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短い夢
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短2
あたしを木の葉に連れてって
……。たしかにあたし、今晩はよく飲んだよ。うん。
今週は急ぎの仕事が立て続けに入ってた上に後輩がミスるもんだから、毎晩日が変わる直前にしか帰宅出来なかったんだ。
週末にはあたしのストレスも、パソコンによる肩の張りもマックスになり、となりの部署の同期を捕まえ、さっきまで女子会という飲み会を繰り広げていたわけだけど。
飲んだよ。たしかに。
久しぶりの飲み会だったし、はめも外したと思う。
けど…
けど…
幻覚が見えるほど酔っちゃいませんけどぉ~???
あたしのベッドには、なぜかもんのすご~~く怪しい風貌の男が座っている。
あたし、自分のマンションの部屋間違えたか?
と思い、(間違えたと思いたい)怪しい男にくるりときびすを返し、部屋番号を確認しようと玄関へ向かう。
「どこいくの」
びくっ
あたしの肩が必要以上に大きく震える。
そろりともう一度部屋の奥にあるベッドへと振り向けば…。
ああ、やっぱりいる。さっき見た怪しげな男があたしのベッドに腕組みしながら睨んでる。
冷や汗をかきながら、その男を凝視すれば…。
どう見ても………、アレ、だよねぇ……。
あの、まさか、とは思うけど…
あたしの愛読書の……。
「はたけカカシ」
思わず声に出てしまった。
どう見てもその不法侵入者は、上忍ベストに身を包み、木の葉マークの額当てを斜めにずらし、もちろんトレードマークの口布で顔の大半が見えていない。そして、どうやってセットしてんだ、という銀髪。
「はたけカカシ……。」
確認するように呟く。
「ナニ?何回オレのこと呼んでんの。##NAME1##」
甘い低音。
うわっ、名前呼ばれてゾワッときた。っていうかこのコスプレ男声までイメージ通りでヤバイ。
そのコスプレ男が近づく所為もあり、背中にいやな汗がへばりつく。
彼がじわりとあたしとの距離を縮めれば、あたしも思わず後退る……が、何せ大して広くないワンルーム。気付けば背中は玄関横の壁で行き止まり。
「逃げないで。」
またもや囁かれる。
あたしの両手首は彼の大きな手のひらに捕まれていて、身動きが取れない。
超イメージ通りでマジよだれもんのカカシティーチャーのお顔が、ヤバいくらいに近いんですけどっ!!!!
あ、あたしよ落ち着けっ!アルコールは脳ミソから大分吹っ飛んでるはずだから、冷静な判断をあおごうっ!うん!←デイダラかよっ
なんて自分に突っ込みいれてる時点で完全に思考回路はぶっ壊れてる。
「な、な、な、なんなんですかっ」
ようやく絞りだされた声は酷く情けない小声で、イカレタ脳ミソが絞りだした結果は、このコスプレ不法侵入者男に穏便に帰っていただこうという、駄案でしかない。
「…##NAME1##を迎えにきたオレに、そんなこというワケ?」
「な、な、な、ななんで、あたしの名前知ってるんすかっ」
………??あれ?
カカシティーチャー?
あたしの手首つかんだまま固まってますか?
はぁ~っと口布ごしに大きなため息をついているのも、堪らなく色っぽい。
このコスプレ男が泥棒さんかもしれないというのに、その様に見惚れてしまう。
額あてで隠れている左目は、やっぱり赤い写輪眼なのかなぁ。
「##NAME1##、オレを見て。」
ぼおっと見惚れてたら、ふいにカカシティーチャーは額あてをずらし、あたしが想像していたものを曝け出す。
レッドアイ。
わぁ、生写輪眼はじめてみた。
感激し過ぎて?興奮状態にあったからか?なんだか頭の芯から、ぐにゃりと歪んでゆく感覚に陥る。
あ、もしかして
幻術。
気付いたと同時にあたしの意識はそこでブラックアウト。
………あれ?…………
あたしはきっと夢を見てるんだろう。
ぼんやりと霧がかかったような意識の中でなんとも甘い痺れるような夢。
ふわふわしてて、くすぐったくて、2次元の世界の人間の筈なのに、この生身の感触は生々しい。
カカシティーチャーに口唇を吸われて、甘噛みされて、口内をねちょりと舌でこねくりまわされ、あたしは気持ち良くて、喘いでいたような気がする。
大きな手のひらが、ブラウスの中に侵入してきても、甘い痺れに麻痺していて、そこからはもう記憶も曖昧。
っっっ!!!!
