お題集
◯毛布おばけのサクラちゃん
「ふふふ・・・」
私は今、ある任務に燃えている。
それは里の外での任務で、夜中に豪雨になるから宿に泊まろうということになった。
だんだん風と雨が強くなり、窓ガラスを強く叩く音にビクッとなったのを先生に見られ笑われた。
頬を膨らませて怒ると、先生は「ごめんごめん」とまた笑いながら頭を撫でる。
「先生は怖いことないの?」
「んー、もう大人だからないかなぁ」
その言葉に私の目は密かに光る。
いつも揶揄われて悔しい。
だから今日は私が先生を揶揄ってやる!
みんなが静まる時間。
隣の部屋に泊まっている先生が部屋を出る音が聞こえた。
私は毛布を被ってこっそり後をつける。
先生がトイレに入ったので、その先の物陰に隠れて出てくるのを待つ。
そして部屋に帰ろうとする先生の後ろから驚かしてビックリした先生を揶揄うのだ。
ニシシ、と笑っていると先生がトイレから出てきて部屋へと帰ろうとするのを付いて行き、ゆっくり、じっくりと距離を縮めて。
先生が油断した瞬間。
「わっ!!」
「おっ」
思い切り先生の背中に飛びつきながら驚かす。
先生は短く声を出して振り返る。
「ビックリした?」
「あぁ。ビックリした」
先生は眉を下げて笑うので私も満足気に笑う。
「よし!なら戻って寝ましょう」
私は毛布を被ったまま先生手を引っ張って部屋へと戻る。
「じゃあ、またあし──」
先生の部屋に着いて手を離そうとした瞬間、手を引っ張られて先生の部屋へと連れ込まれた。
「・・・え?」
目をパチクリさせていると、先生はにんまりと笑う。
「いやー、サクラに驚かされて怖くて1人で寝られないからさ。一緒に寝てくれるだろ?」
「え、え?」
先生はまだ分かっていない私をまた引っ張り、一組しか敷かれていない布団の中へ──。
◯あなたの手が愛おしくて
先生の温かくて頭を覆う大きな手が愛おしい。
顔を上げれば愛おしそうに見つめてくる先生を見てまた愛おしさが増す。
だからしょうがないのだ。
そんな大好きな手に触られたら気持ち良くなってしまうのは。
そうしょうがない。
油断してしまったのは。
今日は任務はお休みで体術の修行。
上忍相手に3人がかりで挑んだがすぐに地面とお友達に。
先生はイチャパラを読んでいるのに。
これが下忍と上忍の実力の差。
ナルトは大の字に寝転がって悔しそうに叫び、サスケくんは肩で息をして舌打ちをする。
私も足を伸ばして座って、後ろに手をついて息を整える。
もうクタクタになっていると先生が後ろから頭を撫でてくれる。
「前より動けるようになったな。ただすぐにバテて動きが悪くなってるから頑張るように」
「はい・・・」
私の1番の欠点は体力の無さだ。
先生はおかしそうに笑ってしゃがみ込む。
「土付いてる」
そう頬を指で拭ってくれる先生の顔はもう上司ではなくて恋人だった。
そのことに気づいて胸がきゅんっとなってしまう。
そのまま頬を撫でられて。
「あ・・・」
その感覚に体が震え、2人きりの時のような声が漏れてしまい慌てて口を塞ぐ。
先生は目を丸くして固まっているし、ナルトとサスケくんも同じように固まっている。
私はきっと全身が真っ赤になっているだろう。
ばっと、立ち上がり。
「きゅ、休憩終わり!あっちで修行してくるから来ないで!!」
叫ぶように言って、猛ダッシュで林の中へ逃げる。
ナルトとサスケが呆然とする中、カカシの口は弧を描き、ゆっくりとサクラが逃げた方向へと歩いた。
◯小さい耳
「珍しいね、サクラが耳出してるの」
火影の執務室にハンコが必要な書類を持って来たとき、私から書類を受け取りながら先生は言う。
「髪切りに行く時間なくて」
私は肩の下まで伸びた髪が鬱陶しくて後ろで1つに纏めている。
最近本当に仕事が忙しくて、家にも寝に帰っているだけになってしまった。
目の前の恋人にもここ以外で会えていない。
「先生、早くハンコ押してよ」
「ん〜」
先生は生返事をしながら頬杖をついて私をジーと見てくる。
何故ハンコを押さないのか。
早くしてくれないと仕事が終わらないではないか。
「火影様」
「それ止めてって言ってるでしょ。ちょっとこっちおいで」
語気を強めて呼ぶと、先生が手招きするので隣まで歩く。
「髪落ちてるよ」
先生は手を伸ばして結び損ねた束を手に取る。
「あ、ありがとう。でもわざわざ呼ばなくても」
「うん、まぁ、そうなんだけどね。ずっとサクラに触ってなかったから我慢出来なくて」
ふいうちに顔に熱が集まる。
私が部屋に入ってすぐに補佐のシカマルが出て行って今は私と先生の2人きり。
先生はすぐに途端に恋人モードになって甘々になる。
