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恋人未満(長編)

サスケくんが暁に入って八尾を手にかけた。
それに激怒した雷影が、意識不明の綱手に代わり火影になったダンゾウにサスケくんの処分の許可を求め承諾された。



それを聞いたとき、私は決意した。


サスケくんは私が手を下す。



ナルトを説得しに行ったが私の嘘はすぐに見抜かれた。
その後ろにいたカカシ先生は何か言いたそうに私を見てきて、その視線に耐えきれなくてその場を離れる。


私はキバとリーさん、サイとの小隊でサスケくんを探し、キバが匂いで見つけたときに3人を睡眠玉で眠らせた。

ーー多分起きたら怒られるな、特にキバに。

私は苦笑いしながらその場を離れた。



****


キバに教えて貰った報告に行くと、サスケくんが瀕死になっている女性にトドメを刺そうとしていたのだ。
私は慌てて大声で止めると、振り向いたサスケくんの目が冷たくなっていていた。

それを見た瞬間泣きそうになった。
カカシ先生の後ろを歩いて3人で馬鹿をしていたあの時には戻れないんだって思ったから。



私はまた嘘をついた。

木ノ葉を裏切ってサスケくんについていくって。
私の心を試すためにサスケくんが殺そうとしていた人を殺せと。

私はクナイを手に覚悟を決めたとき、女性が悲痛の言葉を言った。




「やめろ・・・サスケ・・・」




その声に驚いて振り返ると、後ろにいたサスケくんが私を貫こうとしていたのだ。


ーーあぁ、殺される。


目を閉じることも出来ずにいると


気付いたらカカシ先生の背中に守られていた。


「カ、カカシ先生・・・」

目を見開いて呼ぶと、肩越しに先生と目が合う。

「サクラ。重荷をお前が背負わなくていいんだよ。お前たちがバラバラになったのはオレが不甲斐なかったからだ。すまない」

眉を下げて謝ってくる先生に頭を横に振る。


ーーそんなことない。先生はいっぱい私を助けてくれた。


「お前の覚悟の重さは、オレが受け取るよ」

先生はいつものように私を安心させるように笑う。
そして先生は女性を治すよう私に託し、サスケくんとともに橋の下に降りた。
私がしようとしたことを先生が代わりにする為に。



ーーそんな重荷、先生に背負わせない。私がーー。




サスケくんの隙をついて近づいて背中を毒のクナイで貫こうとした。


なのに。

覚悟を決めたのに。


私にはまだ・・・殺せないの・・・。



「サクラ!!よせ!サスケ!!」



クナイを奪われてクナイを突き立てようとするサスケくん。
その後ろで助けようと走ってくるカカシ先生が見えた。


ーーあぁ。私はまた結局何も出来なかった・・・。



「サクラァ!」


カカシ先生の叫び声が聞こえ、薄れいく意識の中で温かいものに包まれた。


「ナルト・・・」
「サクラちゃん、大丈夫か」

私は小さく頷くと安心して体を離す。

「ナルト・・・いいタイミングだ」

私たちの元にきた先生がチラッと私を見て息を吐いた。

「お前たちはここから消えろ。ここにいれば見たくないものを見る・・・早く行け」



それはつまり、カカシ先生が・・・


先生とサスケくんが対峙しようとしたとき、ナルトが先生を後ろから掴みかかる。

「おいナルト!!」

先生の制止も聞かずにナルトは螺旋丸を、サスケくんは千鳥をお互いにぶつける。






2人が互いの攻撃によって吹き飛んだ後、サスケくんはマダラと共にこの場を去った。
私はチラッとナルトを見ると、何か吹っ切れた顔をして倒れた。




「さて、それじゃ木ノ葉に帰りますか」

私の毒のクナイで倒れたナルトを治療し終わると、先生はサスケくんの仲間だった女の人を背負っていた。


「でも帰る前に、置いてきた忘れ物を取りに行かなくちゃね、サクラ?」

ーー忘れ物・・・?

先生の言葉に頭を考えると、私が薬で眠らせた3人の顔が浮かび上がる。
私はすっかり忘れていた仲間を思い出した顔をすると先生は苦笑した。


****


カカシ先生が端に運んでくれていた3人を起こして謝罪し、みんなで木ノ葉に帰っている時だった。

木ノ葉の暗部が現れ、ダンゾウが死んだこと、そして次の火影にカカシ先生が選ばれるということを聞かされた。

「え、カカシ先生火影になるんですか!?」

私が慌てて先生に聞くと、先生は眉を下げて「なんかそうなるみたい」と笑った。


それは先生が私たちだけの先生じゃなくなるということ。


「それは・・・おめでとうございます」
「まだ正式に決まったわけじゃないよ」

先生の顔を見れずに祝福すると、頭をクシャッと撫でられた。





私の心が落ち着かない。


楽しかった第七班。
4人でいたのに気づいたらカカシ先生と私だけになって。
お互い1人にならないように固く手を繋いでいると思ったのに。



先生の手はいつの間にか離れていた。

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