お題集
◯こたつの誘惑(R指定)
「ん〜・・・あったかぁい・・・」
年々寒くなるこの季節。
夏は冷房を極力付けないカカシ先生もさすがに寒さには勝てない。
とゆうか、寒さに弱すぎる。
冬になると背中がいつも以上に曲がっているのだ。
そしてとうとう先生の家にも導入されたこたつ。
恋人になって何日かおきに先生の家には来ていたが、こたつを買ったと聞いてから毎日訪れてここから出勤している。
もう私の家と言っても過言ではない。
こたつは魔物とはよく聞いていたが、本当にその通りだ。
1度入ったら用事があっても出れない。
だから、他の人が動いている時に頼むのだ。
「あ、せんせ〜。アイス持ってきて〜」
トイレに立った先生に可愛くおねだりする。
最近ではこのやりとりが当たり前になり、先生も呆れるがちゃんと持ってきてくれる。
「ちょっとサクラ。少しは動きなさいよ」
アイスとついでに温かいお茶も淹れてきてくれる。
向かいに座ってコタツに入り、先生もお茶を飲む。
「だって寒いんだも〜ん」
「・・・最近サクラがコタツで寝落ちするからえっち出来てないんだけど」
「だって温かいんだも〜ん」
ジト目で文句ありげに言ってくる先生を無視してアイスを食べる。
こたつで温かいまま寝れるの幸せだし、えっちしなかったら体もだるくならないし、一石二鳥よ。
「ふーん?そういう態度取るんだ」
そう言って意味ありげに笑った先生は、こたつの中で足を伸ばして私の足を絡めとる。
「ちょっと!なに!?」
足を引き抜こうとしても何故か抜けない。
ジタバタしている私を横目に足の指を絡めてきたら、足の甲を触ってきたり。
その度にくすぐったくって。
顔を真っ赤にして先生を睨んでも、本人は素知らぬ顔でお茶を飲んでいる。
油断していると先生の足が、私の足の裏を下から上へゆっくりなぞってきて。
何とも言えない感覚に背中がゾクゾクした。
「も、せ、せんせぇ・・・キブ・・・!」
あまりの羞恥に顔を机に俯す。
「あらら、これぐらいで根を上げるの?」
そう言って先生が立ち上がるのを感じて安心したのも束の間。
「あっ!」
先生が私の後ろに座って覆い被さり、服の裾から手を差し込んで胸を揉みしだく。
「ちょ・・・、やっ!」
なんとかして手を外そうとするが本気の先生に勝てる訳もなく、気づいたらブラも上げられ、直接先生に揉まれていく。
「ぁん、も・・・せん、せ・・・」
「んー?」
「ここじゃ、やだ・・・暑い・・・」
「ベッド行く?」
少し間が空いて、頷く。
すぐに先生にお姫様抱っこで持ち上げられ、寝室の方へと連れて行かれる。
後ろを見ると、食べかけのアイスが取り残されている。
終わった頃にはドロドロに溶けているだろう。
「んっ」
服を脱がされながら首を舐められ、思わず先生の服を掴む。
そしてそのまま首筋を強く吸われ紅い花が咲く。
「サクラ、これから寒くなったらオレとえっちしたらいいよ。すぐ暖かくなる」
「それ・・・先生がえっちしたいだけでしょ・・・」
「ははっ。分かった?」
先生は笑って私に深くキスをして舌を絡める。
私だって先生とするのが嫌なわけじゃない。
気持ちいいし、してる時の先生の余裕のない顔を見るのが好き。
でも、次の日が体が怠くて仕事に支障をきたすもの。
それより1番問題なのが、この男が1回で終わらせるわけがない。
寒くなったらするって1日に何回させられるのか、それだけで寒気がする。
「私、こたつ使えないなら毎日来ないわよ・・・」
「今まで我慢してたのに、そんなこと許されると思ってるの?」
目を細めさっきまでと違う雰囲気を醸し出す男に、私が抵抗出来るはずもなく。
諦めて首を横に振る私に、先生はニコリと笑って。
「これから覚悟してね、サクラ?」
◯酔っ払い
「た〜だ〜い〜ま〜」
声が聞こえて玄関に向かうと、壁にもたれかかっているカカシにサクラは慌てて駆け寄る。
「ちょっと・・・先生、大丈夫?」
「だいじょうぶ、だいじょうぶ〜」
頬を染めて手を振るカカシ。
その顔はいつもよりヘラヘラして、舌もちゃんと回っていない泥酔状態。
今日はアスマ、紅、ガイ、ヤマトと飲みに行ったのに、どれだけ飲んだらこんなデロデロになるんだ。