こちらは恋愛経験0ですぐに切り替えるのが難しいんだから、もうちょっと私のペースに合わせてもらいたい。
そんな願いが先生に聞こえるはずもなく、髪を触っていた手が耳に触れ体が小さく跳ねる。
「サクラは耳も小さいね」
「せ、せんせ、くすぐったい・・・」
先生は耳朶や窪みを指で撫で、その度に背中がゾクゾクする。
「ん?くすぐったいだけ?」
先生は首を傾げながら小さく笑う。
その瞳は私の中で小さく燃える熱に気づいている。
素直に言えるはずもなく黙るしかない。
「それだけじゃないでしょ?」
気づいたら先生の腕が腰に回され引き寄せられる。
顔を覗き込まれ、チラッと先生の瞳を見ると、その目も熱を持っていた。
私たちはお互いの熱を冷ますため、自然に唇を合わせた。
◯好きな人の顔
『好きな人の顔はずっと見てたいものよねぇ』
先日、恋バナで盛り上がったときのいのの言葉。
すごい分かる。
「で、次の護衛任務なんだけど。ナルト。トラブル起こすなよ」
「な!ひ、ひどいってばよカカシ先生!そんなことするわけないだろ!」
「いいや、君は絶対起こすね」
「ボクも『起きる』に一楽のラーメン賭けます」
「おいサイ!!」
「それじゃ意味ないな。みんなそうだから」
「ひどすぎるってばよーー!!」
ナルトが机に俯して泣き出し、みんながナルトを見ながら笑う。
私は横目である人を見ていると、その人物がこっちを見てきてドキッとする。
「サクラは?」
「え!?」
「サクラも『起きる』に賭ける?」
「え、あ、はい。絶対ナルトは何かするに決まってるもの」
「さ、サクラちゃんまで・・・」
「ならヤマト。お前は『起きない』に賭けろ」
「え!?何でですが!」
「反対に賭けるやつがいなかったら意味がないだろ」
「なら先輩がすればいいじゃないですか!」
「0%に賭けるわけないだろ。先輩命令」
「横暴!!」
「絶対何もするなよ!」とヤマト隊長はナルトを指差し、「わかんねーなー」とナルトは頭の後ろで腕を組んでニシシと笑う。
ギャーギャー騒ぐ2人を呆れた目で見ていると、ふと視線を感じてそちらを向く。
先生がこっちを見ていて、私と目が合うと優しく微笑む先生。
自分が見る分にはいいけど、先生に見つめられると恥ずかしくて顔を逸らしてしまう。
私はみんなから見えないように緩む頬を何とかしようとするがなかなかニヤニヤが収まらず。
するとナルトが背を向ける私の顔を覗き込んでくるので思わず殴る。
先生は騒ぐ私たちを見てまた笑い、嬉しそうにする先生をみて私はまた頬を緩ませた。
◯自分だけが知ること
「でね、その時カカシ先生がね!」
「あー、もう!いい加減別の話題にしてよね。耳にタコが出来るわよ」
いのはうんざりした顔をする。
今日は久しぶりの女子会で、この間の任務でカカシ先生がいかにかっこ良かったかを話そうとしてたのに止められてしまい、頬を膨らませる。
そんなサクラを見てヒナタはクスクスと笑う。
「本当、サクラさんはカカシ先生が好きだよね」
「うん、好き」
サクラは頬を染めて微笑む。
好きだけどこの想いは伝えれない。
こんな子供に告白されたらきっと困らせてしまうから。
いつか、大人になってカカシに見合う女性になったら告白する。
早くその日が来たらいいのに。
****
「昨日サクラがずっと惚気てきてウザかったのよ、ってずっといのにグチグチ聞かされて疲れたぞ」
「はは、2人には悪いね」
全く悪びれもなく酒を煽るカカシに
アスマは睨む。
「サクラからお前の話は聞くが、お前は言わないよな」
「だってサクラの可愛いところはオレの胸の内に収めときたいからね。他の野郎に知られたくない」
「・・・本当、変な男に引っかかったなサクラの奴」
カカシはニヤニヤ笑っているのをアスマは呆れたように酒を煽る。
任務中、サクラがチラチラ見てきているのに気づき、目が合うと顔を真っ赤にして逸らす姿。
任務が終わり報告書を出しに行こうとすると付いてきて、手を繋ぎたいけどポケットに手を突っ込んでいるから触れなくてソワソワしているサクラに気づいていながらも素知らぬ顔で歩く。
そんな可愛いサクラを他人と共有しようとは思わない。
オレだけのサクラなのだから。
「ふふふ・・・」
私は今、ある任務に燃えている。
それは里の外での任務で、夜中に豪雨になるから宿に泊まろうということになった。
だんだん風と雨が強くなり、窓ガラスを強く叩く音にビクッとなったのを先生に見られ笑われた。
頬を膨らませて怒ると、先生は「ごめんごめん」とまた笑いながら頭を撫でる。
「先生は怖いことないの?」
「んー、もう大人だからないかなぁ」
その言葉に私の目は密かに光る。
いつも揶揄われて悔しい。
だから今日は私が先生を揶揄ってやる!
