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今日は先生はいない。
アスマ先生と紅先生とガイ先生と飲み会をするらしい。
だから部屋には来なくていいって言われたけど、顔が見たいから待ってるって言ったら嬉しそうに先生は笑った。


****


ピンポーン


日付が変わる頃、インターホンが鳴った。

「はーい」

先生かなと思ってドアを開けると、そこには紅先生、アスマ先生とガイ先生に担がれたカカシ先生が立っていた。
状況が理解出来ずに固まっていると、項垂れていた先生が顔を上げると満面の笑みを浮かべたのだ。


「あ〜!サクラぁ〜」


「ただいまぁ〜」と言いながらアスマ先生達から体を離して私に伸し掛かってきたのだ。

「先生重い・・・てゆうか、お酒臭い!」

抵抗しようと踏ん張るが、大の男の体重に勝てるわけもなく。
床に一緒に倒れ込むと、先生は頬にキスをしてきたのだ。
先生たちが見ている前で。

「ちょ、ちょっと!何するのよ!」
「いいでしょ〜いつもしてるんだからぁ」

いいわけあるか!、と先生の胸を押すものの先生は唇を突き出してまたキスをしてこようとするので、アスマ先生が先生のベストの首の部分を掴んで引き剥がしてくれた。

先生はいつも以上に眠たげな目で振り返ると、アスマ先生の襟首を掴み顔を引き寄せて唇を合わせようとしたのだ。
間一髪のところでアスマ先生が手を差し込み、危うく目の前でとんでもないシーン見るところだった。



「カ、カカシ先生どうしたんですか・・・?」
「サクラちゃんはカカシが酔ったとこ見たことない?」

隣に立つ紅先生を見ると、面白そうに笑って聞いてくるので頷く。
先生は私と一緒にいるときはお酒を飲まない。
私に遠慮してるのかと思って気にせず飲んでと言ったことがあるが、お酒飲んで私に触りたくないと。
そしてその後はもちろん・・・。

その時のことを思い出して顔が赤くなる。
紅先生はそんな私に気づかないでカカシ先生を抑える2人を見る。


「カカシはね、お酒飲むとキス魔になるのよ」
「き、キス魔!?」

初めて知る恋人の秘密に驚く。

「そ。お酒を飲んだら誰彼構わずにキスを迫るのよ」
「それって・・・」

私の顔が青ざめる。

「あ、大丈夫よ。カカシもちゃんと分かってるからお酒は私たちとだけでしか飲まないし、私に来た時は急所狙ってるから」

ニコリと笑ってくれる紅先生の言葉にホッとする。
もしカカシ先生にそんな性癖があると里の女性たちにバレたら無理やり飲まされるかもしれない。

「本当はサクラちゃんが来るから今日はお酒は飲まないって言ってたんだけどね。間違って私のお酒飲んじゃったのよ」

紅先生は呆れたようにため息をついて、その豊満の胸の下で腕を組む。
その目線の先にはカカシ先生に伸し掛かれているアスマ先生と、何とか引き剥がそうとするガイ先生が騒いでいた。

「いつもならこんな男放置出来ないから、アスマかガイの部屋に泊まらせるんだけど。カカシが絶対部屋に帰るって聞かなくて」

眉を下げで私を見てくる紅先生に申し訳なくて眉を下げる。

「あなたもいる部屋にあの男たちを泊らせるのもあれだから私がここに泊まろうかって話してたんだけど、どうする?」

その言葉を聞いて納得した。
先生たちは私の身を案じてくれているのだ。


「いえ、大丈夫です。先生たちのお手を煩わせるわけには」
「別に気にしなくていいのよ?」

私が横に首を振ると紅先生は納得してくれた。


「分かったわ。でも何かあったら助けを求めるのよ」

紅先生はそう言って私に何かを握らせた。
手の中を見ると、式神の紙。
きっとこれにチャクラを流したら紅先生のところに飛んでいくのだろう。


私が頷くのを確認すると、紅先生は暴れる男性陣を見下ろす。

「ほら、遊んでないで帰るわよ」
「これの、どこが、遊んで見えるんだよ・・・!」

未だにキスをしようとするカカシ先生の肩を掴んで抵抗するアスマ先生。



なんとかカカシ先生を引き剥がして先生たちを見送り、部屋に戻ると先生は床の上で寝そべっていた。

「先生。寝るならベッドで寝てよ」

風呂に入れたいがこの状態では危ない。
せめて自分でベッドに行ってくれないと。

「ん〜・・・?」

眠たげな眼で見上げてきて、子供のように笑う。
その顔に見惚れていると、肩を思い切り引き寄せられて。
気づいたら先生に覆い被されていた。

「んっ!」

いきなりキスをされ、しかも舌も絡ませてくる。
いつもなら優しくしてくれるのに。
お酒の力のせいなのか、息も出来ないぐらい激しく絡ませてくる。
涙を滲ませて唇を合わせていると、先生が手を下へ滑らしていくのを感じた。
私は慌てて紅先生から渡された式神を探したが、まさか押し倒されると思ってなくてテーブルに置いたことを思い出した。

恋人同士になって何回も身体を重ねてはいるが、明日には記憶が無くなってそうな先生に抱かれるのは嫌だ。
そう思ったら手が勝手に動いて。

「ぐふっ!!」

先生の頬を思い切り殴っていた。
そのまま先生は私の胸に倒れ込む。


「・・・先生?」

声をかけても反応はない。
恐らく気絶したのだ。
私何とか先生から抜け出す。
このまま寝かせるのはどうかと思ったが、気絶した大の男を運べるはずもなく。
毛布を気絶した先生にかけて、私は1人ベッドで寝た。



****



次の日の朝、いつもの時間に目が覚めて起きると、そこには、床に座り頭を抱えているカカシ先生がこの世の終わりの様な顔をしていた。

「先生おはよう。体調はどう?」
「あー・・・うん、ばっちり二日酔い」

眉を下げて笑う先生の横に座る。

「その顔。覚えてるんだ」
「うん・・・まぁ・・・ごめん」

無理やりキスをしたことを謝っているらしい。
顔を覗き込むも、申し訳なさなのか目が合わない。
私は先生の顔を掴んで無理やり目を合わせる。

「私、いつもの優しいキスも好きだけど、昨日の激しいキスも好きなのよ?」

そう言って笑うと、先生は目を丸く見開いたまま顔を真っ赤に染めていた。


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