サクラは呆れながらキッチンから水を持ってきてカカシに渡す。
「はい、これ飲んで」
「ん〜・・・サクラ、口移しで飲ませて〜」
「何馬鹿なこと言ってるの!頭から水被せるわよ」
「冷たい・・・サクラが冷たい・・・」
顔に手を当ててシクシクと泣いたフリをするカカシに、サクラは眉間に皺を寄せて見下ろす。
「もう、いいから早く飲んでお風呂入って、」
屈んでカカシの手を掴んでコップを渡そうとした瞬間、掴んでない手で手首を掴まれ、いきなり唇を塞がれた。
「んっ!?」
危うくコップを落としそうになるが、カカシが受けとり床に置く。
そしてサクラが逃げないように頭を支えて、舌を差し込み深く唇を合わせる。
「ん、ふっ、は・・・」
サクラの口から息が漏れ出し、頭がフラフラする。
それはアルコールの匂いのせいなのか、カカシから与えられる甘さのせいなのか。
身体を支えようとカカシの肩に手を置くと、その体がピクリと揺れ。
気づいたらサクラは床に組み敷かれていた。
「えっ」
驚いて唇を離す。
「ちょっと、ここ玄関よ!?」
「ごめーんね。キスで終わろうと思ったんだけど、サクラが肩に手を置いたときにスイッチが入っちゃってさ〜」
カカシは申し訳なさそうに眉を下げる。
しかしその手は着々と衣服を脱がしていく。
サクラが抵抗したとしても、結局はカカシの思い通りになる。
サクラはため息をつき、カカシの首へと腕を伸ばす。
「・・・せめてベッドに連れてって」
そう言うと、カカシは満面の笑みで頷いた。
◯目の前に餌があれば
ここ数日、大量の事務作業や高ランクの任務に追われ睡眠不足だった。
恋人にも逢えておらず、欲求も溜まっている。
ため息を吐きながら火影の元へ向かっている時。
曲がり角の先から聴こえてきた声に反応する。
それはとても大切で大好きな人の声。
普通だったら聞き逃すだろう声だったが、人より優れた聴覚に感謝する。
「いい加減しっかりしなさいよ、ナルト」
「だってさ、だってさ、難しい漢字ばっかりで意味が分からないんだってばよ。綱手のばあちゃんにも怒られるし」
「少しは勉強しなさいよ。そんなんじゃ火影は無理ね」
「そんなー!助けてよ、サクラちゃーん」
ナルトは泣きながらサクラに抱きつく。
「ちょっと!離れてよ!」
サクラは鳩尾に拳を入れようとする前にナルトの襟首を掴み引き剥がす。
驚いた2人は突然現れたオレを見て。
「カカシ先生!」
2人はパァと笑う。
サクラは頬を染めて。
普段なら2人の反応が可愛く思えて頭を撫でるんだろうが。
今のオレは寝不足で機嫌が悪い。
しかも、恋人に男が抱きつく現場を目撃して、限界がきたらしい。
「え、ちょっと、カカシ先生!?」
オレは無言でサクラの腕を掴み、来た道を戻る。
****
上忍が与えられる執務室に入ると、さっきより書類が増えていて舌打ちを打つ。
オレの不機嫌を感じていたサクラは、ビクッと体が揺らす。
心を落ち着かせるために息を吐き、振り返りサクラを見つめる。
今日やっとサクラと会えたのに、その表情は恐怖に近かった。
「・・・ごめん、寝不足でイラついてた」
頭を掻きながら謝ると、サクラの表情は緩み笑みが生まれる。
「ちゃんと休んでよ?倒れたら元も子もないんだから」
「うん」
サクラはオレの手を掴んで微量のチャクラを流してくれる。
サクラの優しさを感じるチャクラに心が温かくなる。
だが、久しぶりの恋人の柔肌を感じて、ずっと溜まっていた欲求が顔を出す。
「サクラ・・・」
引き寄せて抱きしめる。
鼻を首筋に埋めてサクラの匂いを嗅ぐ。
女特有の香水や化粧の匂いはせず、花のような匂いに心安らぐ。
そして少し顔を離して口布を下げ、首筋を舐める。
「ひゃっ!?カカシ先生!」
オレの肩に手を当てて体を離そうとするが、離すわけがなくさらに強く抱きしめ、鎖骨へと舌を這わす。
「や、めて・・・!誰か入ってきたら・・・」
そう言いながらも肩を押す手の力は弱まっている。
「大丈夫だよ。気配で分かる。もうサクラ不足なんだ」
そう言うと、サクラの手が完全に抵抗を止めたのを感じる。
きっと可愛らしい頬は真っ赤に染まっているだろう。
顔をサクラの胸から離す。
