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「サクラちゃんお願い!!」
「嫌に決まってるでしょ!!!」


****


恋人である先生と半同棲生活をし始めて暫く経つ。
すっかり先生の家へと歩くのが癖になり、それがまた嬉しくなる。
今日は先生の方が早く帰宅してるから、久しぶりの先生のご飯に浮かれていた。

まさか玄関を開けたらとんでもないものが待ち受けているとも梅雨知らず。





「おじゃましまーす」

インターホンを鳴らしても応答がなく、ドアノブ回したら開いていたので部屋に入る。
もしかしたら、手が離せない状況なのかもしれない。
そう思いながら真っ暗な玄関の電気を付けると。


「ひっ!」


電気が付いた瞬間、いると思わなかった人が現れて思わず声が出た。

「おかえり、サクラ」
「え、あ、ただいま・・・」

何事もなく喋る先生に戸惑いながら、私は先生の顔からその手元へと視線を落として固まる。


「・・・先生、なにそれ」
「あ、これ?」

私が突っ込んで嬉しそうにそれを掲げる。

「チャイナドレス!サクラに着てもらおうと思って」
「馬鹿じゃないの!!」





そして冒頭の発言に戻る。




「着るわけないでしょ!馬鹿じゃないの!!」

今日何度目かの馬鹿発言。
それでも先生はニコニコ笑って怒る素振りもない。

「だって今日の晩御飯は中華だよ?せっかくなら雰囲気よくしたいじゃない」
「それだったら先生が着ればいいじゃない」
「いや、さすがにオレはこれは着れないでしょ。入らないし」
「誰がそれを着れって言ったのよ!このおバカ!!」

だんだん怒ってる自分が馬鹿らしくなってきて、先生の横を通ってリビングに入る。
先生はそのまま私の後ろをついてくる。

「とゆうか、それどこから持ってきたの。まさか買ったんじゃないでしょうね」
「諜報部から借りたんだよ。あそこなら潜入するときの服が色々あるからね」

諜報部の人は、何故この男がチャイナドレスを所望したのか疑問に思わなかったのか。
思っていたなら絶対貸さなかったはずだ。



「ねぇ、サクラちゃん。これ着てよー」
「い・や!!」

歯をいー、と見せて拒否する。
こんなの着たらその後どうなるか目に見えている。

「そっか・・・じゃあ、他の子に着せようかな」

ピクリ

仕事着から部屋着に着替えようと寝室に向かう足が止まる。

「諜報部に行った時にすごいボンキュッボンの子がいてさ。あの子だったら絶対ドレス似合う気がするんだよね」

私は自分の体を見下ろす。
昔に比べたら肉付きは良くなったが、一番欲しいところには全然付いてくれない。
きっとそのボンキュッボンの人の方がチャイナドレス似合うんだろうけど。



私は唇を噛んで先生の元へ戻る。

「着る?」

先生は目を細めて私にチャイナドレスを差し出してくる。
私はーー。



****


「・・・・・・どう?」

先生が渡してきたチャイナドレスは体にピッタリくっいて身体のラインが丸わかりですごく恥ずかしい。
それにスリットが下着ギリギリでスパッツが履けないから、動いたら下着が見えそうでモジモジしてしまう。

「・・・すごく良いね」

先生は妖しい笑みで私の身体を上から下に舐めるように見てくる。
その視線でお腹の下がゾクゾクする。

「も、もういいでしょ。私は着替えるから」

そう言って先生に背中を向けて着替えようとした時。
一瞬で私の背後にまわり、スリットから見えている足を撫でてくる。


「ちょ、ちょっと!!」

私は慌てて体を離そうとするが、いつの間にか腰に回された腕によってびくともしない。

「サクラ・・・」

耳元で囁かれ、そのまま先生の手がスリットから入ってきて体が跳ねる。

「ま、待って!」
「待てない。サクラのこんな姿見たら待てないよ・・・」

先生は固くなった部分を私の腰に押しつけてきて顔が真っ赤になる。

「サクラは可愛いね」

ふ、と笑った先生が首筋にキスをしてきて、どんだん体が熱くなる。

でも。


「も、先生、せっかくのご飯が・・・!」

前屈みになって抵抗しようとするが、本気になった先生に勝てるわけもなく手がどんどんエスカレートしていく。

「いいじゃない。温め直せば」

そう言って先生は抜き出た二の腕にまでキスをしてきて体が震える。

「やだぁ・・・。先生の、ご飯、楽しみにしてたんだからぁ・・・」

途切れ途切れに懇願すると、甘い攻撃が止んで背中から顔を覗き込んでくる。

「じゃあ、この格好のままご飯食べてくれる?」


う、
こんな格好でご飯なんか食べたら落ち着かない。
それに、先生がえっちしないわけがない。
今日の夕飯は絶対美味しいに決まってる。
絶対おかわりする。
そしたらお腹が・・・。


「・・・今日えっちしないならこのまま食べる」

私はへらっと笑うと、先生はにこりと笑って。
私を担いだ。



「や、やだ!」

先生はベッドに私を押し倒して、ドレスのスリットに手を突っ込んで下着をずり下げる。

「サクラ、往生際が悪い」

先生はそのまま太ももの際どいところを強く吸う。
たったそれだけで反応してしまう。

「せ、せめてドレス脱がせてよ・・・」
「だめ」

私は何とか対抗しようと裾を抑えるが、簡単に手を剥がされる。
私が反抗したばかりに先生の意地悪スイッチが入ってしまったらしい。
こんなことなら素直に聞いていれば良かった。


「お腹空いた・・・」
「オレがサクラを食べ終わったらね」

そう呟くと、チャイナドレスの胸元のボタンを外し胸元に顔を埋める先生はそう言う。

「私は食べ物じゃないわ・・・」
「だいじょーぶ。今まで食べた中でサクラが1番美味しいから」

何が大丈夫なのか・・・。



結局、ご飯を食べれたのは日付が変わってからで。
私はチャイナドレスを着たことにものすごく後悔していた。



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