意識は急にクリアーになって……。
気が付けばあたしは自分のベッドに寝ていた。
????まったく、なんのことやら、ワケが分からない。
ああ、朝日が眩しいなぁ………。
あれ?今まで何してたんだっけ?ぼんやりと自分の姿に目をやると……!
………はだかだ。
ものの見事にすっぽんぽん。
ぱんつも履いてませんよ。…………。
「あ、目が覚めた?」
甘い低音があたしの背中から響く。
そのとたんに反芻される昨夜の記憶。
顔に血流が一気に集まり、あたしの頭が音をたてて沸騰していく。
そうだ!コスプレ男!!!あたしはこのカカシコスプレ野郎とナニをしてしまったのかぁ?!
振り向こうとベッドから身を捩ると、たくましい腕でがっちりと抱き締められる。
「な、な、な!」
「昨夜はゴメ~ンね。」
昨日とは真逆の優しい声。
「まさかオマエが記憶なくしてるなんてネ。写輪眼使ったけど、##NAME1##は嘘をついてるわけじゃないみたいだし。」
「な、??ナニ??きおく??」
がっちりと抱き締められる状態はそのままなので、カカシの顔は見れないまま。どうでもいいけど、カカシの素肌…、おそらく彼も真っ裸であろう感触に、あたしの顔はますます沸騰していく。
「##NAME1##はね、時空間忍術でこっちの世界に潜入捜査にきてたわけ。」
ゆっくりと優しく諭すように、あたしにささやく。
「半年の予定の任務だったんだヨ。それが2ヶ月経っても戻らないから、心配になって探しにきたんだけどネ。」
「……マジですか?」
そんな記憶これっぽっちもありゃしませんよ。人違いじゃないの?
あたしの心の声が聞こえたのか
「写輪眼で調べたからね。オマエが偽物かどうか。その点ではオレの保証付き。っていうかセックスしてみて完璧##NAME1##だし。」
「!!!!!なっっ!!」
なにをサラッと言ってのけとるんだっ。
殴ってやろうかと拳に力を入れたとたんに、頭をさわさわと優しく撫でられた。
あ、きもちいい。なんだか懐かしいような、くすぐったいような。
こんな既視感にとらわれるのは、この男のわけのわからない話の所為だ。
「##NAME1##、たぶんオマエの記憶がもどるのも後1週間はかかりそうだし…」
「な、なにを根拠にっ?!」
「……だから、写輪眼。」
べ、便利ですねぇ~。さすがカカシティーチャーって感心してる場合かあたし。
腕の拘束が解かれたので、あたしはガバッと毛布を身体に巻き付けて(なにせ、すっぽんぽんっ!)後ろを振り向いた。
あたしの目の前には、口布をしていない整った顔立ちのカカシティーチャーが、よいしょっとベッドから降りて、その引き締まった上半身を曝け出していて。
忍服に袖を通しているのだけれど……。
腹筋……何だか綺麗に割れてるんだぁ……。なんて、しばらく呆然とその身体に見惚れていた。
「##NAME1##」
ふいにその綺麗な顔があたしの方を向いて、甘い低音で名前を呼ぶ。
「まぁ、元気そうで安心したヨ。こっちの世界にも何だか馴染んでるみたいだしネ。」
後1週間したら迎えにくるから、と言いながら手袋をきゅっとはめて身支度を整えていく。
そして腰のポーチから何やら見たことのあるモノを取り出した。
あ、マンガで見たぞ。カカシティーチャーの右手に握られているそれは、彼の恩師のクナイ。たしか時空間を飛ぶという代物。
「##NAME1##にこれ、渡しとくから。」
そのクナイを、あたしの手にぽんと握らせる。
あたしはどうしていいのかわからずに、しばらくぼんやりと手の中のものを見つめていた。
「……これ……??」
「これを目印にして、オマエを迎えに行くからネ。くれぐれも無くさないよ~に。」
ってことは、絶対に無くせないな。これ。って………………。
あたし、この話を信じるのか?