みんなが静まる時間。
隣の部屋に泊まっている先生が部屋を出る音が聞こえた。
私は毛布を被ってこっそり後をつける。
先生がトイレに入ったので、その先の物陰に隠れて出てくるのを待つ。
そして部屋に帰ろうとする先生の後ろから驚かしてビックリした先生を揶揄うのだ。
ニシシ、と笑っていると先生がトイレから出てきて部屋へと帰ろうとするのを付いて行き、ゆっくり、じっくりと距離を縮めて。
先生が油断した瞬間。
「わっ!!」
「おっ」
思い切り先生の背中に飛びつきながら驚かす。
先生は短く声を出して振り返る。
「ビックリした?」
「あぁ。ビックリした」
先生は眉を下げて笑うので私も満足気に笑う。
「よし!なら戻って寝ましょう」
私は毛布を被ったまま先生手を引っ張って部屋へと戻る。
「じゃあ、またあし──」
先生の部屋に着いて手を離そうとした瞬間、手を引っ張られて先生の部屋へと連れ込まれた。
「・・・え?」
目をパチクリさせていると、先生はにんまりと笑う。
「いやー、サクラに驚かされて怖くて1人で寝られないからさ。一緒に寝てくれるだろ?」
「え、え?」
先生はまだ分かっていない私をまた引っ張り、一組しか敷かれていない布団の中へ──。
◯あなたの手が愛おしくて
先生の温かくて頭を覆う大きな手が愛おしい。
顔を上げれば愛おしそうに見つめてくる先生を見てまた愛おしさが増す。
だからしょうがないのだ。
そんな大好きな手に触られたら気持ち良くなってしまうのは。
そうしょうがない。
油断してしまったのは。
今日は任務はお休みで体術の修行。
上忍相手に3人がかりで挑んだがすぐに地面とお友達に。
先生はイチャパラを読んでいるのに。
これが下忍と上忍の実力の差。
ナルトは大の字に寝転がって悔しそうに叫び、サスケくんは肩で息をして舌打ちをする。
私も足を伸ばして座って、後ろに手をついて息を整える。
もうクタクタになっていると先生が後ろから頭を撫でてくれる。
「前より動けるようになったな。ただすぐにバテて動きが悪くなってるから頑張るように」
「はい・・・」
私の1番の欠点は体力の無さだ。
先生はおかしそうに笑ってしゃがみ込む。
「土付いてる」
そう頬を指で拭ってくれる先生の顔はもう上司ではなくて恋人だった。
そのことに気づいて胸がきゅんっとなってしまう。
そのまま頬を撫でられて。
「あ・・・」
その感覚に体が震え、2人きりの時のような声が漏れてしまい慌てて口を塞ぐ。
先生は目を丸くして固まっているし、ナルトとサスケくんも同じように固まっている。
私はきっと全身が真っ赤になっているだろう。
ばっと、立ち上がり。
「きゅ、休憩終わり!あっちで修行してくるから来ないで!!」
叫ぶように言って、猛ダッシュで林の中へ逃げる。
ナルトとサスケが呆然とする中、カカシの口は弧を描き、ゆっくりとサクラが逃げた方向へと歩いた。
◯小さい耳
「珍しいね、サクラが耳出してるの」
火影の執務室にハンコが必要な書類を持って来たとき、私から書類を受け取りながら先生は言う。
「髪切りに行く時間なくて」
私は肩の下まで伸びた髪が鬱陶しくて後ろで1つに纏めている。
最近本当に仕事が忙しくて、家にも寝に帰っているだけになってしまった。
目の前の恋人にもここ以外で会えていない。
「先生、早くハンコ押してよ」
「ん〜」
先生は生返事をしながら頬杖をついて私をジーと見てくる。
何故ハンコを押さないのか。
早くしてくれないと仕事が終わらないではないか。
「火影様」
「それ止めてって言ってるでしょ。ちょっとこっちおいで」
語気を強めて呼ぶと、先生が手招きするので隣まで歩く。
「髪落ちてるよ」
先生は手を伸ばして結び損ねた束を手に取る。
「あ、ありがとう。でもわざわざ呼ばなくても」
「うん、まぁ、そうなんだけどね。ずっとサクラに触ってなかったから我慢出来なくて」
ふいうちに顔に熱が集まる。
私が部屋に入ってすぐに補佐のシカマルが出て行って今は私と先生の2人きり。
先生はすぐに途端に恋人モードになって甘々になる。
こちらは恋愛経験0ですぐに切り替えるのが難しいんだから、もうちょっと私のペースに合わせてもらいたい。
