short.1
「あら、カカシ先生!」
任務が休みの日。
久しぶりの休暇にダラダラと昼まで惰眠を貪り、昼に何かを食べようとフラフラと里を歩いていると誰かに呼ばれる。
振り返ると、そこには家の前で掃き掃除をしていたサクラのお母さんだった。
「あ、どうも。こんにちは」
「おぉ、カカシ先生じゃないですか!」
母の声に父も家から出てくる。
どれだけ地獄耳なんだ。
「どうも〜」
気づいたらサクラの両親に捕まってしまった。
こんなことなら家で食べれば良かったと後悔し始める。
「うちのサクラ、ご迷惑かけてませんか?誰に似たのか、無駄に負けん気が強いから」
サクラの母は頬に手を当ててため息を吐く。
明らかに母親譲りなのだが、その言葉を飲み込む。
「大丈夫ですよ。娘さんはしっかり者なので、逆に助けられてばかりです」
オレは情けなさそうに頭を掻くと、サクラの母は安心したように胸を撫で下ろす。
すると。
「で、結婚式の日にちはいつになりそうですかな?」
「──は?」
いきなり母の隣に立つサクラの父がニコニコ髭を撫でながら突拍子もないことを言ってきた。
「・・・結婚式、ですか?それはどなたの・・・」
「そりゃ、うちの子と先生のに決まってるじゃないですか」
はっはっは、と笑う父親にオレは目玉が飛び出るのではないかというぐらい見開く。
オレとサクラはただの上司と部下で、それ以上の関係ではない。
それがいきなりなんでそんな話に・・・。
「もう、お父さんったら!」
父の隣に立つ母が思い切り父の肩を叩く。
止めてくれると、ほっとしていると。
「先に入籍が先でしょ!」
人生で1日にこんなに驚いた日はあっただろうか。
頭を抱えるオレをおいて、2人は何故かオレとサクラの結婚話で盛り上がっている。
なんでこんなことになったのか・・・。
オレではこの2人を止められないと諦めていると。
「ちょっとお母さん!お父さん!!」
目の前の家のドアが勢いよく開いたと思ったら、顔を真っ赤にしたサクラが階段を駆け降りる。
「あら、サクラ」
母がサクラを呼ぶが、それに応えずオレと2人の間に入る。
「ご、ごめんなさいカカシ先生!2人が変なこと言って!」
サクラにも話が聞こえていたらしく、今までに見たことのない顔の赤さ。
髪も耳も父親譲りらしい。
「変なことって何だサクラ」
「そうよ。あんたが毎日カカシ先生の話をしてるから、てっきり・・・」
「わー!わー!わー!!」
サクラは母親の言葉を遮るように両腕を振って大声を出す。
サクラはオレの手をいきなり引っ張って。
「え、サクラ」
「いいから来て!」
サクラは両親からオレを離したいのか、力強くオレを引っ張って歩き出す。
オレは後ろを向いて御両親に軽く会釈をしてサクラを見ると、髪から覗く耳が髪より赤く染まっていた。
いつもオレの話をしていたからオレたちが付き合っていると勘違いした御両親。
それが嬉しくて、オレはサクラの手を握り直して大人しく付いて歩いたのだった。
任務が休みの日。
久しぶりの休暇にダラダラと昼まで惰眠を貪り、昼に何かを食べようとフラフラと里を歩いていると誰かに呼ばれる。
振り返ると、そこには家の前で掃き掃除をしていたサクラのお母さんだった。
「あ、どうも。こんにちは」
「おぉ、カカシ先生じゃないですか!」
母の声に父も家から出てくる。
どれだけ地獄耳なんだ。
「どうも〜」
気づいたらサクラの両親に捕まってしまった。
こんなことなら家で食べれば良かったと後悔し始める。
「うちのサクラ、ご迷惑かけてませんか?誰に似たのか、無駄に負けん気が強いから」
サクラの母は頬に手を当ててため息を吐く。
明らかに母親譲りなのだが、その言葉を飲み込む。
「大丈夫ですよ。娘さんはしっかり者なので、逆に助けられてばかりです」
オレは情けなさそうに頭を掻くと、サクラの母は安心したように胸を撫で下ろす。
すると。
「で、結婚式の日にちはいつになりそうですかな?」
「──は?」
いきなり母の隣に立つサクラの父がニコニコ髭を撫でながら突拍子もないことを言ってきた。
「・・・結婚式、ですか?それはどなたの・・・」
「そりゃ、うちの子と先生のに決まってるじゃないですか」
はっはっは、と笑う父親にオレは目玉が飛び出るのではないかというぐらい見開く。
オレとサクラはただの上司と部下で、それ以上の関係ではない。
それがいきなりなんでそんな話に・・・。
「もう、お父さんったら!」
父の隣に立つ母が思い切り父の肩を叩く。
止めてくれると、ほっとしていると。
「先に入籍が先でしょ!」
人生で1日にこんなに驚いた日はあっただろうか。
頭を抱えるオレをおいて、2人は何故かオレとサクラの結婚話で盛り上がっている。
なんでこんなことになったのか・・・。
オレではこの2人を止められないと諦めていると。
「ちょっとお母さん!お父さん!!」
目の前の家のドアが勢いよく開いたと思ったら、顔を真っ赤にしたサクラが階段を駆け降りる。
「あら、サクラ」
母がサクラを呼ぶが、それに応えずオレと2人の間に入る。
「ご、ごめんなさいカカシ先生!2人が変なこと言って!」
サクラにも話が聞こえていたらしく、今までに見たことのない顔の赤さ。
髪も耳も父親譲りらしい。
「変なことって何だサクラ」
「そうよ。あんたが毎日カカシ先生の話をしてるから、てっきり・・・」
「わー!わー!わー!!」
サクラは母親の言葉を遮るように両腕を振って大声を出す。
サクラはオレの手をいきなり引っ張って。
「え、サクラ」
「いいから来て!」
サクラは両親からオレを離したいのか、力強くオレを引っ張って歩き出す。
オレは後ろを向いて御両親に軽く会釈をしてサクラを見ると、髪から覗く耳が髪より赤く染まっていた。
いつもオレの話をしていたからオレたちが付き合っていると勘違いした御両親。
それが嬉しくて、オレはサクラの手を握り直して大人しく付いて歩いたのだった。
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