「最後までは我慢するからさ・・・夜、オレの部屋に来てよ。そしたら仕事頑張れる」
俯いているからサクラの顔は見えないが薄紅色の頭がコクリと頷き、頬を緩ます。
サクラの頬に手を当てて顔を上げさせると、その瞳は潤み、エメラルドのように煌めいていた。
オレは目を細め、ぷっくりと紅く膨れた唇を時間が許す限り満喫したのだった。
◯来年は必ず
「あ、カカシ先生ー!」
後ろから聞き覚えのある声で呼ばれて振り返る。
手を大きく振りながら駆け寄ってくるオレンジ色、青色の甚平と、ピンクの浴衣を着た教え子たち。
「お前らよく似合ってるよ」
近くにいる黄色の髪を撫でると、ニシシと嬉しそうに笑う。
「カカシ先生可哀想だね。せっかくのお祭りに警備させられるなんて」
「まぁ、誰かがしないといけないからね」
「ただくじ引きでハズレ引いただけでしょうよ」
「煩いよ、ゲンマ」
後ろで楊枝を咥えながらツッコんでくる同期を睨む。
顔を前に戻すと、こちらを睨んでくる紅一点と目が合う。
その理由はもちろん分かっている。
眉を下げて笑うと、キッと更に睨んでナルトとサスケの手を握る。
それはオレへの嫌がらせで、もちろん醜い嫉妬が顔を出す。
「ナルト、サスケくん、早く行きましょ。みんな待ってるわ」
「うん!それじゃまたね、カカシ先生」
サクラと手を繋げた喜びを隠そうととしない少年は、手を大きく振って引っ張られていく。
教え子たちの姿が人波の中に消えていくのを見届けて、ため息を吐く。
「ご機嫌斜めだったな、お前のお姫様」
2人きりになった途端言葉が砕けて茶化す気満々の男を一瞥して、もう見えない桃色が去った方向をジッと見つめる。
1ヶ月前。
夏祭りの日程が決まり、まだ幼い恋人から2人で行こうとお願いされ、もちろん了承した。
その時の嬉しそうな顔を今でも覚えている。
しかし1週間前。
任務が入っていない中忍・上忍で祭りの警備に回ることになっていた。
上忍師になるまで毎年任務に入っていたからこのような仕事があるとは知らなかった。
そしてくじ引きをさせられて、引いた棒の先は赤く塗られていて。
同じハズレを引いたゲンマからは背中をバシバシ叩かれて、オレはくじ運の無さに嘆いた。
一緒に祭りに行けなくなったことを伝えると、大きな瞳からどんどん涙が溢れ出す。
唇を噛み締める彼女を抱きしめようとすると、その手を叩かれてサクラは部屋を飛び出した。
それからサクラは任務では全く口を聞かず、オレの部屋にも来ていない。
「・・・ゲンマ」
「なんだ?」
振り返らず呼ぶと、オレの言いたいことが分かっている感じだった。
「ちょっと抜ける」
「何か奢れよ」
分かった、オレはそう言ってその場に煙だけを残した。
****
カカシ先生と別れた私たちは境内で待ち合わせをしている同期たちの元へと向かう。
せっかくのお祭りなのに、私の頭の中は先生でいっぱいだった。
前に進むほど人波が激しくなりなかなか前に進めなくなる。
離れないようにしないと、と思った矢先、ナルトが悲鳴をあげなから人波に流されていった。
「あのウスラトンカチ・・・!サクラは動くな!」
私が頷くのを確認してサスケくんはナルトが消えてった方向へと向かった。
私はなんとか人を避けて路地裏へと避難する。
ここで待ってれば気づくかな、と思っていると、いきなり後ろから力強く腕を引っ張られた。
悲鳴を上げようとしたが口を塞がれる。
逃げられない状況に心の中で先生に助けを求めると。
「サクラ。オレだよ」
その声に目を見開く。
光の入らない路地裏にだんだん目が慣れてきて、ようやくその人物の顔が見える。
「か、カカシ先生・・・!?」
不審者と思った人物はまさかの恋人で、開いた口が塞がらない。
その隙に先生は顔を寄せてキスをしてくる。
驚いて閉じようとするが、一瞬で舌を侵入してくる。
「ん、はっ・・・、っ!ま、まって!」
蕩けるキスに夢中になっていると、先生の手が浴衣の中に差し込まれ足の際どいところを撫でてくる。
私は慌ててその手を掴むと、先生は少し不機嫌になって口を離す。
「せ、先生、何でここに・・・!警備はどうしたのよ」
「ゲンマに任せてきた。って言っても、すぐに戻らないといけないけどね」
そう言いながらまた唇を合わせる。
