short.1
「火影様、どういうつもり?」
火影の執務室に入って最初の一言。
カカシは書類から顔を上げて困ったようにサクラを見る。
「だから火影様はやめてってば。お前にそう言われると背中がゾワゾワする」
サクラはニシシ、と昔と変わらない顔で笑う。
「で、どういうつもりって?」
「ナルトとヒナタの結婚祝いよ。プレゼントを査定しようだなんて」
「しょうがないでしょ。全員結婚式に回したら仕事どうすんの」
「そりゃそうですけどー」
不満たらたらな顔をするサクラ。
そんなサクラに構わず、先ほどの書類の視線を落とす。
「サクラは写真立てだっけ?」
「そ。いのと色んな店回って決めたの」
「相変わらず仲の良いことで」
そういうと、サクラは「えー」と嫌そうな顔をするのでカカシは苦笑する。
「結局はみんな参列出来るんでしょ?」
「うん。砂に頼んで回してもらうことになったよ」
「火影様も大変ね」
「だから様はやめてって」
眉を下げるカカシにクスクスと笑い、サクラは窓の外を見ている。
「はぁ・・・それにしても、あのナルトが結婚かぁ・・・」
その瞳は遠くを見ているようだった。
「ねぇ、サクラ」
「ん?」
カカシは遠くに行ってしまいそうなサクラの意識をこちらに戻す。
「サクラはオレが結婚するってなったら、何をくれる?」
「え」
冗談でそう言うと、サクラは目を大きく開いて固まる。
「先生も結婚するの」
「いや、もしもの話だよ」
サクラは安心したように胸に手を当てて息を吐く。
「もう・・・ビックリさせないでよ。先生にも越されるかと思ったじゃない」
「はは、なにそれ」
「女にとっては重要なことなの!男に先に結婚されたら女の沽券に関わるわ」
「そういうもん?」
「そういうもん」
サクラは腰に手を当てる。
女の子は難しいなぁ、と次の書類に手を伸ばした。
「ねぇ」
「ん?」
「先生は、私のとき何をくれる?」
「サクラのとき?」
カカシは顎に手を当てて唸る。
「んー。サクラが結婚する時は、結婚する前にもうあげてるからなぁ」
「え?」
意味が分からず首を傾げるサクラ。
その様子にカカシは頬杖をして微笑む。
「左手の薬指にはめるやつをね」
カカシはにっこりと笑い、その意図を理解したサクラは一瞬で顔が真っ赤になる。
カカシの顔が見れなくなったサクラは俯いていると、優しい声で名前を呼ばれる。
恐る恐る顔を上げると、カカシは優しく微笑んでサクラに向かって手を差し伸べていて。
サクラは恥ずかしがりながらも、ゆっくり、その差し伸べられる手に自分の左手を重ねた。
火影の執務室に入って最初の一言。
カカシは書類から顔を上げて困ったようにサクラを見る。
「だから火影様はやめてってば。お前にそう言われると背中がゾワゾワする」
サクラはニシシ、と昔と変わらない顔で笑う。
「で、どういうつもりって?」
「ナルトとヒナタの結婚祝いよ。プレゼントを査定しようだなんて」
「しょうがないでしょ。全員結婚式に回したら仕事どうすんの」
「そりゃそうですけどー」
不満たらたらな顔をするサクラ。
そんなサクラに構わず、先ほどの書類の視線を落とす。
「サクラは写真立てだっけ?」
「そ。いのと色んな店回って決めたの」
「相変わらず仲の良いことで」
そういうと、サクラは「えー」と嫌そうな顔をするのでカカシは苦笑する。
「結局はみんな参列出来るんでしょ?」
「うん。砂に頼んで回してもらうことになったよ」
「火影様も大変ね」
「だから様はやめてって」
眉を下げるカカシにクスクスと笑い、サクラは窓の外を見ている。
「はぁ・・・それにしても、あのナルトが結婚かぁ・・・」
その瞳は遠くを見ているようだった。
「ねぇ、サクラ」
「ん?」
カカシは遠くに行ってしまいそうなサクラの意識をこちらに戻す。
「サクラはオレが結婚するってなったら、何をくれる?」
「え」
冗談でそう言うと、サクラは目を大きく開いて固まる。
「先生も結婚するの」
「いや、もしもの話だよ」
サクラは安心したように胸に手を当てて息を吐く。
「もう・・・ビックリさせないでよ。先生にも越されるかと思ったじゃない」
「はは、なにそれ」
「女にとっては重要なことなの!男に先に結婚されたら女の沽券に関わるわ」
「そういうもん?」
「そういうもん」
サクラは腰に手を当てる。
女の子は難しいなぁ、と次の書類に手を伸ばした。
「ねぇ」
「ん?」
「先生は、私のとき何をくれる?」
「サクラのとき?」
カカシは顎に手を当てて唸る。
「んー。サクラが結婚する時は、結婚する前にもうあげてるからなぁ」
「え?」
意味が分からず首を傾げるサクラ。
その様子にカカシは頬杖をして微笑む。
「左手の薬指にはめるやつをね」
カカシはにっこりと笑い、その意図を理解したサクラは一瞬で顔が真っ赤になる。
カカシの顔が見れなくなったサクラは俯いていると、優しい声で名前を呼ばれる。
恐る恐る顔を上げると、カカシは優しく微笑んでサクラに向かって手を差し伸べていて。
サクラは恥ずかしがりながらも、ゆっくり、その差し伸べられる手に自分の左手を重ねた。
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