特別任務
サクラは悩んでいた。
手に持っているのはサクラだけの特別な任務書。
紅からくノ一になるための特別な任務だと言われた。
それは
『任務だとバレずに異性にキス(ほっぺでも可)』
サクラは腕を組みながら紙を見て唸る。
サスケくんは無理。私が死ぬ。
ナルトも論外。もしそんなことしたら絶対調子に乗る。
となると、消去法的に候補は1人になるわけで。
****
「カカシ先生!」
次の日。
この日はタイミングよく七班の任務がお休みだった。
行き交う人の中、頭1つ出てる探し人を見つけて声をかける。
「おー、サクラ」
その人物はゆっくり振り返り、私を見つけるとにっこりと笑いかけてくる。
「先生、これから一緒にお茶でもどうですか?」
「珍しいね。サクラがオレを誘うなんて」
先生はビックリして、探るような目で私を見てくる。
「最近先生と2人で話す機会なかったからどうかなって。ダメ?」
私は必殺の首傾げ上目遣いで何とか誤魔化す。
少しでもボロを出したら上忍の先生にはすぐにバレてしまう。
先生は少し何かを考えているようで、内心すごいドキドキしている。
「いいよ。行こうか」
先生はにっこりと笑って手を差し出してくる。
私はほっとして、その手を取って一緒に歩き出した。
「どこ行くんだ?」
「え、えっとね・・・」
特に場所を決めていなかったので、慌てて考えていると。
「サクラちゃーん!」
目の前からナルトが腕を大きく振って近寄ってくる。
私は慌てて先生の手を離す。
「あれ、カカシ先生も一緒?どこか行くの?」
「あぁ、これから──」
「ナルト!そういえばヒナタがあんたを探してたわよ!」
先生がナルトもお茶に誘おうとしている雰囲気を感じ取って言葉を遮る。
先生の視線を感じるけど目を合わせれない。
もしナルトがいたらボロが出る確率が上がってしまう。
「え、そうなの?それじゃ行ってくるってばよ!」
「う、うん!またねー」
ナルトは来た時と同じように腕を振って去って行く。
チラッと先生を見ると、ジーと私を見てきていた。
「な、なに・・・?」
もうバレたのかと思って冷や汗をかく。
しかし先生は笑って。
「いいや?いこうか」
先生は何事もなかったようにまた手を繋いで歩き出す。
それからどこ行くか悩みながら歩いていると公園にたどり着き、ベンチが目に入る。
そこであることを思いつく。
「ね、先生。そこのベンチで休まない?」
「お店は行かなくていいのか?」
「疲れちゃったからそこでいいわ」
「分かった。ならそこの自販機で買ってくるよ。何がいい?」
「じゃあ、ココア」
「りょーかい」
先生が自販機で飲み物を買っているのをベンチに座って見ながら頭をフル回転させる。
作戦はこうだ。
隣に先生が座って暫く雑談をする。
そして頭に葉っぱが付いてるよと嘘をついて、少し屈んで貰ったところに頬にキスをする。
そこで任務の説明をしてサインを貰う。
(完璧だわ・・・!)
「何してんだ?」
私は無意識にガッツポーズしていると、いつのまにか先生が戻ってきていた。
「あ、あはは。何でもないのよ」
私はグーをパーにして手を横に振る。
ふーん、と首を傾げながらココアを渡してきて、先生は隣に座って缶コーヒーを飲む。
もう暖かくなってきたからホットから冷たいココアに変わっていた。
冷たいのも好きなのでニコニコ笑いながら飲んでいると、隣から「ふっ」と笑う声が聞こえた。
「なに?」
「いいや?美味しそうに飲むなと思って」
「だって美味しいんだもん」
私はココアを飲み干し息を吐くと、気持ちの良い風が吹き、風に舞う葉が目の前に落ちてきて本当の目的を思い出す。
「せ、先生!」
「ん?」
「頭に葉っぱがついてるから取ってあげる」
「あらら、ありがとー」
私は手で屈むように促すと先生は素直に応じる。
もちろん先生の頭には葉っぱなどない。
私は葉っぱを取るふりをして、目を閉じている先生の頬に唇を寄せる。
あともう少しで唇がくっ付くと思った瞬間、頭の後ろに先生の手が回って。
気づいたら唇を先生の口で塞がれていた。
リップ音を鳴らして唇が離れる。
顔が離れて見える先生の素顔。
そして奪われたファーストキス。
予想外の状況に追いついていない私に、先生はニヤリと笑って。
「まだまだだね、サクラ」
先生はそう言って勝手に私の鞄の中を漁って任務書を取り出し、任務完了のサインを書いてまた鞄に戻す。
立ち上がり、一仕事終えたように背伸びをして、「じゃ」と言って公園を立ち去って行った。
惚けている私を置いて。
それから数分後。
サクラの怒号が公園に響き渡った。