そんな願いが先生に聞こえるはずもなく、髪を触っていた手が耳に触れ体が小さく跳ねる。
「サクラは耳も小さいね」
「せ、せんせ、くすぐったい・・・」
先生は耳朶や窪みを指で撫で、その度に背中がゾクゾクする。
「ん?くすぐったいだけ?」
先生は首を傾げながら小さく笑う。
その瞳は私の中で小さく燃える熱に気づいている。
素直に言えるはずもなく黙るしかない。
「それだけじゃないでしょ?」
気づいたら先生の腕が腰に回され引き寄せられる。
顔を覗き込まれ、チラッと先生の瞳を見ると、その目も熱を持っていた。
私たちはお互いの熱を冷ますため、自然に唇を合わせた。
◯好きな人の顔
『好きな人の顔はずっと見てたいものよねぇ』
先日、恋バナで盛り上がったときのいのの言葉。
すごい分かる。
「で、次の護衛任務なんだけど。ナルト。トラブル起こすなよ」
「な!ひ、ひどいってばよカカシ先生!そんなことするわけないだろ!」
「いいや、君は絶対起こすね」
「ボクも『起きる』に一楽のラーメン賭けます」
「おいサイ!!」
「それじゃ意味ないな。みんなそうだから」
「ひどすぎるってばよーー!!」
ナルトが机に俯して泣き出し、みんながナルトを見ながら笑う。
私は横目である人を見ていると、その人物がこっちを見てきてドキッとする。
「サクラは?」
「え!?」
「サクラも『起きる』に賭ける?」
「え、あ、はい。絶対ナルトは何かするに決まってるもの」
「さ、サクラちゃんまで・・・」
「ならヤマト。お前は『起きない』に賭けろ」
「え!?何でですが!」
「反対に賭けるやつがいなかったら意味がないだろ」
「なら先輩がすればいいじゃないですか!」
「0%に賭けるわけないだろ。先輩命令」
「横暴!!」
「絶対何もするなよ!」とヤマト隊長はナルトを指差し、「わかんねーなー」とナルトは頭の後ろで腕を組んでニシシと笑う。
ギャーギャー騒ぐ2人を呆れた目で見ていると、ふと視線を感じてそちらを向く。
先生がこっちを見ていて、私と目が合うと優しく微笑む先生。
自分が見る分にはいいけど、先生に見つめられると恥ずかしくて顔を逸らしてしまう。
私はみんなから見えないように緩む頬を何とかしようとするがなかなかニヤニヤが収まらず。
するとナルトが背を向ける私の顔を覗き込んでくるので思わず殴る。
先生は騒ぐ私たちを見てまた笑い、嬉しそうにする先生をみて私はまた頬を緩ませた。
◯自分だけが知ること
「でね、その時カカシ先生がね!」
「あー、もう!いい加減別の話題にしてよね。耳にタコが出来るわよ」
いのはうんざりした顔をする。
今日は久しぶりの女子会で、この間の任務でカカシ先生がいかにかっこ良かったかを話そうとしてたのに止められてしまい、頬を膨らませる。
そんなサクラを見てヒナタはクスクスと笑う。
「本当、サクラさんはカカシ先生が好きだよね」
「うん、好き」
サクラは頬を染めて微笑む。
好きだけどこの想いは伝えれない。
こんな子供に告白されたらきっと困らせてしまうから。
いつか、大人になってカカシに見合う女性になったら告白する。
早くその日が来たらいいのに。
****
「昨日サクラがずっと惚気てきてウザかったのよ、ってずっといのにグチグチ聞かされて疲れたぞ」
「はは、2人には悪いね」
全く悪びれもなく酒を煽るカカシに
アスマは睨む。
「サクラからお前の話は聞くが、お前は言わないよな」
「だってサクラの可愛いところはオレの胸の内に収めときたいからね。他の野郎に知られたくない」
「・・・本当、変な男に引っかかったなサクラの奴」
カカシはニヤニヤ笑っているのをアスマは呆れたように酒を煽る。
任務中、サクラがチラチラ見てきているのに気づき、目が合うと顔を真っ赤にして逸らす姿。
任務が終わり報告書を出しに行こうとすると付いてきて、手を繋ぎたいけどポケットに手を突っ込んでいるから触れなくてソワソワしているサクラに気づいていながらも素知らぬ顔で歩く。
そんな可愛いサクラを他人と共有しようとは思わない。
オレだけのサクラなのだから。
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