早く戻さなきゃ、そう思っても離れたくなくて無意識に先生のベストを掴む。
激しく絡む先生の舌に拙いながらも懸命に応えと、強く抱きしめられ更に激しくなる。
どのくらいそうしていたのか。
もう息が苦しくて先生の胸を叩くと、名残惜しそうに唇が離れ糸が切れる。
「サクラ」
「・・・なに?」
「来年は2人で来よう」
私の頬を撫でて微笑んでくる先生。その言葉が嬉しいのに素直になれない。
頬を膨らませて横を向く。
「どうせまたハズレ引くんじゃないの?」
「引かない」
「そんなの分からないじゃない」
「約束する。だからサクラも、可愛い浴衣を見せるのも手を繋ぐのもオレだけって約束して」
顔を戻すと、先生はじっと見つめてきて嫉妬を露わにする
それが嬉しくて、嬉しくて。
「じゃあ、約束よ」
「あぁ、約束だ」
私たちはそう言って、また深く長く唇を合わせた。
「サクラちゃーん!」
路地裏で1人で待っていると、2人が戻ってくる。
「もう。怪我してないでしょうね」
「だいじょーぶ!」
ニシシと笑うナルトをボロボロなサスケは睨む。
「サクラちゃん何かあった?なんか嬉しそうだってばよ」
「え?」
まさかナルトに気づかれるほど分かりやすいのかと焦って手を当てると、確かに頬が緩んでいる。
私は満面の笑みで口元に指を当てて。
「ないしょ!」
◯何重の壁(R指定)
「あぁ、ん!」
暗闇の中ベッドの上で抱かれ揺さぶられ、声が抑えることが出来ない。
静かな部屋の中で聞こえるのは、獣のような息と、肌がぶつかる音、そして水音。
絶え間なくサクラを喘がすのは、師にして上司、そして里の長となった銀髪の男。
サクラとカカシは恋人ではない。
ナルトとサスケが里から居なくなって寂しさを紛らわせる為か。
気づいたら身体を重ね、ずるずると名もない関係が続いている。
身体から始まったものは、サクラの心の中で少しずつ大きくなるものがある。
伝えたい、でも言えない。
言ったらこの繋がりが終わってしまうから。
****
コンコン
「どうぞー」
ドアの向こうから呑気な声が聞こえドアを開ける。
「失礼します。六代目、頼まれてた書類持ってきました」
「あぁ、ありがとー」
火影机まで歩き書類を差し出すと、別の書類を見ていた顔が顔を上げる。
手が伸ばされ、書類を受け取ると思って油断していると、カカシの手はサクラの手首を掴む。
「!」
サクラはびっくりして声を上げそうになるが、後ろには仕事をしている同期がいるため寸前で止める。
カカシはグイッとサクラの手を引き寄せ、顔を耳に寄せる。
口布を付けてても感じる吐息に、サクラの体が跳ねる。
「今日、仕事終わったらオレの部屋に来て」
私だけに聞こえるように呟いたその言葉の意味が分からないほど純粋ではなくて。
頬を染め、この距離から解放されたくてコクコクと頷くとようやく手を離してくれた。
「そ、それじゃ・・・失礼します」
「うん、仕事頑張ってね」
足早に執務室のドアへと向い、後ろから聞こえた声に鼓動が止まらなかった。
****
約束通りカカシの部屋に入った途端ベッドに押し倒された。
もう!?、と顔を真っ赤にして見上げる顔は、何故か怖い顔をしていて。
「あの男、誰」
「・・・あの男?」
突拍子もない言葉に眉間に皺を寄せる。
「昼間、男と並んで外歩いてたでしょ」
「え?・・・あぁ、同僚よ。一緒に作業してたからお昼誘われて」
「あんなに笑って何話してたの」
「別に・・・仕事の話だけど」
「ふぅん」
カカシが何を言いたいのか全く分からないが、ある想いが頭をよぎる。
ときめく小さい胸を押さえて。
「なんで、そんな事聞くの?」
サクラの服を脱がしながら首筋に顔を埋めるカカシは顔を上げ、眉を下げて苦笑する。
「・・・なんでだろうね」
そう言って口を塞がれ身体を開かされる。
いつものように、いつもより激しく甘く溶かされる感覚に抗えない。
人が良さそうに笑いながら、何重もの壁を作り誰も寄せ付けない男。
その壁を少し壊せたような感じがした。
もっとその壁を壊したくて、身体を揺さぶってくる男の背中に爪を立てると、更に激しくぶつかる身体。
ーーもし気持ちを伝えたら、この壁は無くなりますか?