手に持っているのはサクラだけの特別な任務書。
紅からくノ一になるための特別な任務だと言われた。
それは
『任務だとバレずに異性にキス(ほっぺでも可)』
サクラは腕を組みながら紙を見て唸る。
サスケくんは無理。私が死ぬ。
ナルトも論外。もしそんなことしたら絶対調子に乗る。
となると、消去法的に候補は1人になるわけで。
****
「カカシ先生!」
次の日。
この日はタイミングよく七班の任務がお休みだった。
行き交う人の中、頭1つ出てる探し人を見つけて声をかける。
「おー、サクラ」
その人物はゆっくり振り返り、私を見つけるとにっこりと笑いかけてくる。
「先生、これから一緒にお茶でもどうですか?」
「珍しいね。サクラがオレを誘うなんて」
先生はビックリして、探るような目で私を見てくる。
「最近先生と2人で話す機会なかったからどうかなって。ダメ?」
私は必殺の首傾げ上目遣いで何とか誤魔化す。
少しでもボロを出したら上忍の先生にはすぐにバレてしまう。
先生は少し何かを考えているようで、内心すごいドキドキしている。
「いいよ。行こうか」
先生はにっこりと笑って手を差し出してくる。
私はほっとして、その手を取って一緒に歩き出した。
「どこ行くんだ?」
「え、えっとね・・・」
特に場所を決めていなかったので、慌てて考えていると。
「サクラちゃーん!」
目の前からナルトが腕を大きく振って近寄ってくる。
私は慌てて先生の手を離す。
「あれ、カカシ先生も一緒?どこか行くの?」
「あぁ、これから──」
「ナルト!そういえばヒナタがあんたを探してたわよ!」
先生がナルトもお茶に誘おうとしている雰囲気を感じ取って言葉を遮る。
先生の視線を感じるけど目を合わせれない。
もしナルトがいたらボロが出る確率が上がってしまう。
「え、そうなの?それじゃ行ってくるってばよ!」
「う、うん!またねー」
ナルトは来た時と同じように腕を振って去って行く。
チラッと先生を見ると、ジーと私を見てきていた。
「な、なに・・・?」
もうバレたのかと思って冷や汗をかく。
しかし先生は笑って。
「いいや?いこうか」
先生は何事もなかったようにまた手を繋いで歩き出す。
それからどこ行くか悩みながら歩いていると公園にたどり着き、ベンチが目に入る。
そこであることを思いつく。
「ね、先生。そこのベンチで休まない?」
「お店は行かなくていいのか?」
「疲れちゃったからそこでいいわ」
「分かった。ならそこの自販機で買ってくるよ。何がいい?」
「じゃあ、ココア」
「りょーかい」
先生が自販機で飲み物を買っているのをベンチに座って見ながら頭をフル回転させる。
作戦はこうだ。
隣に先生が座って暫く雑談をする。
そして頭に葉っぱが付いてるよと嘘をついて、少し屈んで貰ったところに頬にキスをする。
そこで任務の説明をしてサインを貰う。
(完璧だわ・・・!)
「何してんだ?」
私は無意識にガッツポーズしていると、いつのまにか先生が戻ってきていた。
「あ、あはは。何でもないのよ」
私はグーをパーにして手を横に振る。
ふーん、と首を傾げながらココアを渡してきて、先生は隣に座って缶コーヒーを飲む。
もう暖かくなってきたからホットから冷たいココアに変わっていた。
冷たいのも好きなのでニコニコ笑いながら飲んでいると、隣から「ふっ」と笑う声が聞こえた。
「なに?」
「いいや?美味しそうに飲むなと思って」
「だって美味しいんだもん」
私はココアを飲み干し息を吐くと、気持ちの良い風が吹き、風に舞う葉が目の前に落ちてきて本当の目的を思い出す。
「せ、先生!」
「ん?」
「頭に葉っぱがついてるから取ってあげる」
「あらら、ありがとー」
私は手で屈むように促すと先生は素直に応じる。
もちろん先生の頭には葉っぱなどない。
私は葉っぱを取るふりをして、目を閉じている先生の頬に唇を寄せる。
あともう少しで唇がくっ付くと思った瞬間、頭の後ろに先生の手が回って。
気づいたら唇を先生の口で塞がれていた。
リップ音を鳴らして唇が離れる。
顔が離れて見える先生の素顔。
そして奪われたファーストキス。
予想外の状況に追いついていない私に、先生はニヤリと笑って。
「まだまだだね、サクラ」
先生はそう言って勝手に私の鞄の中を漁って任務書を取り出し、任務完了のサインを書いてまた鞄に戻す。
立ち上がり、一仕事終えたように背伸びをして、「じゃ」と言って公園を立ち去って行った。
惚けている私を置いて。
それから数分後。
サクラの怒号が公園に響き渡った。
1/2ページ