「あたし、ホントに、忍者なの?」
「そ~だヨ。」
何そんなこと聞いてるの、と言わんばかりの、ちょっと困った笑顔をあたしに向ける。
「そんなこと、信じられないよっ!か、仮に、百万歩譲って、あたしが木の葉の忍者だとしても、カカシティーチャーがあたしみたいなの迎えにくるわけないじゃんっ!」
溜まっていたモノが一気に吐き出された。
「だって、あたし何にも憶えてないんだよ!あたしは、あたしは、ただの平凡なOLだよ…。あたし…カカシティーチャーに迎えに来てもらうような価値、なんて、ない……よ。」
そうだよ、はたけカカシは里の誉じゃんか。メインキャラの1人じゃん。そんな人が雑魚キャラのあたしを迎えにくるわけないじゃん。
ああ、あたしはこの展開に頭が完全にぶっ壊れてしまっている。おまけになんで泣いてるんだ。
「馬鹿だねオマエは」
困ったような、呆れたようなカカシの声。でも、唯一見えてるその目は暖かくて笑っているように見えた。
ぐいと、あたしはカカシティーチャーの広い胸に抱きすくめられた。
忍服ごしに伝わってくる彼の体温。
夢なのか、現実なのか、それともあたしが狂っちゃったのか、そんなことは何だかどうでもいいかぁ、なんて思える展開。
だってこの暖かい感触はしっかりとあたしの皮膚にも伝わっている。これは嘘じゃないよね。
きっともうすぐカカシティーチャーはこの世界の向こう、木の葉へと帰っていくんだろう。
その前に、あたしは彼に聞いておかなきゃいけない。
(あたしは、カカシティーチャーにとってどんな存在?)
「あのね、オレの奥さんを迎えに来ないわけないでしょうよ。」
…………。
…………。
…………。
ハイ???
今、なんと、おっしゃいました?????
オクサンッテイイマシタカ???
「お、お、お、お、おくさん~~~!!!???」
た、たしかに、甘い答を期待してましたよっ!
だけど、彼氏彼女を通り越してはたけカカシの嫁なのかっ!?
付き合ってるラブリーな記憶は当たり前だがあたしの中にはこれっぽっちもないですけどっ!!
「そ、オレの、おくさん。」
またもや、さらりと言ってのけて、カカシの胸に埋もれていたあたしの顔は彼の両手で包まれた。
あ、口布が外されてる。と、思った瞬間柔らかくて温かい唇が触れた。
「来週迎えにくるからね、待っててョ、##NAME1##」
そしてゆっくりとあたしの肩をはなして2、3歩ほど距離をとる。
素早い動きで両手で何やら形をつくっているのを、あたしは魂の抜けたような顔で見つめていた。
あぁあれも、マンガでみたなぁ。印を組むってやつかあ。と思ったと同時に。
ぼふん。
消えてしまった。
ちょっと困ったような笑顔を残して。
消える瞬間に《アイシテルヨ》って聞こえたのは気のせいなんかじゃない。
あたしの手の中のクナイが夢じゃない証拠だから。
あと、1週間。
また、きっと、彼に会える。
END
あたしを木の葉に連れてって
……。たしかにあたし、今晩はよく飲んだよ。うん。
今週は急ぎの仕事が立て続けに入ってた上に後輩がミスるもんだから、毎晩日が変わる直前にしか帰宅出来なかったんだ。
週末にはあたしのストレスも、パソコンによる肩の張りもマックスになり、となりの部署の同期を捕まえ、さっきまで女子会という飲み会を繰り広げていたわけだけど。
飲んだよ。たしかに。
久しぶりの飲み会だったし、はめも外したと思う。
けど…
けど…
幻覚が見えるほど酔っちゃいませんけどぉ~???
