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short.1

お互い任務の入っていない久しぶりの休日。
いつものように先生の部屋で、ソファーに並んで座って寛ぐ時間が好き。
でも久しぶりだからこそ、したいこともあって。
本を読んでるフリしてちらちら先生を見てるのに、先生は気づかないで
あのいかがわしい本を読んでいる。
いや、気づいている。
だって腐っても上忍だし。
気づいていて、私の様子を心の中でほくそ笑んでいるのだ。

私は本を置いて、背伸びをしたついでのふりで先生の膝に倒れ込む。
いつもとは違うアングルからでも先生はカッコいい。

「どうした?」
「暇なの」
「もう読み終わったのか?」
「うん」

嘘。
まだ半分残ってる。


先生は本を机に置き、私も体を起こす。
少し体温の低い手を私の頬に添えてきて顔を近づけてくる。
私は目を閉じて、先生の唇を待つ。

唇に先生の薄い唇が重なる。
それだけでそこから熱と嬉しい気持ちが広がる。
少しだけキスをして、顔を離す。
先生はふっと笑って、私の頭を撫でると体を離してまた本を読み始める。

(・・・え?終わり?)

私はぽかーんとする。
いつもの先生なら、押し倒して濃厚なキスをしてその先のことをするのに。
私も期待していたのに。

「どうした?」

視線に気づいた先生がさっきと同じように聞いてくる。
私の気持ちなんて分かってるのに。
いつだって先生の手のひらの上で転がされている。
悔しいのに、もうその気になってるのを抑えられない。

「・・・もっと、キス、したい」

俯いて懇願する。
こんなお願いしたことないから、顔が熱い。

「いいよ。でも」

先生は俯く私の顔を両手で持ち上げて、至近距離に顔がきて慣れてても胸が高鳴る。


「サクラからしてくれるならね」



****



「ほら、おいで」

場所を寝室に移して、先生はベッドに腰掛けている。
私はというと、部屋のドアのところでモジモジとしている。
まさか自分から先生にすることになるなんて思わなくて。
いつも先生からキスしてくれるから何をどうしたらいいのか分からない。

「サクラ」

先生の優しい声に顔を上げると、微笑んで腕を広げて待ってくれている。
私はゆっくり、ゆっくりと先生へと歩く。

近づくと先生は私の手を握ってくれる。

「せんせ、あの、私・・・」
「オレがいつもしてるみたいにすればいいから」

ね?、と顔を覗き込んでくる先生。
そんな顔されたら頷くしかないじゃない。


「目、閉じて・・・」

そう言うと先生は素直に目を閉じる。
いつもは先に私が目を閉じるから、キスで目を閉じている先生を見るのは初めて。
そっと顔を近づけて、薄い唇に自分のを軽く重ねる。
ちゅ、と鳴らして離れると、もっとしたいって気持ちが溢れて、何回もキスをする。
その間、先生はされるがまま。
いつも先生がしてくれるキスをしたいけど、恥ずかしくて止まっていると。

「サクラから舌入れて」

私の心を読んだように先生は軽く口を開ける。
私が唸っても先生はただ待っているだけ。
私は覚悟を決めて舌を先生の口に滑らす。
舌を探して、見つけて絡める。
先生みたいに吸ったり、上顎を舐めたり。
気持ちよくしたいのに、自分が気持ちよくなってる。
だって先生の口の中も舌も熱くて。


息が続かなくて口を離そうとした瞬間、先生の手が頭の後ろをガシッと掴んでまた唇が合わさる。

「んぐっ!?」

すぐに先生の舌が入ってきて、激しく絡む。

「ん、んぅ〜〜!!」

息が出来なくて先生の肩を離そうとするのに、更に力強く抱きしめられる。
ぢゅっと舌を吸われて、腰が跳ねる。
さすがに限界がきて肩を叩くと、ようやく離してくれて大きく深呼吸する。

「も、せんせ・・・」
「ごめん。サクラが可愛すぎて」

何でこんなストレートに言えるんだろうか、この男は。
気づいたらベッドに押し倒されてるし。
鼻歌歌いながら着々と服を脱がされてるし。
先生は真っ赤な顔の私にまたちゅっ、とキスをして。


「またサクラからキスしてね」


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