short.1
◉別れ話
「サクラ。別れてほしい」
ソファーで煎餅を食べているサクラに向かって、頭を床につけて土下座をするカカシ。
「・・・理由は」
「・・・他の女性を好きになった」
煎餅がピキっと小さく割れる音と共に、振り子時計が12時を知らせる音を鳴らす。
サクラはソファーから立ち上がり、カカシの横を通り過ぎて自身の鞄を手に取り玄関へと向かう。
「ちょ、サクラどこ行くの」
「どこって帰るのよ。もう彼女じゃないんだから!」
慌てて立ち上がって追いかけたカカシはサクラの手を掴むと、涙を滲ませて振り返りながら睨むサクラ。
「いや、これ、エープリルフールだから!嘘だから!」
「・・・・・・は?」
カカシの言葉に先程とは違う睨みを効かせるサクラにたじろぐ。
「だから、嘘ついていい日なんだって」
「・・・嘘?」
「うん」
肩の力が抜けたサクラは、カカシの胸の中にポスンと倒れて。
「次こんな嘘ついたら絶対別れるからね」
「・・・気をつけます」
上目遣いで睨むも、それは先程までの睨みとは違っていて。
可愛らしく怒る恋人にカカシは破顔して、可愛く尖らせる唇に唇を合わせた。
◉好き
「私、先生が好き」
「オレもサクラのこと好きだよ」
サクラからの告白にカカシはヘラヘラ笑いながら返事をする。
その返事に不満があると言った感じに頬を膨らませるサクラに、カカシは眉を下げて「やれやれ」と笑う。
先程ナルトからエイプリルフールネタをされたので、サクラもからかってきてるのだろうと思ったのだ。
「本当よ」
「うんうん。ありがとうねぇ」
サクラを傷つけず、かつ自身も傷つかないように。
師と生徒の線引きを越えないように。
「・・・先生、今日がエイプリルフールって知ってるでしょ」
「あ、バレた?さすがサクラだね」
これでネタバラシだな、と安心していると、サクラはカカシの胸ぐらを掴んで思い切り引き寄せる。
突然のことにカカシはバランスを崩して顔がサクラに近づき。
チュッと口布越しに唇が重なった。
慌てて体を離すカカシに、サクラはしてやったり、と微笑んで。
「先生、今はもう13時よ」
「え、あ?うん・・・?」
状況が全く分かっていないカカシは、珍しく顔を真っ赤にして狼狽える。
「嘘をついていいのは午前中までって知らないの?」
「え」
その言葉に、サクラの告白が本気だと。
「次は先生からしてよね」
手を後ろに回して可愛らしく首を傾けて。
大の男が小さい女に、しかも上忍が下忍の手のひらで転がされている。
こんなこと誰かに見られでもしたら。
そう思っても浮き出た想いはもう隠せそうにない。
カカシは大きくため息をついて、口布を下げてサクラを引き寄せた。
「サクラ。別れてほしい」
ソファーで煎餅を食べているサクラに向かって、頭を床につけて土下座をするカカシ。
「・・・理由は」
「・・・他の女性を好きになった」
煎餅がピキっと小さく割れる音と共に、振り子時計が12時を知らせる音を鳴らす。
サクラはソファーから立ち上がり、カカシの横を通り過ぎて自身の鞄を手に取り玄関へと向かう。
「ちょ、サクラどこ行くの」
「どこって帰るのよ。もう彼女じゃないんだから!」
慌てて立ち上がって追いかけたカカシはサクラの手を掴むと、涙を滲ませて振り返りながら睨むサクラ。
「いや、これ、エープリルフールだから!嘘だから!」
「・・・・・・は?」
カカシの言葉に先程とは違う睨みを効かせるサクラにたじろぐ。
「だから、嘘ついていい日なんだって」
「・・・嘘?」
「うん」
肩の力が抜けたサクラは、カカシの胸の中にポスンと倒れて。
「次こんな嘘ついたら絶対別れるからね」
「・・・気をつけます」
上目遣いで睨むも、それは先程までの睨みとは違っていて。
可愛らしく怒る恋人にカカシは破顔して、可愛く尖らせる唇に唇を合わせた。
◉好き
「私、先生が好き」
「オレもサクラのこと好きだよ」
サクラからの告白にカカシはヘラヘラ笑いながら返事をする。
その返事に不満があると言った感じに頬を膨らませるサクラに、カカシは眉を下げて「やれやれ」と笑う。
先程ナルトからエイプリルフールネタをされたので、サクラもからかってきてるのだろうと思ったのだ。
「本当よ」
「うんうん。ありがとうねぇ」
サクラを傷つけず、かつ自身も傷つかないように。
師と生徒の線引きを越えないように。
「・・・先生、今日がエイプリルフールって知ってるでしょ」
「あ、バレた?さすがサクラだね」
これでネタバラシだな、と安心していると、サクラはカカシの胸ぐらを掴んで思い切り引き寄せる。
突然のことにカカシはバランスを崩して顔がサクラに近づき。
チュッと口布越しに唇が重なった。
慌てて体を離すカカシに、サクラはしてやったり、と微笑んで。
「先生、今はもう13時よ」
「え、あ?うん・・・?」
状況が全く分かっていないカカシは、珍しく顔を真っ赤にして狼狽える。
「嘘をついていいのは午前中までって知らないの?」
「え」
その言葉に、サクラの告白が本気だと。
「次は先生からしてよね」
手を後ろに回して可愛らしく首を傾けて。
大の男が小さい女に、しかも上忍が下忍の手のひらで転がされている。
こんなこと誰かに見られでもしたら。
そう思っても浮き出た想いはもう隠せそうにない。
カカシは大きくため息をついて、口布を下げてサクラを引き寄せた。
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