あたしのベッドには、なぜかもんのすご~~く怪しい風貌の男が座っている。
あたし、自分のマンションの部屋間違えたか?
と思い、(間違えたと思いたい)怪しい男にくるりときびすを返し、部屋番号を確認しようと玄関へ向かう。
「どこいくの」
びくっ
あたしの肩が必要以上に大きく震える。
そろりともう一度部屋の奥にあるベッドへと振り向けば…。
ああ、やっぱりいる。さっき見た怪しげな男があたしのベッドに腕組みしながら睨んでる。
冷や汗をかきながら、その男を凝視すれば…。
どう見ても………、アレ、だよねぇ……。
あの、まさか、とは思うけど…
あたしの愛読書の……。
「はたけカカシ」
思わず声に出てしまった。
どう見てもその不法侵入者は、上忍ベストに身を包み、木の葉マークの額当てを斜めにずらし、もちろんトレードマークの口布で顔の大半が見えていない。そして、どうやってセットしてんだ、という銀髪。
「はたけカカシ……。」
確認するように呟く。
「ナニ?何回オレのこと呼んでんの。##NAME1##」
甘い低音。
うわっ、名前呼ばれてゾワッときた。っていうかこのコスプレ男声までイメージ通りでヤバイ。
そのコスプレ男が近づく所為もあり、背中にいやな汗がへばりつく。
彼がじわりとあたしとの距離を縮めれば、あたしも思わず後退る……が、何せ大して広くないワンルーム。気付けば背中は玄関横の壁で行き止まり。
「逃げないで。」
またもや囁かれる。
あたしの両手首は彼の大きな手のひらに捕まれていて、身動きが取れない。
超イメージ通りでマジよだれもんのカカシティーチャーのお顔が、ヤバいくらいに近いんですけどっ!!!!
あ、あたしよ落ち着けっ!アルコールは脳ミソから大分吹っ飛んでるはずだから、冷静な判断をあおごうっ!うん!←デイダラかよっ
なんて自分に突っ込みいれてる時点で完全に思考回路はぶっ壊れてる。
「な、な、な、なんなんですかっ」
ようやく絞りだされた声は酷く情けない小声で、イカレタ脳ミソが絞りだした結果は、このコスプレ不法侵入者男に穏便に帰っていただこうという、駄案でしかない。
「…##NAME1##を迎えにきたオレに、そんなこというワケ?」
「な、な、な、ななんで、あたしの名前知ってるんすかっ」
………??あれ?
カカシティーチャー?
あたしの手首つかんだまま固まってますか?
はぁ~っと口布ごしに大きなため息をついているのも、堪らなく色っぽい。
このコスプレ男が泥棒さんかもしれないというのに、その様に見惚れてしまう。
額あてで隠れている左目は、やっぱり赤い写輪眼なのかなぁ。
「##NAME1##、オレを見て。」
ぼおっと見惚れてたら、ふいにカカシティーチャーは額あてをずらし、あたしが想像していたものを曝け出す。
レッドアイ。
わぁ、生写輪眼はじめてみた。
感激し過ぎて?興奮状態にあったからか?なんだか頭の芯から、ぐにゃりと歪んでゆく感覚に陥る。
あ、もしかして
幻術。
気付いたと同時にあたしの意識はそこでブラックアウト。
………あれ?…………
あたしはきっと夢を見てるんだろう。
ぼんやりと霧がかかったような意識の中でなんとも甘い痺れるような夢。
ふわふわしてて、くすぐったくて、2次元の世界の人間の筈なのに、この生身の感触は生々しい。
カカシティーチャーに口唇を吸われて、甘噛みされて、口内をねちょりと舌でこねくりまわされ、あたしは気持ち良くて、喘いでいたような気がする。
大きな手のひらが、ブラウスの中に侵入してきても、甘い痺れに麻痺していて、そこからはもう記憶も曖昧。
っっっ!!!!