「ん〜・・・あったかぁい・・・」
年々寒くなるこの季節。
夏は冷房を極力付けないカカシ先生もさすがに寒さには勝てない。
とゆうか、寒さに弱すぎる。
冬になると背中がいつも以上に曲がっているのだ。
そしてとうとう先生の家にも導入されたこたつ。
恋人になって何日かおきに先生の家には来ていたが、こたつを買ったと聞いてから毎日訪れてここから出勤している。
もう私の家と言っても過言ではない。
こたつは魔物とはよく聞いていたが、本当にその通りだ。
1度入ったら用事があっても出れない。
だから、他の人が動いている時に頼むのだ。
「あ、せんせ〜。アイス持ってきて〜」
トイレに立った先生に可愛くおねだりする。
最近ではこのやりとりが当たり前になり、先生も呆れるがちゃんと持ってきてくれる。
「ちょっとサクラ。少しは動きなさいよ」
アイスとついでに温かいお茶も淹れてきてくれる。
向かいに座ってコタツに入り、先生もお茶を飲む。
「だって寒いんだも〜ん」
「・・・最近サクラがコタツで寝落ちするからえっち出来てないんだけど」
「だって温かいんだも〜ん」
ジト目で文句ありげに言ってくる先生を無視してアイスを食べる。
こたつで温かいまま寝れるの幸せだし、えっちしなかったら体もだるくならないし、一石二鳥よ。
「ふーん?そういう態度取るんだ」
そう言って意味ありげに笑った先生は、こたつの中で足を伸ばして私の足を絡めとる。
「ちょっと!なに!?」
足を引き抜こうとしても何故か抜けない。
ジタバタしている私を横目に足の指を絡めてきたら、足の甲を触ってきたり。
その度にくすぐったくって。
顔を真っ赤にして先生を睨んでも、本人は素知らぬ顔でお茶を飲んでいる。
油断していると先生の足が、私の足の裏を下から上へゆっくりなぞってきて。
何とも言えない感覚に背中がゾクゾクした。
「も、せ、せんせぇ・・・キブ・・・!」
あまりの羞恥に顔を机に俯す。
「あらら、これぐらいで根を上げるの?」
そう言って先生が立ち上がるのを感じて安心したのも束の間。
「あっ!」
先生が私の後ろに座って覆い被さり、服の裾から手を差し込んで胸を揉みしだく。
「ちょ・・・、やっ!」
なんとかして手を外そうとするが本気の先生に勝てる訳もなく、気づいたらブラも上げられ、直接先生に揉まれていく。
「ぁん、も・・・せん、せ・・・」
「んー?」
「ここじゃ、やだ・・・暑い・・・」
「ベッド行く?」
少し間が空いて、頷く。
すぐに先生にお姫様抱っこで持ち上げられ、寝室の方へと連れて行かれる。
後ろを見ると、食べかけのアイスが取り残されている。
終わった頃にはドロドロに溶けているだろう。
「んっ」
服を脱がされながら首を舐められ、思わず先生の服を掴む。
そしてそのまま首筋を強く吸われ紅い花が咲く。
「サクラ、これから寒くなったらオレとえっちしたらいいよ。すぐ暖かくなる」
「それ・・・先生がえっちしたいだけでしょ・・・」
「ははっ。分かった?」
先生は笑って私に深くキスをして舌を絡める。
私だって先生とするのが嫌なわけじゃない。
気持ちいいし、してる時の先生の余裕のない顔を見るのが好き。
でも、次の日が体が怠くて仕事に支障をきたすもの。
それより1番問題なのが、この男が1回で終わらせるわけがない。
寒くなったらするって1日に何回させられるのか、それだけで寒気がする。
「私、こたつ使えないなら毎日来ないわよ・・・」
「今まで我慢してたのに、そんなこと許されると思ってるの?」
目を細めさっきまでと違う雰囲気を醸し出す男に、私が抵抗出来るはずもなく。
諦めて首を横に振る私に、先生はニコリと笑って。
「これから覚悟してね、サクラ?」
◯酔っ払い
「た〜だ〜い〜ま〜」
声が聞こえて玄関に向かうと、壁にもたれかかっているカカシにサクラは慌てて駆け寄る。
「ちょっと・・・先生、大丈夫?」
「だいじょうぶ、だいじょうぶ〜」
頬を染めて手を振るカカシ。
その顔はいつもよりヘラヘラして、舌もちゃんと回っていない泥酔状態。
今日はアスマ、紅、ガイ、ヤマトと飲みに行ったのに、どれだけ飲んだらこんなデロデロになるんだ。
サクラは呆れながらキッチンから水を持ってきてカカシに渡す。
