堪能出来るなんて、
きっと
もう2度と、ない。
目線を下に落とせば、見えてくるのは紛れもない現実で。
胸元は自分のものと他人のものとが交じりあった赤黒い色で染まっている。元の色が緑色だと、識別できないほど汚れた忍服。
わずかに動く右手を、そこへやれば、胸元はまだじんわりと湿っている冷たい感触。致命的ではないにしろ、微量ながら少しずつ、けれど確実にあたしの命を削りつつある。
もう片方はどうやら骨折してるようだし、
チャクラ練ることも
印を組むことも難しそうだなぁ。
あたし、死んじゃうのかな。
痛みの感覚もほとんどないのは、きっと、ヤバイんだろうな。
不思議だけれど、この星空を見ていたら、何故だかちっとも怖くはない。
けど、
けど、
このまま夜空に吸い込まれてしまうのはイヤだよ。
一生懸命、医療忍術を勉強して、やっとこさ上忍になったのに。
あの人に憧れて、やっと追い付いたと思ったのに。
あなたの傷を癒すために医療忍術を修行してきたのに。
もう、あなたに触れることが出来なくなるのかな。
カカシさん。
カカシさん。
あなたに会いたいよ。
あなたの顔が見たいよ。
あなたにぎゅっと抱き締めてもらいたいよ。
あたしの大好きな大きな手で頭を撫でてほしいよ。
困ったような片目だけの笑顔と一緒にあたしの名前を呼んで欲しいよ。
神様、
どうか
おねがいします。
せめてさいごに
「あいしてる。」
と伝えてください。
「##NAME1##」
何故か目の前には、夢にまでみた銀髪のその人がいて。
あたしのことを覗き込んでいる。
夢か?
もしくは、あたしはもう「まだ早いでしょうよ。」
「あっちへ行くのは。」
カカシさんの困ったような笑顔といつも聞き慣れた心地よい低音。
「…ほんもの、だ。」
ヒュー
あたしの目の前が、緑色のベスト一色になり、その途端に暖かな彼の体温に包まれた。
「あたし、いきて、るんだね。」
ヒュー
一番会いたかった人にたくさん言葉をかけたいのに、身体が、口がうまく言うことを聞いてくれず、出てくるのは子どもみたいなカタコトと漏れだす空気だけで。
それでも、必死であたしを探してくれていたんだという、彼の忍服から伝わるいつもより速い響きの心音、そして汗の匂いがあたしが今生きていることを感じさせてくれる。
飄々とした普段の彼からは想像がつかない姿。そのギャップさえも、幸せで。
思い切り彼の色んな想いが詰まった汗の匂いを、ポンコツになったあたしの肺に送り込んだ。
わずかに動く片手をカカシさんの背中にゆっくりと回した。
カカシさんの匂いが、あたしの身体中に浸透して、ありとあらゆる傷が癒される気がするんだ。
「カ、カシさん、もう、だいじょうぶ、だよ」
笑顔が見たくて、思わず出た言葉に、何故かカカシさんの顔が少し哀しげに歪んでしまった。
「大丈夫なわけないでしょうよ。医療忍者のくせに、こんな傷つくってど~すんの!」
少し怒ったような荒い語尾に思わずあたしの肩が震えた。
ああ、そりゃそうだよね。カカシさんの言う通り、医療忍が負傷して、しかも援護されるなんて、忍失格だよね。
「ごめん、なさい。」
その途端に身体を包んでくれている彼の両手により一層力が入ってくるのを感じる。
あたしの視界は上忍ベストの緑色で遮られているために、彼の表情は見ることが出来ず。
打って変わって耳元で囁くような低音はとても優しく、切なかった。
「もう、愛する者を失いたくないんだ。
オレも##NAME1##を愛しているから。」
ああ、神さまはあたしの切なる願いを届けてくれていた。
「カカシ、さん、あたしは絶対に死なない、よ。
だって、あたしがカカシさんの、傷を治すんだから。」
「そ~だよ、オレの傷は一生##NAME1##が治すんでしょうよ。」
そして、カカシさんの口唇があたしの冷たく冷えきったそれにゆっくりと触れて。
暖かな熱が流れてくるのを感じた。
END