意識は急にクリアーになって……。
気が付けばあたしは自分のベッドに寝ていた。
????まったく、なんのことやら、ワケが分からない。
ああ、朝日が眩しいなぁ………。
あれ?今まで何してたんだっけ?ぼんやりと自分の姿に目をやると……!
………はだかだ。
ものの見事にすっぽんぽん。
ぱんつも履いてませんよ。…………。
「あ、目が覚めた?」
甘い低音があたしの背中から響く。
そのとたんに反芻される昨夜の記憶。
顔に血流が一気に集まり、あたしの頭が音をたてて沸騰していく。
そうだ!コスプレ男!!!あたしはこのカカシコスプレ野郎とナニをしてしまったのかぁ?!
振り向こうとベッドから身を捩ると、たくましい腕でがっちりと抱き締められる。
「な、な、な!」
「昨夜はゴメ~ンね。」
昨日とは真逆の優しい声。
「まさかオマエが記憶なくしてるなんてネ。写輪眼使ったけど、##NAME1##は嘘をついてるわけじゃないみたいだし。」
「な、??ナニ??きおく??」
がっちりと抱き締められる状態はそのままなので、カカシの顔は見れないまま。どうでもいいけど、カカシの素肌…、おそらく彼も真っ裸であろう感触に、あたしの顔はますます沸騰していく。
「##NAME1##はね、時空間忍術でこっちの世界に潜入捜査にきてたわけ。」
ゆっくりと優しく諭すように、あたしにささやく。
「半年の予定の任務だったんだヨ。それが2ヶ月経っても戻らないから、心配になって探しにきたんだけどネ。」
「……マジですか?」
そんな記憶これっぽっちもありゃしませんよ。人違いじゃないの?
あたしの心の声が聞こえたのか
「写輪眼で調べたからね。オマエが偽物かどうか。その点ではオレの保証付き。っていうかセックスしてみて完璧##NAME1##だし。」
「!!!!!なっっ!!」
なにをサラッと言ってのけとるんだっ。
殴ってやろうかと拳に力を入れたとたんに、頭をさわさわと優しく撫でられた。
あ、きもちいい。なんだか懐かしいような、くすぐったいような。
こんな既視感にとらわれるのは、この男のわけのわからない話の所為だ。
「##NAME1##、たぶんオマエの記憶がもどるのも後1週間はかかりそうだし…」
「な、なにを根拠にっ?!」
「……だから、写輪眼。」
べ、便利ですねぇ~。さすがカカシティーチャーって感心してる場合かあたし。
腕の拘束が解かれたので、あたしはガバッと毛布を身体に巻き付けて(なにせ、すっぽんぽんっ!)後ろを振り向いた。
あたしの目の前には、口布をしていない整った顔立ちのカカシティーチャーが、よいしょっとベッドから降りて、その引き締まった上半身を曝け出していて。
忍服に袖を通しているのだけれど……。
腹筋……何だか綺麗に割れてるんだぁ……。なんて、しばらく呆然とその身体に見惚れていた。
「##NAME1##」
ふいにその綺麗な顔があたしの方を向いて、甘い低音で名前を呼ぶ。
「まぁ、元気そうで安心したヨ。こっちの世界にも何だか馴染んでるみたいだしネ。」
後1週間したら迎えにくるから、と言いながら手袋をきゅっとはめて身支度を整えていく。
そして腰のポーチから何やら見たことのあるモノを取り出した。
あ、マンガで見たぞ。カカシティーチャーの右手に握られているそれは、彼の恩師のクナイ。たしか時空間を飛ぶという代物。
「##NAME1##にこれ、渡しとくから。」
そのクナイを、あたしの手にぽんと握らせる。
あたしはどうしていいのかわからずに、しばらくぼんやりと手の中のものを見つめていた。
「……これ……??」
「これを目印にして、オマエを迎えに行くからネ。くれぐれも無くさないよ~に。」
ってことは、絶対に無くせないな。これ。って………………。
あたし、この話を信じるのか?