「はい、これ飲んで」
「ん〜・・・サクラ、口移しで飲ませて〜」
「何馬鹿なこと言ってるの!頭から水被せるわよ」
「冷たい・・・サクラが冷たい・・・」
顔に手を当ててシクシクと泣いたフリをするカカシに、サクラは眉間に皺を寄せて見下ろす。
「もう、いいから早く飲んでお風呂入って、」
屈んでカカシの手を掴んでコップを渡そうとした瞬間、掴んでない手で手首を掴まれ、いきなり唇を塞がれた。
「んっ!?」
危うくコップを落としそうになるが、カカシが受けとり床に置く。
そしてサクラが逃げないように頭を支えて、舌を差し込み深く唇を合わせる。
「ん、ふっ、は・・・」
サクラの口から息が漏れ出し、頭がフラフラする。
それはアルコールの匂いのせいなのか、カカシから与えられる甘さのせいなのか。
身体を支えようとカカシの肩に手を置くと、その体がピクリと揺れ。
気づいたらサクラは床に組み敷かれていた。
「えっ」
驚いて唇を離す。
「ちょっと、ここ玄関よ!?」
「ごめーんね。キスで終わろうと思ったんだけど、サクラが肩に手を置いたときにスイッチが入っちゃってさ〜」
カカシは申し訳なさそうに眉を下げる。
しかしその手は着々と衣服を脱がしていく。
サクラが抵抗したとしても、結局はカカシの思い通りになる。
サクラはため息をつき、カカシの首へと腕を伸ばす。
「・・・せめてベッドに連れてって」
そう言うと、カカシは満面の笑みで頷いた。
◯目の前に餌があれば
ここ数日、大量の事務作業や高ランクの任務に追われ睡眠不足だった。
恋人にも逢えておらず、欲求も溜まっている。
ため息を吐きながら火影の元へ向かっている時。
曲がり角の先から聴こえてきた声に反応する。
それはとても大切で大好きな人の声。
普通だったら聞き逃すだろう声だったが、人より優れた聴覚に感謝する。
「いい加減しっかりしなさいよ、ナルト」
「だってさ、だってさ、難しい漢字ばっかりで意味が分からないんだってばよ。綱手のばあちゃんにも怒られるし」
「少しは勉強しなさいよ。そんなんじゃ火影は無理ね」
「そんなー!助けてよ、サクラちゃーん」
ナルトは泣きながらサクラに抱きつく。
「ちょっと!離れてよ!」
サクラは鳩尾に拳を入れようとする前にナルトの襟首を掴み引き剥がす。
驚いた2人は突然現れたオレを見て。
「カカシ先生!」
2人はパァと笑う。
サクラは頬を染めて。
普段なら2人の反応が可愛く思えて頭を撫でるんだろうが。
今のオレは寝不足で機嫌が悪い。
しかも、恋人に男が抱きつく現場を目撃して、限界がきたらしい。
「え、ちょっと、カカシ先生!?」
オレは無言でサクラの腕を掴み、来た道を戻る。
****
上忍が与えられる執務室に入ると、さっきより書類が増えていて舌打ちを打つ。
オレの不機嫌を感じていたサクラは、ビクッと体が揺らす。
心を落ち着かせるために息を吐き、振り返りサクラを見つめる。
今日やっとサクラと会えたのに、その表情は恐怖に近かった。
「・・・ごめん、寝不足でイラついてた」
頭を掻きながら謝ると、サクラの表情は緩み笑みが生まれる。
「ちゃんと休んでよ?倒れたら元も子もないんだから」
「うん」
サクラはオレの手を掴んで微量のチャクラを流してくれる。
サクラの優しさを感じるチャクラに心が温かくなる。
だが、久しぶりの恋人の柔肌を感じて、ずっと溜まっていた欲求が顔を出す。
「サクラ・・・」
引き寄せて抱きしめる。
鼻を首筋に埋めてサクラの匂いを嗅ぐ。
女特有の香水や化粧の匂いはせず、花のような匂いに心安らぐ。
そして少し顔を離して口布を下げ、首筋を舐める。
「ひゃっ!?カカシ先生!」
オレの肩に手を当てて体を離そうとするが、離すわけがなくさらに強く抱きしめ、鎖骨へと舌を這わす。
「や、めて・・・!誰か入ってきたら・・・」
そう言いながらも肩を押す手の力は弱まっている。
「大丈夫だよ。気配で分かる。もうサクラ不足なんだ」
そう言うと、サクラの手が完全に抵抗を止めたのを感じる。
きっと可愛らしい頬は真っ赤に染まっているだろう。
顔をサクラの胸から離す。
「最後までは我慢するからさ・・・夜、オレの部屋に来てよ。そしたら仕事頑張れる」
