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◯赤い耳

サクラとは身体だけの関係だった。
14も離れてるし、元教え子だし。
いつか同い年の男と恋仲になるかもしれない。
それがサスケかもしれない。
そうなったらすぐに手放してやれるように、いつでも身を引けるように、オレ達にとってこれが良いんだって思っていた。
──でも。
サクラが知らない男と2人でいる所を見てしまってから、ずっと胸の辺りがモヤモヤしていた。
そしてそれが嫉妬だと気づいたとき、もうサクラを手放したくないと思ってしまったんだ。

「サクラ・・・ずっと側にいてほしい」

いつものように部屋に来たサクラを抱きしめ、弱々しい声でそう言うと、サクラは眉を下げて泣きそうな嬉しそうな、そんな顔で笑って。
「遅い!」とサクラもぎゅっと抱きしめてくれる。
たったそれだけのことが嬉しくて、サクラから見えないように頭に顔を埋める。
きっと耳が赤くなっているから。






◯30歳の目薬

「あー・・・」

ソファーで横に並んで寛いでいると、突然隣から唸り声が聞こえてきた。
何事かと思って横に座る男を見ると、いつもは閉じられている左目に目薬をさそうとしていた。
その液体が目に入ろうとする瞬間、先生は侵入を拒むように目を閉じてそれは瞼に落ちる。
先生はため息をついてティッシュで拭う。
よく見たら、テーブルの上にはいくつものティッシュの残骸があった。

「まさか先生・・・」

そのまさか。

「サクラ、目薬さして」

へらっと情けなく笑いながら、先生は私に目薬を差し出した。


「先生、今年いくつよ」
「えーと、30」
「その年で自分で目薬させないなんて・・・」
「いやはや、お恥ずかしい」

先生は私の膝を枕に仰向けになる。
私は軽く先生の目を開いて、1滴垂らす。
何回もしないといけないのかな、と思っていたけど、それはすんなり瞳の中に入る。
拍子抜けとはまさにこのことだった。

「出来るじゃない」
「んー。たぶんサクラがしてくれたからかな」
「何で?」

「目を閉じるのが勿体無い」






◯封印された術

「カカシ先生ー!見ててってばよ!!」

草むしりの任務の休憩中、サクラがどこかに行ったと思ったらナルトが大声で呼んでくる。
何事かと見ていると。

「おいろけの術(サクラちゃんver.)!」

煙の中から現れたのは、何も身に纏っていないサクラの裸。
ビックリして固まっていると、ナルトはニシシと笑って駆け寄ってくる。

「どう?どう?カカシ先生に見せようと思って頑張ったんだってばよ」
「・・・あぁ」
「サクラちゃんくらいの胸の小さいグラビアアイドルの写真を参考にしたんだけど」

ナルトはその場でクルッとターンして見せる。

「ちゃんと出来てる?」
「よく見してくれる?」

ナルトは背中がゾクっとした。
恐る恐る振り返ると、いつの間に戻ったのかにこやかに笑うサクラが後ろに立っていた。
しかしその瞳は笑っていない。
ナルトは恐怖から体が震え出し、変化が解ける。

「さ、ささささ、サクラちゃ」
「ナルト。ちょっとこっちに来なさい」

「カカシ先生助けてー!!」

サクラに襟首を掴まれて林の奥へとズルズル引き摺られていくナルト。
助けを求められるカカシは別のことを考えていたため、ナルトの願いは叶わない。

──胸が1cm大きかったなぁ、と。






◯おみあし

寒い地域での任務の為、それぞれ外套を羽織って走っている。
カカシはある部分から目が離せなかった。
それは前を走るサクラの飜る外套から覗く素足。
下忍時代よりスパッツが短くなったことで、太腿からブーツまでの美脚が曝け出されている。

「それじゃあ、ここで休憩しよう」

ヤマトがそう言い、全員が立ち止まり各々休憩中し出す。
外套を着たまま木を背もたれに座るサクラ。
その脚からまだ目を離せないでいると。

「先生、さっきから何?」

じー、とサクラから少し離れたところに立って見下ろしていると、サクラが訝しんでくる。

「んー、いや。生足ってえろいなって思ってね」

カカシは爽やかに微笑む。
その顔はとても卑猥なことを言ったと思えないほどの。

「・・・変態」

サクラは今まで見たことのないほどの軽蔑した顔をカカシに向けた。






◯クリーム

「はい、サクラ。お土産」
「わっ、シュークリーム!」

五代目の護衛として火の国の大名の元に行った帰り、前にサクラが食べたいと言っていた大人気のシュークリームのお店を見つけた。
五代目にからかわれながら、サクラの笑顔を想像しながら買った。
そして想像通り嬉しそうに頬張って食べるサクラに、買ってきて良かったとオレも嬉しくなる。

「ん!」

サクラがシュークリームにかぶりつくと、クリームが皮を破ってサクラの手を汚す。

「シュークリームって食べるの難しいのね・・・」

そう言いながらサクラは恥ずかしそうにクリームの付いた指を舐める。
それを横で見ていたオレは、その手を掴む。
ビックリして固まるサクラを横目に、サクラの指に舌を這わせる。

「ちょ、先生!?」

手を引っ込めようとする手を強く握り、指と指の間を舐めるとサクラの体がピクリと揺れる。
目をサクラに向けると、顔を真っ赤にして声を出さないように耐えていた。
さっきまで子供みたいな顔をしていたのに、一瞬で男を誘う顔をするもんだから。

クリームより甘い花の蜜に惹かれるのはしょうがない。



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