「あたし、ホントに、忍者なの?」
「そ~だヨ。」
何そんなこと聞いてるの、と言わんばかりの、ちょっと困った笑顔をあたしに向ける。
「そんなこと、信じられないよっ!か、仮に、百万歩譲って、あたしが木の葉の忍者だとしても、カカシティーチャーがあたしみたいなの迎えにくるわけないじゃんっ!」
溜まっていたモノが一気に吐き出された。
「だって、あたし何にも憶えてないんだよ!あたしは、あたしは、ただの平凡なOLだよ…。あたし…カカシティーチャーに迎えに来てもらうような価値、なんて、ない……よ。」
そうだよ、はたけカカシは里の誉じゃんか。メインキャラの1人じゃん。そんな人が雑魚キャラのあたしを迎えにくるわけないじゃん。
ああ、あたしはこの展開に頭が完全にぶっ壊れてしまっている。おまけになんで泣いてるんだ。
「馬鹿だねオマエは」
困ったような、呆れたようなカカシの声。でも、唯一見えてるその目は暖かくて笑っているように見えた。
ぐいと、あたしはカカシティーチャーの広い胸に抱きすくめられた。
忍服ごしに伝わってくる彼の体温。
夢なのか、現実なのか、それともあたしが狂っちゃったのか、そんなことは何だかどうでもいいかぁ、なんて思える展開。
だってこの暖かい感触はしっかりとあたしの皮膚にも伝わっている。これは嘘じゃないよね。
きっともうすぐカカシティーチャーはこの世界の向こう、木の葉へと帰っていくんだろう。
その前に、あたしは彼に聞いておかなきゃいけない。
(あたしは、カカシティーチャーにとってどんな存在?)
「あのね、オレの奥さんを迎えに来ないわけないでしょうよ。」
…………。
…………。
…………。
ハイ???
今、なんと、おっしゃいました?????
オクサンッテイイマシタカ???
「お、お、お、お、おくさん~~~!!!???」
た、たしかに、甘い答を期待してましたよっ!
だけど、彼氏彼女を通り越してはたけカカシの嫁なのかっ!?
付き合ってるラブリーな記憶は当たり前だがあたしの中にはこれっぽっちもないですけどっ!!
「そ、オレの、おくさん。」
またもや、さらりと言ってのけて、カカシの胸に埋もれていたあたしの顔は彼の両手で包まれた。
あ、口布が外されてる。と、思った瞬間柔らかくて温かい唇が触れた。
「来週迎えにくるからね、待っててョ、##NAME1##」
そしてゆっくりとあたしの肩をはなして2、3歩ほど距離をとる。
素早い動きで両手で何やら形をつくっているのを、あたしは魂の抜けたような顔で見つめていた。
あぁあれも、マンガでみたなぁ。印を組むってやつかあ。と思ったと同時に。
ぼふん。
消えてしまった。
ちょっと困ったような笑顔を残して。
消える瞬間に《アイシテルヨ》って聞こえたのは気のせいなんかじゃない。
あたしの手の中のクナイが夢じゃない証拠だから。
あと、1週間。
また、きっと、彼に会える。
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