俯いているからサクラの顔は見えないが薄紅色の頭がコクリと頷き、頬を緩ます。
サクラの頬に手を当てて顔を上げさせると、その瞳は潤み、エメラルドのように煌めいていた。
オレは目を細め、ぷっくりと紅く膨れた唇を時間が許す限り満喫したのだった。
◯来年は必ず
「あ、カカシ先生ー!」
後ろから聞き覚えのある声で呼ばれて振り返る。
手を大きく振りながら駆け寄ってくるオレンジ色、青色の甚平と、ピンクの浴衣を着た教え子たち。
「お前らよく似合ってるよ」
近くにいる黄色の髪を撫でると、ニシシと嬉しそうに笑う。
「カカシ先生可哀想だね。せっかくのお祭りに警備させられるなんて」
「まぁ、誰かがしないといけないからね」
「ただくじ引きでハズレ引いただけでしょうよ」
「煩いよ、ゲンマ」
後ろで楊枝を咥えながらツッコんでくる同期を睨む。
顔を前に戻すと、こちらを睨んでくる紅一点と目が合う。
その理由はもちろん分かっている。
眉を下げて笑うと、キッと更に睨んでナルトとサスケの手を握る。
それはオレへの嫌がらせで、もちろん醜い嫉妬が顔を出す。
「ナルト、サスケくん、早く行きましょ。みんな待ってるわ」
「うん!それじゃまたね、カカシ先生」
サクラと手を繋げた喜びを隠そうととしない少年は、手を大きく振って引っ張られていく。
教え子たちの姿が人波の中に消えていくのを見届けて、ため息を吐く。
「ご機嫌斜めだったな、お前のお姫様」
2人きりになった途端言葉が砕けて茶化す気満々の男を一瞥して、もう見えない桃色が去った方向をジッと見つめる。
1ヶ月前。
夏祭りの日程が決まり、まだ幼い恋人から2人で行こうとお願いされ、もちろん了承した。
その時の嬉しそうな顔を今でも覚えている。
しかし1週間前。
任務が入っていない中忍・上忍で祭りの警備に回ることになっていた。
上忍師になるまで毎年任務に入っていたからこのような仕事があるとは知らなかった。
そしてくじ引きをさせられて、引いた棒の先は赤く塗られていて。
同じハズレを引いたゲンマからは背中をバシバシ叩かれて、オレはくじ運の無さに嘆いた。
一緒に祭りに行けなくなったことを伝えると、大きな瞳からどんどん涙が溢れ出す。
唇を噛み締める彼女を抱きしめようとすると、その手を叩かれてサクラは部屋を飛び出した。
それからサクラは任務では全く口を聞かず、オレの部屋にも来ていない。
「・・・ゲンマ」
「なんだ?」
振り返らず呼ぶと、オレの言いたいことが分かっている感じだった。
「ちょっと抜ける」
「何か奢れよ」
分かった、オレはそう言ってその場に煙だけを残した。
****
カカシ先生と別れた私たちは境内で待ち合わせをしている同期たちの元へと向かう。
せっかくのお祭りなのに、私の頭の中は先生でいっぱいだった。
前に進むほど人波が激しくなりなかなか前に進めなくなる。
離れないようにしないと、と思った矢先、ナルトが悲鳴をあげなから人波に流されていった。
「あのウスラトンカチ・・・!サクラは動くな!」
私が頷くのを確認してサスケくんはナルトが消えてった方向へと向かった。
私はなんとか人を避けて路地裏へと避難する。
ここで待ってれば気づくかな、と思っていると、いきなり後ろから力強く腕を引っ張られた。
悲鳴を上げようとしたが口を塞がれる。
逃げられない状況に心の中で先生に助けを求めると。
「サクラ。オレだよ」
その声に目を見開く。
光の入らない路地裏にだんだん目が慣れてきて、ようやくその人物の顔が見える。
「か、カカシ先生・・・!?」
不審者と思った人物はまさかの恋人で、開いた口が塞がらない。
その隙に先生は顔を寄せてキスをしてくる。
驚いて閉じようとするが、一瞬で舌を侵入してくる。
「ん、はっ・・・、っ!ま、まって!」
蕩けるキスに夢中になっていると、先生の手が浴衣の中に差し込まれ足の際どいところを撫でてくる。
私は慌ててその手を掴むと、先生は少し不機嫌になって口を離す。
「せ、先生、何でここに・・・!警備はどうしたのよ」
「ゲンマに任せてきた。って言っても、すぐに戻らないといけないけどね」
そう言いながらまた唇を合わせる。
