カグヤとの激闘の末、世界を救って暫くたったある日。
贖罪の旅からサスケくんが帰ってきて、先生も火影の仕事もひと段落したタイミングで七班の4人での慰安旅行をみんなからプレゼントされた。
その旅館はいち忍が手を出せない金額の高級旅館で。
「これ経費じゃないよな」と先生がぽそっ、と眉間に皺を寄せて呟いたのは聞かないことにした。
男は3人部屋で、私は贅沢にも個室だった。
でも1人でいるのは寂しくて、みんなの部屋をノックすると先生の伸びた返事が聞こえて襖を開ける。

「あれ、サクラどうしたの」
「1人だと広くて」
「じゃあここで休んでいきな」

寂しくて、とは恥ずかしくて虚勢を張るも先生にはお見通しらしい。
みんなも温泉に行ったらしく、サスケくんは窓辺で団扇を仰いで涼み、ナルトは畳の上で大の字になって「あちーあちー」と言っていた。

「この時期に温泉はちょっと暑いよねぇ」

先生はそう言いながら片手を襟元から出していた。
少しでも涼しくしているようだけど。

「そんなに暑いなら、それ、脱いだらいいじゃないですか」

先生は浴衣の下にいつものアンダーシャツを着ていた。
「これタンクトップだから大丈夫」と、意味の分からないことを言ってくる。

「見てる方が暑いんですよ」

私は冷たい水を飲みながらジトっと見る。
素顔を見てみたい、などとは思っていない。
先生は顎に手を当てて何か考えていると思ったら、何故か嬉しそうに笑って。

「そうか、そうか。サクラはこの下が見たいのか。それなら素直に言えばいいのに」
「は？」

先生の言ったことを理解出来ないでいると、先生はにっこりと笑って私を立ち上がらせて、何故か部屋の外へと連れて行く。

ナルトとサスケはお互いの顔を見て訝しげ。

隣のサクラの部屋から悲鳴と襖が吹っ飛ぶ音が響いた。