早く戻さなきゃ、そう思っても離れたくなくて無意識に先生のベストを掴む。
激しく絡む先生の舌に拙いながらも懸命に応えと、強く抱きしめられ更に激しくなる。
どのくらいそうしていたのか。
もう息が苦しくて先生の胸を叩くと、名残惜しそうに唇が離れ糸が切れる。
「サクラ」
「・・・なに?」
「来年は2人で来よう」
私の頬を撫でて微笑んでくる先生。その言葉が嬉しいのに素直になれない。
頬を膨らませて横を向く。
「どうせまたハズレ引くんじゃないの?」
「引かない」
「そんなの分からないじゃない」
「約束する。だからサクラも、可愛い浴衣を見せるのも手を繋ぐのもオレだけって約束して」
顔を戻すと、先生はじっと見つめてきて嫉妬を露わにする
それが嬉しくて、嬉しくて。
「じゃあ、約束よ」
「あぁ、約束だ」
私たちはそう言って、また深く長く唇を合わせた。
「サクラちゃーん!」
路地裏で1人で待っていると、2人が戻ってくる。
「もう。怪我してないでしょうね」
「だいじょーぶ!」
ニシシと笑うナルトをボロボロなサスケは睨む。
「サクラちゃん何かあった?なんか嬉しそうだってばよ」
「え?」
まさかナルトに気づかれるほど分かりやすいのかと焦って手を当てると、確かに頬が緩んでいる。
私は満面の笑みで口元に指を当てて。
「ないしょ!」
◯何重の壁(R指定)
「あぁ、ん!」
暗闇の中ベッドの上で抱かれ揺さぶられ、声が抑えることが出来ない。
静かな部屋の中で聞こえるのは、獣のような息と、肌がぶつかる音、そして水音。
絶え間なくサクラを喘がすのは、師にして上司、そして里の長となった銀髪の男。
サクラとカカシは恋人ではない。
ナルトとサスケが里から居なくなって寂しさを紛らわせる為か。
気づいたら身体を重ね、ずるずると名もない関係が続いている。
身体から始まったものは、サクラの心の中で少しずつ大きくなるものがある。
伝えたい、でも言えない。
言ったらこの繋がりが終わってしまうから。
****
コンコン
「どうぞー」
ドアの向こうから呑気な声が聞こえドアを開ける。
「失礼します。六代目、頼まれてた書類持ってきました」
「あぁ、ありがとー」
火影机まで歩き書類を差し出すと、別の書類を見ていた顔が顔を上げる。
手が伸ばされ、書類を受け取ると思って油断していると、カカシの手はサクラの手首を掴む。
「!」
サクラはびっくりして声を上げそうになるが、後ろには仕事をしている同期がいるため寸前で止める。
カカシはグイッとサクラの手を引き寄せ、顔を耳に寄せる。
口布を付けてても感じる吐息に、サクラの体が跳ねる。
「今日、仕事終わったらオレの部屋に来て」
私だけに聞こえるように呟いたその言葉の意味が分からないほど純粋ではなくて。
頬を染め、この距離から解放されたくてコクコクと頷くとようやく手を離してくれた。
「そ、それじゃ・・・失礼します」
「うん、仕事頑張ってね」
足早に執務室のドアへと向い、後ろから聞こえた声に鼓動が止まらなかった。
****
約束通りカカシの部屋に入った途端ベッドに押し倒された。
もう!?、と顔を真っ赤にして見上げる顔は、何故か怖い顔をしていて。
「あの男、誰」
「・・・あの男?」
突拍子もない言葉に眉間に皺を寄せる。
「昼間、男と並んで外歩いてたでしょ」
「え?・・・あぁ、同僚よ。一緒に作業してたからお昼誘われて」
「あんなに笑って何話してたの」
「別に・・・仕事の話だけど」
「ふぅん」
カカシが何を言いたいのか全く分からないが、ある想いが頭をよぎる。
ときめく小さい胸を押さえて。
「なんで、そんな事聞くの?」
サクラの服を脱がしながら首筋に顔を埋めるカカシは顔を上げ、眉を下げて苦笑する。
「・・・なんでだろうね」
そう言って口を塞がれ身体を開かされる。
いつものように、いつもより激しく甘く溶かされる感覚に抗えない。
人が良さそうに笑いながら、何重もの壁を作り誰も寄せ付けない男。
その壁を少し壊せたような感じがした。
もっとその壁を壊したくて、身体を揺さぶってくる男の背中に爪を立てると、更に激しくぶつかる身体。
ーーもし気持ちを伝えたら、この壁は無くなりますか?
4/5ページ